もうすぐひな祭り⸜(๑’ᵕ’๑)⸝
スペースがなくて長年飾ってないおひなさま・´д・`(5年前に出して飾ったときの写真・・この頃は場所もスタミナもあった!?)


かわいい´>ω<`と思うのに(親の欲目‥-д´-)、5年も出してないのでどんな顔か忘れてしまった(今年どうしよう´?ω?

市松人形とか木目込み人形とか、ほかの日本のお人形もいっしょに飾ったりする、女の子のおまつり「ひな祭り」(´,,・ω・,,`‥(おひなさまの両脇にいるのは木目込み人形の「室町」くんと「桃山」ちゃんです)
この冬、増えちゃった子もいるのでご紹介します(´ж`;)ゥ
※人形作家 吉野光宝 作品展(遠鉄百貨店 本館5階)
先日、デパートの催事(現代の職人たち展)で吉野光宝先生の作品を購入しました ̄∇ ̄=

最初の日は、なんとなく素通り'-'
でも翌日、日本の野草「吾亦紅」が好きなので、「吾亦紅の姫君」と名前を付けることにして、一体お迎えすることに⑉• •⑉
女の子がよかったのですが、先生のおすすめは男の子(本来の御所人形は男の子なのだそう)でも女の子にしました◦ˉ ˘ ˉ◦
平安時代が好きなので、藤原氏の姫君風に「茗子(めいし)」と名前を付けることに(遅く摘んだお茶を意味する名前だとか)
100年ほど前の上質のちりめんの着物から衣装が作られているそうです(着物や古布に惹かれる~)
「吾亦紅の姫君 茗子」と名前をつけたけど、着物の柄はリンドウか桔梗かなあ(;´-`
顔は胡粉を塗って仕上げてあるので触らない方がよく、手足は動かせますが手先はもたず腕の真ん中を持って着替えさせる(面倒だけど楽しい*´∀`*)
本来の御所人形は、次の「博物館さがの人形の家」にあるみたいなものかも(吉野光宝作品は伝統を少し崩したオリジナル˶˙ᵕ˙˶)
※御所人形 「博物館さがの人形の家」
(文献で読む御所人形)
「日本の旧家 雛めぐりの旅」(萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著))より
(「御所人形」について抜粋)
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(特別名勝「兼六園」内に立つ「成巽閣(せいそんかく)」に伝わる前田家伝来の御所人形について)
「前田家に伝わる二〇〇体以上の品々は圧巻で、ほとんどが京都で作られたといわれています。
お子さまの健やかな成長を願い、魔除けや身代わりでもあり、お守りでもあった福々しい人形たちです。
「御所人形」と呼ばれるようになったのは実は江戸末期になってからのこと、その風体から白肉人形とも白菊人形、大奥などへの御土産人形、制作店名から伊豆蔵人形、御所から賜ることから拝領人形、また御所に納めることから大内人形ともいわれていました。
当時、京の都で作られ、宮中や公家、門跡寺院、大名家などで求められ、土産物や引出物などに使われていました。
人形にはもともと祈願や祝いの寿福の意味があるもの。特に御所人形はその傾向が強く、宝珠など吉祥の宝を持ち、亀や犬に乗り、幸せを招き寄せようと形作られています。(略)
御所人形は童子のフォルムをより際立たせ、”つくね”と呼ばれる類型的型を大鋸屑(おがくず)の練り物で作った品もありますが、基本的には一体ずつ手作りです。
形態の趣向により型も異なり、頭部に祝賀の熨斗(のし)に通じる水引手などがあります。
稚児輪や兀僧(がっそう)(おかっぱ髪などの意)など、髪型も愛くるしい童子姿であり、きものも一見、女児と見まがうほどですが、当時の宮中の風趣によるもので男児です。(略)
上等なものや大きな品は桐が用いられました。桐で形作った後、牡蠣の貝殻などで作られる胡粉(ごふん)を膠(にかわ)で溶いたものを何重にも塗り重ね、続いて磨き出し、つやを出す"ぬぐい”と呼ばれる作業をします。
顔はかつては丸い顔に引き目鉤鼻風の容貌が好まれましたが、時代とともに細く長かった目も大きくなり、体躯も以前のようにまるまると肉づきのよいものから人間の稚児の姿に近いものになったようです。」
(「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著))
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そして「茗子」と出会いをきっかけに、あらたなmyブームが・・!?
子供の頃(小学生時代)五島美術館のおみやげコーナーで買ってもらった「衣装人形」も、藤袴の姫君「吟子(ぎんし)」と名前を付けてみようかな(国宝「源氏物語絵巻」が揃ったとき見に行って、親に買ってもらった( -_-)

