ナーシングホーム入居中の患者さん

神経難病の進行で

飲み込む力が弱くなり

人工栄養になりました


少しは食べたい


強い希望があり

スプーンでゼリーを

ゆっくり数匙食べられるように

施設がサポートしていました


死んでもいいから食べたい!

看)死んでもいいって言うけど

  そうなったらゴチャゴチャ言うでしょ!!


言わないよ

看)いっつも言うじゃない


言いません

看)じゃあ、窒息してもいいのね!


うん、いい!食べたい

看)ったく!!

  どうせあとからゴチャゴチャ言いますからね

  STも誤嚥のリスク高いって言いますし

  看護師が毎回介助するのも難しいですからっ


プンプンしながら

こぼす看護師


↑この手のやり取りは

何度も何度も繰り返され

本当に見ていて辛く

この看護師に何度も

「言い方を変えられないか?」

「相手の立場にたって話せないか?」と

問いかけました




そんな中での急変

旅立たれました


その夜、たまたまこの看護師からの報告でした


「看護師が部屋に行くと顔面蒼白で

吸引をしても何も引けないです。

酸素化不良で酸素投与してもあがってきません。

お話はできます。


本人に確認したところ

病院にはいかない

ここで死んでもいいと言います。

何度確認してもいいと言います。」


その3時間後に呼吸停止しました。


3日前に診察に行った時は

満面の笑みで絶好調!と

とても嬉しそうでした


人工栄養導入の際

とても悩んでいましたが

結果やってよかったと話してくれましたし


ゼリーについても

その他いろんなこと

一つ一つを一緒に考え

ご自身が決めてきました


だから、ご本人には大きな悔いは

ないと思います


でも

最後にこの看護師が

どのような言い方で意思確認をしたか

容易に想像できるだけに


そこだけが

私の心残りです


身寄りのない方でしたので

呼吸が止まるまでの3時間

おそらくお一人で過ごされ

時々看護師が状態を見に行っていたと思います


その時

どんな声がけをしてくれたのか

不安がないように

怖くないように

ケアができていたのか


共に振り返ろうと思います