コメントに質問をいただきました
では入院した後はどうなるのか?
施設入居した後はどうなるのか?
トイレに行けなくなったら
入院したい
施設にお世話になりたい
と伺うことがあります
尿瓶を利用したり
ポータブルトイレを
ベッドサイドに設置することで
しばらく自宅で過ごすことができますが
トイレに行けなくなる=動けなくなっている
ということなので
問題はトイレだけではありません
その時期になると
同時にその他の症状
例えば
倦怠感、痛み、吐き気、浮腫などが
増悪していることが多く
介護負担の中で
体力的な部分と
気持ち的な部分
その両方が限界にきてしまうのです
では
緩和ケア病棟に入院したり
介護施設に入居すると
どうなるか
まず
ご家族の介護が不要になります
病院や施設に通うという形になることで
それ以外の時間をもつことができます
患者さんの介護は
病院や施設のスタッフさん達が担います
自宅よりは人手が多く
慣れた専門家の仕事は
患者さんへの負担も少なくなります
トイレに行けなくなるほど
進行し
衰弱した際
介護は慣れた専門職に任せ
付き添うこと
そばにいることに専念する
というのも選択肢として
持っていると良いと思います
大前提は
そのケアが
自宅で自分たちだけでやっている時よりも
優れていること
患者さんに不利益になっていないこと
が重要です
緩和ケア病棟に勤務していた時
ご自宅から入院されると
「ほっとしました」
とおっしゃるご家族が多く
時に安堵から泣かれる方もいました
頑張ってこられたのですね
と労わずにはいられませんでした
そして
これからは私たちに任せて
ゆっくり休みながら
そばにいてあげてください
と声をかけたものです
でも
増悪する苦痛の緩和すらできず
ご家族のフォローもままならない所では
家で看てあげればよかった
こんなところに連れてこなければよかった
と後悔の念に苦しむことになります
現在は訪問診療専門の医師なので
施設を担当する際には
ご自宅から入居された方にも
安心して過ごしていただけるよう
施設のケアのレベルアップにも
努力をしています
なかなかですが・・・
