治療のための入院


よくなりたい

よくなれる


そう信じて、願って治療を受ける


でもうまくいかず

腫瘍は骨に広がり

神経に浸潤し

脚が動かなくなってしまった


よくなって家に帰る

治療のための入院が

思いもよらぬ結果になり


患者さんは家に退院することを拒否

「どこでもいい

家じゃないところに行きます」


言葉も少なくなり

心の中はわからないけれど


たぶんご家族に迷惑をかけたくない

そういう気持ちから

家に帰らないといったのだと思います


治療病院に入院したままはいられなくて

ご家族の希望もあり自宅退院となりました




ここから訪問診療が開始となり

患者さんと初対面です


介護タクシーからストレッチャーで降り

皆んなに担がれてご自分のベッドへ


その瞬間

ものすごく優しい笑顔になりました


ほっとしたのかなあ



初めましてひまわりです

おうちの担当医です



悔しい気持ちも

怖い気持ちもわかるから


怖い気持ちも

どうでもいい気持ちもわかるから


見せたくない気持ちも

会いたい気持ちもわかるから


何かできることを探そうとおもいます


家に帰らないという患者さんを

家に連れて帰ることにした奥さんは

「かえって辛い思いをさせたしまうかも。

でも少しでもそばにいたいから」と

本当に悩んでいて

ポロポロ涙を流されました



皆さんのお気持ちが一つになりますように



緩和ケアのスタートです