緩和ケア病棟に入院した患者さん
意識が朦朧としています
状態が悪くなってからの転院
奥さんは涙をためながら気丈に振る舞っています
入院して行った検査の結果からも
やはり良い情報はありませんでした
あらためて病状をお伝えします
ご家族の表情をみながら
ゆっくり話します
カチャカチャ
カチカチ
涙を流されているときには
話すのをやめて
ご家族の言葉を待ちます
カチャカチャ
キーボードの音が空間を遮ります
伝えることを伝え
ご家族の気持ちも伺い
同席した看護師さんに
「看護師さんからお伝えすることはないですか?」と聞くと
え?
パソコンに打ち込む手を止めることなく
目線だけ“ギロッ“とこちらに向け
「ありません!
あとから色々ききたいことありますから」と
完全に業務です
数日でお別れになるという話
私たちにできることは少ないですが
せめて横に座り
気持ちを共有してほしいと思います