訪問診療を受け持っている患者さん
「がんの終末期」で訪問診療へ移行
というのが初めの紹介の流れでした
終末期とか末期とか
頻繁に容易く使われる言葉ですが
私は自分ががん患者だからでしょうか
この〝風潮〟が嫌いです
例えばこの患者さん
がんがあり
転移も認められています
治療をしてきましたが
効果がとぼしくなり
副作用や体への負担の方が大きくなり
治療はしなくなりました
90歳なのでスタスタ歩けません
でも歩行器を支えに
一人でトイレに行けます
なんとか定食!
なにやら御膳!!
のような山盛りの食事は完食できませんが
好きなものを少しなら食べることができます
痛みはがんによるものではなく
年齢による関節痛や
あまり動かないことが原因の筋力低下によるもの
これを末期とひっくるめて表現してしまう
国語力の乏しさ
いろんな書類にも
「終末期」「末期」という言葉が入るため
それを目にしたご本人やご家族は
複雑な思いです
緩和ケア・緩和医療では
病状を把握し
患者さんの悩みを解決していきます
100%は解決できないこともありますが
生活の質がおちないように
やりたいことができるように
その人らしさを保てるように
治療やケアをしていきます
例えば
脊髄に転移して歩けなくなっても
「末期」という捉え方はしません
痛みや苦痛をとることはもちろん
どうしたら動けるか
生活を保つために何が必要か
そこを考えます
つらく厳しい状況ですが末期ではありません
例えば
病状が進んで
なんとなく元気がなくなり
気付けばひと月前よりずいぶん痩せて
一つの部屋からなかなか移動できなくなった
このまま状態は大きく改善することなく
少しずつできないことが増え
辛さが増す
それでもひとくくりで安易に「終末期」
とは言えません
それぞれに感じる症状は異なりますし
解決してほしいことも
方法も違います
あくまで
その方の症状であり病状、現状を捉えます
1日の大切さはみんな同じです