浮世絵師の中でも矢張り特出した技と作品の多様さそれに作品数では北斎に勝るものはありません。
研究すればする程北斎に惚れ込んでしまいます。

そんな訳で北斎の能力を直に感じられる肉筆画を中心に、広重の東海道五十三次等をあわせて正絹ハンカチの新作を作り続けています。

先ずは目出度いとされる鷲と鷹。
見事な動物画です。
染屋の独り言Ⅱ-正絹ハンカチ:鷲鷹

次は「江口の君」
江口の君は謡曲にもなった説話で西行法師が歌問答をした遊女「妙」が普賢菩薩の化身であったというもの。
妙は平資盛の息女で平家没落のあおりで身を落とし大阪摂津の江口で遊女になったと言われ、妙の創建した「江口君堂」正式には「宝林山普賢院寂光寺」と言って大阪の南江口に残っています。
謂れのある石碑も残っているので一度は行ってみたいものです。
北斎の「江口の君」
染屋の独り言Ⅱ-正絹ハンカチ:江口の君
白象に乗った江口の君、素晴らしい構図です。

次は国芳の作品で女丈夫の二作品をまとめました。
染屋の独り言Ⅱ-正絹ハンカチ:女丈夫
上は近江の海津に居たと言う於兼と言う怪力の遊女、西国武士が湖岸で馬を洗っていた所立てかけていた竹竿が馬に当たり暴れ出した。
通りかかった於兼が馬の前に立ちはだかり手綱を踏みしめて馬を治めたと言う逸話を題材にした絵です。
下の図は「縞揃女弁慶」と言うシリーズ物の一枚で「弁慶格子」を着た女性が弁慶にまつわる話をテーマにした図柄になっています。
この図は「自剃り」義経記の一説より引用したものと思われます。

次は東海道五十三次から。
絵として完成された五十三次はどれを取っても秀逸。
正に広重の代表作です。
だんだんと西へ向います。
吉原と蒲原。
染屋の独り言Ⅱ-正絹ハンカチ:吉原
吉原は街道一杯に馬を配した図が印象的で現在の静岡県富士市にありました。
元の宿場は大津波で破壊され内陸部に移転されました。
蒲原の雪景色は風情が秀逸。
静岡市の清水区に。
その次が「由井」
染屋の独り言Ⅱ-正絹ハンカチ:由井
由井は蒲原の直ぐ近く、急ぐ人は止まらず通過した様ですが道は険しい峠もあって苦難の連続であった様です。
富士を望む峻険な山が墨画的でいいですね。
興津は大きな関取を担ぐ渡しがユーモラスながら真面目に描かれて滑稽です。
興津と呼ばれる地域は清水市と合併、その清水市も静岡市と合併しています。
次は鞠子。
染屋の独り言Ⅱ-正絹ハンカチ:鞠子
鞠子宿は現在の静岡市駿河区にあり五十三次では一番小さい宿場とされています。
絵に出ている「丁字屋」では今でも名物のとろろ汁が食べられます。
下は岡部宿、現在の藤枝市岡部町で付近には昔の街並が一部残っています。

次は藤枝。
染屋の独り言Ⅱ-正絹ハンカチ:藤枝
藤枝の宿は現在の藤枝市の山沿い、田中城の城下町でもありました。
塩の流通拠点としても栄えたそうです。
嶋田宿は大井川の左岸、江戸よりにあり増水の際は足止めで賑わったそうです。

このハンカチシリーズはずっと増え続きます。
1枚650円で販売中。