「看取りの方針です」
これは病院で働いている時も
訪問診療している時も
よく聞き、よく見る一文です。
施設療養をしている方に
何某か異常がみつかり
その治療方針を立てる時
病院受診するのか
施設で訪問診療しながら治療するのか
選択をします
例えば
その他の背景や
罹患している疾患によっては
その治療を
病院へは行かず(行けず)
施設の中で
訪問診療で行う
点滴などできる範囲で行う
〜ことになります
やがて
治療効果が得られず
このまま治療継続しても
かえって負荷がかかるだけと判断したら
治療はせず
経過観察していきます
何もしないわけではありません
やれることはやるのです
やがて血圧が下がったり
呼吸が不規則になったり
意識がなくなってきたりすれば
看取りになっていきます
どの段階で
「看取りの方針」と言い切るか
早い段階で
この一文を使いたがる医療者は
あまり好きではありません
看取りの方針=何もしない
と考えている人が多いからです
ご家族はどんどん不安になり
突然
「病院に連れて行かなくていいでしょうか」
と言うこともあります
治療ができない状態でも
日々の変化を共有し
何かできることはないか
した方がよいことはないか
周りで見ているご家族に不安はないか
いろいろ考えます
昨夜、担当している施設から
「この方の方針を教えてください」と
唐突な電話を受け
そんなことはとっくにお知らせしているのに
と思いながら
話をした結果
相手が知りたいのは「病院に行かないこと」
だとわかりました
あなたは
目の前の患者さんに
看護師として何ができるか?
を考えるのではなく
病院に運ばなくていい
このまま施設看取りですね
わかりました!
と嬉しそうに電話を切ろうとしました
残念です