患者さんは胃がんの治療を希望しませんでした

手術はできず

抗がん剤を勧められましたが

どうしてもしたくなかったのです



治療をしてほしい


強く願うご家族の気持ちさえも

重荷になり

しばらくはうつ状態になってしまったほど


治療せず過ごすことを

希望されました


腫瘍が大きくなり

胃の入り口が狭くなっているため

食事はゼリーのみで

高カロリー輸液で栄養管理されています


退院後の訪問診療で

主治医になりました


食事について伺うと

「食べてみたい」ということでしたので

よく噛んで少しずつ食べてみることにしました


初めは味噌汁やスーパーから

徐々に牛乳に浸したパンなどを召し上がり

順調にきています



点滴を減らすことについて提案すると


え?そんなことできるの?

していいの?


患者さんもご家族も頭の上に????が

たくさん見えました


訪看さんと笑いながら

ここは病院じゃないですからね

好きなように過ごしましょう


食べる量も増えてますし

水分も摂れてますから

点滴を減らして

点滴速度も変更して

点滴をしない時間も作りましょう


と説明すると

にっこり


ついでに

お着替えもされてはいかがですか?


パジャマが似合いませんよ


またまた皆んなで大笑い


確かになんでパジャマのままだったかしら?



次の診察の時にはお洋服に着替えていました


もちろんずっとずっと

この時間が続くわけではありません


でも


だからこそ


生活の質を上げ

やりたいことをやってほしい


そこを全力でサポートします