ある男性のお話です
85歳で肺がんと診断され
治るなら・・・と
抗がん剤治療をしました
頭痛や吐き気
副作用の辛さに
「死にたい」
「死んだ方がマシ」
そう言って
ナースコールを首に巻き付けたりしていたそうです
緩和ケア病棟へ紹介されたとき
目はうつろ
会話は短い返事ができる程度でした
薬剤を使い
せん妄の治療をしました
そして
なるべく起きて
スタッフや御家族と話をする時間をつくりました
2日目には会話ができるように
「あれはつらかった
死んだ方がいい
あんな辛いことはなかった」
はっきりと覚えている様子です
治療の効果が出るか
副作用がどう出るか
はっきりしたことは誰にもわかりません
しかし
体験する患者さんには
医療者は知っているあらゆる情報を
適格にお伝えすべきです
治療をすること
治療をしないこと
どちらも正しいとか
間違っているというわけではないのです
自分の生き方
死に方を
自分で決められることが大切だと感じます