私が手術を受けて入院していた時

患者の立場で感じたことがいくつかあります


ベッドに寝ていると

立って話す人からは見下ろされる形になり

居心地が悪かったのを記憶しています


少し目線を下げて話されるだけで

ほっとしていました


忙しくてベッドサイドで話せる時間が限られ

それがたとえ1分だとしても

なにがしか工夫をすることで

よいコミュニケーションがとれると思います



ナーシングホームに入居した男性は

筋萎縮性側索硬化症です


手足の筋肉が萎縮し

一人では動けなくなりました

進行はかなり速く

患者さんもご家族もついていくのに必死の状況


自宅での生活が難しくなり

在宅医療を受けるか

施設入居か悩まれた末に

このナーシングホームに決めたそうです


徐々に身体が動かなくなり

息もしづらくなってきています

唾液も飲み込めないことがあり

夜眠るのが怖いと話されました


そういった話を聴く時は

ベッドサイドに座って

患者さんが少しでも話しやすいようにしています


この施設は椅子など、すべて持ち込みなので

入居されたばかりのお部屋には

まだ椅子もなく

私はしゃがんでお話ししました


食べられなくなっても人工栄養は望まない

息ができなくなっても呼吸器はつけない


そこをはっきり意志表示されているので

では、

その時どうするかを緩和ケア医として

お話ししました


何もしなくていいとおっしゃる患者さんに

苦しいのはいやですよね

苦しさは和らげるようにします

どうしても苦しさがとれないときには

少し眠って過ごせるようにします

そのような話をすると


表情が柔らかくなり

死ぬのはいいんです

ただ、痛いとか苦しいが怖かった

ありがとうございます

お願いします



初対面で安心していただけたこと

一番不安に思っていたことが

解決できたこと


主治医として

よかったと感じました





しかし

この施設の看護師は


この話を棒立ちのまま

患者さんの頭側で

患者さんが見えないところに立って

無言で聞いており



突然

「私たちもお支えしますのでぇ

なんでもいってくださいねぇー」

と締めくくる


患者さんは突然の声に

びっくりして見上げていました

「居たの?」と言わんばかりです


場を作る重要な役割の看護師

ここの看護師には全く期待していませんでしたが

今回もやっぱりです


いつになったら学ぶのか


入りたくない施設