お別れの時が近づいたとき
ご家族にお話します
今の状態
これからおこること
何が出来るか
ご家族に何をしていただきたいか
そしてそのような話をする中で
また
ご家族の気持ちを伺うことができます
長く関わらせて頂いている時は
その経過のなかで
皆さんの関係も把握することができ
時間をかけて
生き方から最期の時のことも
お話することができます
時間をかけることができたり
ご本人との関係によっては
直接ご本人に
どのようにしたいか
うかがうようにしています
70代の女性です
重要な臓器の機能が低下し
ここから先、回復は難しく
意識がはっきりしない時間が増えてきたので
再度ご家族にお話しました
何度も何度も病状、現状をお話していますが
改めてお話します
それは
何度お話しても
やっぱりわかっていないことが多いからです
そして
「え?そんな・・・・・・」と
こんなはずじゃなかったとか
こんなにも早く~と言われることが多いからです
そのご家族は
その日から交代で夜も付き添っていました
数日のうちに
県外からもご家族や親戚の方が来られました
皆さんが声をかけたり
ベッドサイドでお話されるのを
時々目を開けて確認し
また眠っていました
今夜かな…と思う時がありましたが
それから2週間
皆さんと過ごされました
2週間です
すごいです
つまり患者さんはご家族といたかったのです
声を聞きながら
話を聞きながら
返事こそしないけれど
楽しく参加されていたのだと思います
最期のとき
その方が息子さんの方に手を伸ばしました
息子さんは戸惑っていましたが
「大丈夫だよ。ゆっくりおやすみ」
そう言って送り出してあげました
悲しいけれど
ご家族の思いが
しっかりと患者さんに伝わり
皆さんが十分にお別れできた最期でした