95歳
入院する前から年齢相応の衰弱があり
デイの利用も度々休んだり
行ってもずっと寝ていたり
そんな女性が誤嚥を機に入院
治療後、嚥下機能低下は回復せず
次女、長男の希望で経管栄養開始
自宅療養希望され退院
訪問診療、訪問看護開始
以降私が主治医です
長女は経管栄養に反対
しかし同居していないことから
介護していない者に権限なし!と
その意見は全く聞いてもらえず
チューブ交換の時には
涙を目にいっぱいためて見ています
先日採血をしたところ
もちろん全てが正常なはずはなく
一つ一つを正常化することは難しい
基本的に高齢になるにつれ
異常になる項目もあり
全部が治療対象にはならないとお話
さらに
検査の数値だけでなく
自覚症状や診察所見
実際の生活そのものが大切であると説明
しかし
ネットで全ての項目を調べ
電話をかけてきて
あれは?これは?と質問攻め
こちらが仕事中なのはおかまいなし
入院しなくていいですかっ???
と詰め寄ってくるので
入院してほしいわ!と心の中で呟きました
こんなに突っ込んでくるくせに
血圧が高く
降圧剤の必要性を説明して処方したときは
しれっと飲ませず血圧は200を上回り
薬飲んでますか?
と聞くと
飲む必要あります?
ないと思って使っていません
とさらり
どこが次女の見るポイントなのか?
いつもわかりません
親の老いを受け入れられない子供
ずっと昔のお母さんのままなのでしょう
それがちっとも微笑ましくないのはなぜ?
いつも
診療の中に
やりがいを見つけ
患者さんやご家族のことが
大好きになることが多い私ですが
ちっとも好きになれません