がんになって約5年間
ありとあらゆる治療を受けてきた方が
緩和ケア病棟で亡くなりました
初めてご主人にお会いしたとき
声を上げて泣いていました
「もう何もできない」と
やっぱり
緩和ケア=何もできない
なのだなあと思いました
目の前で泣いているご主人に
「やれることはあります」と
緩和ケアについてお話ししました
すぐにリハビリを始めました
どれくらいの機能が残っているのか
理学療法士さんにみてもらい
少しなら歩けること
座れることがわかりました
翌日ご主人が面会に来たときには
座ってお迎えしました
食事も少しなら自分で食べられました
ずっと寝たきりだったので
ご主人はとても喜ばれました
ご本人は脳への転移が広がっているため
はっきりしませんが
それでも「動けるのはいいね」と
言ってました
週ごとに意識レベルがさがり
眠る時間も増えていきましたが
いつも穏やかなお顔で
時々お話されました
そして
眠るように逝かれました
病院からお帰りになって
しばらくすると
ご主人と息子さんが荷物を取りに戻ってきました
声をかけると
「もう少しここにいていいですか?」と
荷物をまとめ
奥さん(お母さん)が最後を過ごした部屋で
お二人で過ごされました
15分くらいすると
お二人とも真っ赤な目をして出てこられました
でも
表情はとても穏やかで
笑顔でした
緩和ケア病棟のお部屋が
辛くて二度と行きたくない
そんな空間にならなくてよかった
ここでよかった
いつも綺麗にしてもらえて
苦しい顔は一度もみることがなかった
本当によかった
ご主人は
治療ができないなら
治らないなら
せめて苦しまないようにしてやってほしい
それだけを望んでいたのだと思います
あの空間で過ごす15分は
とても大切な時間だったのだと思います