施設の看護師さんから度々電話があります
「今朝食事が摂れませんでした。薬はどうしたらよいですか?」
「気分が悪いと言ってます。胃を押さえて痛いと言ってますが、食事は摂れています」
その施設に入所されているMさんについての電話です
肺がんの方ですが
がんの症状がないので施設で生活されています
施設の横にはかかりつけの病院があります
Mさんはその病院に10年近く通っています
私の勤務先までは
施設から車で40分ほどかかるので
緩和ケアが必要になるまでは
ずっと診てもらっている先生にかかって
糖尿病や高血圧症の薬をもらう方がよいだろう
ということになっていました
でも
何度も電話があり
用件は前述のような内容ばかりです
隣の病院の先生に相談しては?とお話ししてみました
すると看護師さんが一気に吐き出しました
「全部がんの症状だから緩和へ連れてって
こっちはもうみない
そう言われて、何も相談ができません
胃が痛いと言ってもがんの痛みではなくて
もともとお腹のあたりは痛いといつも言うんです
胃薬が欲しいのですが
がんだからって、とりあってくれません」
こうやって
「がん」と診断されると
途端に「うちじゃない」と言う医師がいます
「治療できない」
「治療を受けない」
「治療が終わって通院の必要がない」場合
行き先がないわけで
医師同士が「情報提供書」で情報をつなぎ
患者さんがどこに行き
誰にみてもらい
どうやって過ごしていくのかがきまっていきます
この過程に無責任な人が入ってくると
途端に途切れてしまいます
緩和ケア病棟のベッドの数は少ないので
症状の強い方が優先となるため
がんがあっても
緩和ケア病棟ではない場所で
治療をうけたり、療養する必要があります
つまり
どんな医師も最低限の対応はすべき
そう感じています
この方は結局
緩和ケア病棟に入院していただくことになりました