訃報を聞いたときには
何も言えなかったけれど、
一日おいて
思い出が蘇って来た。
周りには彼を
教授と呼ぶ人たちも
いたけれど
私にとっては
坂本さん、だった。
彼とどうやって
誰が紹介してくれて
知り合ったのかは
覚えていない。
ただ一番最初に
遊んだのは
私の車で芝浦のクラブまで
案内したときだったと
記憶している。
私はかなり
いい加減な性格だが
あまり知らない人を
乗せるときには
すごく几帳面な
運転をする。
教習所で習った通り
３回かけてブレーキを踏んだり。
（笑）
そのことを
指摘したのは
彼が初めてだった。
それから
渋谷のクラブを
案内したり
カラオケボックスで朝まで
遊んで
今度は私が家まで
彼の運転で送ってもらったり、
ライブに招待して
もらったこともあるし
プロモ用CDを
もらったこともあった。
今夜はブギーバックが
出たときには
「面白い」
と
直接電話をくれたりもした。
ニューヨークに引っ越すときには
手書きで
自宅の電話番号を渡してくれたし
そのときご自身がしていた
黒いGショックのちょっといいやつ
みたいな時計を腕から外して
私にくれたっけ。
今となっては
世界の坂本からもらった
時計だと誰かに自慢したかったけど
そのうち電池も切れ
どこかに行ってしまった。
もう２０年以上
お目にかかってなかったけど、
あの頃お酒の席を
何度もご一緒できたこと
本当にいい思い出です。
私は世界的音楽家
としての坂本さんとは
結局ご縁がなくて
仕事をしたこともなく
もちろんその
バックグラウンドありき
なんだけれど、
失礼を承知で
言わせてもらえれば
あの時代の
東京の夜の面白い人たちの
枠として
心に残っています。
そのフェイズが終了し
その後の音楽活動、
また環境や政治関しての
坂本さんの活動は
大変共感しておりました。
最後に東京都知事
小池百合子さんに
あてた手紙を読んで
日本にはこういうことを
する著名人が本当に少ない中
一つのロールモデルに
なったらいいなあ、
という考えとともに
感動していました。
さよなら、坂本さん。
世界中が悲しんでいますね。
たぶん私のことなど
とっくに記憶の外だったとは
思うけれど。
今みたいな時代だったら
ツーショットの1枚や2枚
あってもよかったけれど
当時はスマホどころか
写メ撮れる携帯もなかったし
誰もそんなこと
しなかったんよ。
たまたま
フォトグラファーが
一緒にいた夜でもないと、ね。
タイトルの「天国より野蛮」
は坂本さんが
プロデュースした
中谷美紀さんのアルバム
「CURE」
に収録された
坂本さん作曲
売野雅勇さん作詞の
当時私がいいなと思った曲の
タイトル。
誰かがくれた
プロモCDで
聞いたんだと思う。
「芸術は長く、人生は短し」
と言う言葉を好んだ
という記事を読んで
勝手に思ったのは
まだまだ芸術家として
表現したいことが
あったのかな、と。
そして昨年末に配信された
『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022』
は一言で言えないほど
すごかったと思う。
写真はネットで
拾って来たもの。
あの頃４０代
どんな感じだったっけ？
とググって見つけた。
記事は東京新聞Webより
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