85歳ですが

病気になるまでは一人暮らし

毎日近所へ出掛けて

買い物や友達とのおしゃべりを

楽しんでいた方です


リンパ腫が頭蓋内に広がり

ふらつきがひどくなり

歩けなくなりました


退院はご本人の強い希望です


離れたところから手伝っていたご家族が

同居してお世話をすることになりました


初めて訪問診療に行った時

患者さんは大変喜ばれ

家で過ごすこと

使い慣れた布団で眠れることを

ニコニコしながら話してくださいました


病院の主治医は

退院をしぶり


「動けないんだから入院してていいよ」

と言い続けたそうです


そして、退院が決まってからも

次の外来予約をとろうとしたそうで


看護師さんが

「訪問の先生がいるのに

外来でなにするんですか?」と聞くと


抗がん剤を薦めようと思うとおっしゃったそうです


看護師さんもあきれていました



緩和ケア医として患者さん側に立って見てみると

治療したいのにしてもらえない人もいれば

治療したくないのにすすめられて苦しむ人もいる


もう一歩患者側に踏み込むことで

少しは改善するのでは??

と思う私が甘いのでしょうか