ナーシングホームにて
腫瘍が大きくなり
腸がほとんど動いていません
ゼリー状の物をゆっくり食べる
絶食から始まったので
飲み物が飲めること
ゼリーが食べられることを
喜んでいましたが
やがて飽きてきました
「先生、なんかほかにないかなあ」
「ジュースを飲んでもずっと胃のつかえがあって
すっきりしないんだよね。
「部屋の中を30分歩いてるよ、弱ってるからね。
動いても無駄なのかな‥
どうせこのままなんだから
何もしない方がいいかな?」
と胸の内を話されました
イレウス状態の説明をして
飲み方の工夫や
飴玉を提案しました
その時
ずっと突っ立って面白くなさそうに
していた看護師が
うづくまり
「発作が」と胸を押さえました
患者さんに寄り添うことも
言葉をかけることも
専門的知識から提案することもせず
往診の際ですら
参加せず
発作?????
何の発作なん?
この患者さんは
体はつらくなる一方で
食事が摂れるようになるわけでもない
ジレンマに苛立ち
つい看護師に当たってしまうことも
あったようです
往診後、ご家族が追いかけてきて
その看護師に謝りました
「いろいろご迷惑をおかけして
申し訳ありません」
何があったのか詳細はわかりませんが
“辛くて看護師さんにあたってしまった“
というお話しをされていたので
そういうことなんだと思います
そして
それは当たり前のことで
謝ることではないのです
うづくまった看護師は
相手の気持ちになることができません
これまでも数々の失態を繰り返し
患者さんやご家族を泣かせています
治らなくても
生きています
一人一人の時間を
大切に
共に生きる
その人らしさは何かを考え
生きるお手伝いをする
やれることはたくさんある
探してやる!
です