診療報酬優先の医療にはうんざりします

難病や脊髄損傷の患者さんは
取り合いです
特定疾患なので

病院の経営には「おいしい」わけです
  

以前脊髄損傷で首から下が動かない、感覚がないという方を受け持ちました

1日中ベッドの中で過ごします
食事は介助者に食べさせてもらわないと食べれませんし
鼻がかゆい時もかいてもらわないといけません

お腹が空いてなくても食事の時間にはたべなくてはならないし
心無いスタッフが介助するときには
飲み込んでないのに次を口にいれられる
食べたいものから食べさせてもらえることはない
そうおっしゃっていました

脊髄損傷はありますが
お話することも
考えることも
感じることも可能です

いえ
長い1日をじっと寝ているしかないぶん
研ぎ澄まされた感性を持っていらっしゃると感じました

受け持ってからの数日
私は患者さんと話し

音楽が好きな事
歌うことが好きな事
自分の不注意であぜ道に落ち怪我をしたこと
それを後悔していること
だから現状(寝たきりで一生病院ですごすこと)を受け入れていること
家にいる家族の事 障害のある息子さんや介護の要るお母さん、病弱な奥さんの事

色んなことをききました

そして
出来ることはやろう!と思いました

早速好きな演歌をベッドサイドで聴けるように持っていきました
簡単なことです
なぜ私がやるまで誰も気がついてくれなかったのでしょうか?
泣いて喜んでいました

うちに帰りたい!
これはいろんな事情があって1時帰宅もかなえることはできませんでしたので
家の周りの写真などお見せしながら
どこがどんなふうに変わっているか
また、そのままなのかをお話しました

私が受け持つまで既に数年彼はそのベッドに寝たままでした

彼のベッドの枕の位置に顔を置くと
殺風景な棚と
スタッフが行き交う廊下しか見えません

この状況で
何を考え何を思いながら24時間×何日も過ごされてきたのかと思うと胸が苦しくなりました

それを病院のトップに話しました

理事長・院長「それはいけませんねー」
看護部長「いやあ、そんなことはない。うちは一生懸命やってますよ」
主治医「病状は安定しています」

なんとトンチンカンなんでしょう
これが現実です