一般外来で診療をしていたときのことです
患者さんは90歳をすぎた女性
デイで「お腹のしこり」を指摘されたとのこと

息子さん夫婦が付き添ってこられました

お母さんは車椅子にちょこんと座り
笑顔です
ちょっと緊張されています

お腹のしこりは消えることもあり
特に痛くもない

触診で今日は触れません
圧痛もありません

食欲もあります
嘔気も嘔吐もありません

90歳を過ぎてもきちんとお洋服を着て外出ができ、食事もできている。お腹の痛みもなく、ご本人は特に困っていることはない。恐らく便が固くなり触れるのだと思うが、何か腫瘍などあるのかもしれない。レントゲン等の検査は今は不要。症状が出た時に考えましょう。

と便を出やすくする薬を処方し
「これでおしまい」と言うと

患者さんは手をたたいて満面の笑み
「やったあ」と

認知症がありますが患者さんなりに
病院にくる不安と
何かあるかもしれないという不安があったのですね

しっかり検査をして発見しなければならないことと、そうでないことがあるのだと常々思っています