工房は手描友禅を直にご覧頂けるので、ちょっと着物に興味のある方は目を皿の様にして作業を眺められます。
そして顔はありませんが、工房の作品を着姿でご覧頂ける様マネキンさんが鎮座しています。
名付けて「遊子姫」工房のアイドルです。

今まで着用している着物を欲しがった人は皆無ですが、帯を所望される方は大勢居られます。
仕立て上がっているので元値よりかなり安くお分けしています。
まあ仕立代も含んでいるので余計につらいところでもあります。
お客様にとっては仕立に出す必要も無くお安く手に入るのは何より。
プレスし直してお渡しいています。

先日も関東の着付教室のご一行が来られ遊子姫の着用していた帯が欲しいと。
やはり、反物で置いてあるより着付けた時の雰囲気がそのまま分かるので良いか悪いかの判断が下し易い様です。

自分の帯が無くなって寂しげな遊子姫に待望の新作帯が出来上がりました。
塩瀬の極小疋田柄の染帯です。
この着物に似合うと、染め上がったばかりで店頭でお客様に見せた事も無かったのに即仕立となったものです。
昨日出来上がり早速のご着用。
染屋の独り言Ⅱ-遊子姫疋田帯1
着物は空色地の「遊小紋」、柄は「こっぽりに小兎」
半襟には黒でなくグレーのダルメシアン柄を付けました。
そして帯揚げには好評の真半分に色を変えた染分けですが、とても凝った配色にしています。
グレーと紺。
こっぽりは別名「おこぼ」関東では「ぽっこり」と言うそうな。

後はこんな風に柄が置かれています。
染屋の独り言Ⅱ-遊子姫疋田帯2
柄は「疋田の目消し」と言う技法、素描で疋田の白場を彩色する事。
薄めの鼠と黒に近い色の二色を使って表現したもの。
この疋田、真ん中の点は濃いめの青緑、縁は濃いグレー、細かくて遠目には単色にしか見えません。
暫くはこの帯を着用してもらいます。