介護施設に入居された86歳の男性
入居日には
娘さんお二人、奥様が付き添われました
施設入居と同時に
訪問診療を始めます
ご本人の様子は
これまでかかっていた
クリニックからの情報とは異なっていました
→情報: 歩ける、食べられる、問題なし
その日は
ベッドへ移るのもかなり介助が必要で
うとうとされ
反応は今ひとつ
施設に来ていることもわからず
会話も噛み合いません
「ご自宅では
どのような生活をされていましたか?」
冷蔵庫を自分で開け好きなものを食べていた
手すりを使いながら自由に歩いていた
認知症はない
ということで
この施設に入ったから
こんな状態なんだ!
とのことでした
「まだ来られて数時間ですが・・・」
思わず口に出してしまいました
おそらく慣れたご自宅だからこそ
保たれていた部分があり
何かが起きていて
このような状態になっていると考えます
そう説明しましたが
「ここに来てからです」
を繰り返す娘さん
会話が一方通行です
検査の結果
脱水と軽度の尿路感染症を起こしていたので
治療しながら療養をスタートしました
食べられない、動けないのは
病気のせいで
今治療をしていると説明しても
「家ではふつうでした!!!」
ふぅ・・・・・
繰り返し同じことを言うしか術はなく
回復されるまで続きました
幸い数日で改善され
1週間後にはご家族のいう「普通」に
戻られたのでひと安心でした
しかし
施設へのクレームは連日続いています
ご本人は毎日帰りたい、こんな所は嫌だと
家族さんに言っているので
それが施設のせいになっています
あなた達がもっと早く来て父の言うことを聞けば
とか
こんな所に好きで入れたわけじゃない
とか
ご飯をたべさせてもらってない
などとも本気で言ってきます
娘さん達は認知症がないという認識なので
お父さんの言うことが全てです
食事を食べている証拠を残せということで
前後の食事の写真を撮って見せているそうです
ふぅ・・・・・