工房では関取の着物を染める事あります。
専ら文字だけの着物ですが、猛獣や漫画キャラクターの着物は専門の絵描き作家さんへ。
絵や写真からインクジェットで染める工房もある様です。

今回工房に持ち込まれた注文は座布団。
今まで数人の座布団を染めています。
関取の名は「松鳳山」
最高位は小結ですが前頭の上位を大体確保する強者です。
染屋の独り言Ⅱ-松鳳山座布団
本来はこの文字の下に寄贈者の名前を入れるのが普通なんですが、七月に迫った場所があるのでその名前の入れ方が決まらなかった様です。
今回は刺繍で後から入れると聞きました。
大体注文が入ると超特急が多いので大慌てです。

前回作った座布団は「勢」関の座布団。
染屋の独り言Ⅱ-勢座布団
これは大阪の毎日放送のラジオ番組が寄贈しました。
この座布団、土俵下の「控え」で待つ関取が座るもの。
一杯に綿を入れ四方にある房を結んで半分に折り使用します。

生地は丹後の古代縮緬、時にもっと高価な浜縮緬を使う事も。
生地巾は1メーター5センチ四方二枚分を使います。
印染屋さんでは型を彫って染めている様ですが、工房では専ら手描き。
薄めの色は蝋の二度伏、濃い色になると蒸しが良く掛かる様に糊で伏せています。

相撲中継の時、男師さんが関取の座布団を運んでいるのでご覧下さい。