中学校のとき修学旅行で買った清水坂の京陶人形も、女郎花(おみなえし)の姫君「瑞子(ずいし)」て名前にしよう(着物は紅葉だけど*:.。*゚ω`)

さらに今年、ミニひな人形を2セット追加しました(京陶人形の「松風帝(まつかぜのみかど)」「総角中宮(あげまきのちゅうぐう)総子(そうし)」カップル、ちぎり和紙人形の「朝霧大将(あさぎりのたいしょう)」「春霞上(はるがすみのうえ)霞子(かこ)」カップル)
左上のカップルが「松風帝(まつかぜのみかど)」と「総角中宮(あげまきのちゅうぐう)」・・

ちぎり和紙人形の「朝霧大将(あさぎりのたいしょう)」と「春霞上(はるがすみのうえ)」・・

「源氏物語」にハマると、おひなさまが欲しくなる(光源氏になったつもり??´・∀・`おひなさまって、「源氏物語」の雰囲気そのものかも* ~o~)
アンティークのおひなさまを手に入れるのも夢っ(お歯黒してて、着物は手刺繍で、みたいな感じの昔の手仕事のノ○´˘ω˘ 名前は川の名前から「相模の上(さがみのうえ)」にしよう・・京の骨董店の多いエリア「三条の上(さんじょうのうえ)」でもいいなあ(。・ˇ_ˇ・。))
意中のおひなさまは、ベニシアさんの「猫のしっぽ カエルの手 <アンティークのくつろぎ>(Venetia's Essays 8)」に登場されているお店(「アンティークブルーパロット京都」)の三人官女です₍₍ ◝( ‾▿◝ )◟ ⁾⁾
10年くらい前「大江戸骨董市」通いが趣味で― ° ―アンティークおひなさまを憧れの目で見てたけど、なんとなく敷居が高くて買えなかった・・今度こそ??○´人`○
「大江戸骨董市」東京近郊で気軽に行ける場所(東京国際フォーラム)、開催頻度も多め(第一・第三日曜日)そしてすごく充実した骨董市~ヾ( ̄ー ̄)ゞ
※Tokyo Oedo Antique Market at Yurakucho Tokyo International Forum
「骨董ジャンボリー」にもよく行った(店数(500業者)と内容で超満足!!アンティークおひなさまはなかったけど)
※Jamboree Market Tokyo
京都だと、東寺の骨董市「弘法さん」もいいなあ(。•ˇ‸ˇ•。)
※Toji Temple Fleamarket (Antique Market)-Kyoto in Japan
(後日)アンティークおひなさま「相模の上(別名:三条の上)」ゲットしました‹‹\( ´ω`)/››最初みたときは人相が悪そうだったのに、ゲットしたときはニコニコうれしそうに見えたのが不思議( ´ー`)。でも写真映りは・・


台座は女郎花(おみなえし)の姫君「瑞子(ずいし)」のを借りました・・(瑞子すまん(;▽;)ノ)
京都「丸平」の「橋本幸三郎」作の雛人形に似てる‥もしかして明治時代のもの‥!?


「橋本幸三郎」とは「安政2年(1855年)に京都で人形作りを始めた、高名な人形師」‥
「丸平」とは、「京都四条堺町で明和年間(18世紀後半)に人形商を創業した、大木平蔵の屋号(戦前は、華族や富豪に娘が生まれると、この店に雛人形を特注した)」‥
「決定版日本の雛人形 江戸・明治の雛と道具 六〇選」(是澤博昭著、淡交社)P80徳川美術館の徳川正子さま(1885-1963)の雛人形の三人官女(明治27年:1894年以降)、P51「京都・西村家の雛飾り 京風古今雛・三人官女・随身ほか」の三人官女(嘉永頃:1848-54)、「雛人形と雛祭り」(読売新聞社)P28の三人官女(新潟県柏崎市の旧家岩下家に伝わる雛一式、明治時代)にもなんだか似てるかも‥!?
「日本の旧家 雛めぐりの旅」(萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著))より
(「丸平」について抜粋)
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「宮中はもとより、各宮家、華族、財閥の名家の人々に愛され続けてきた「丸平大木(まるへいおおき)人形店」。
関西のきらびやかな名門家族を描いた谷崎潤一郎著「細雪」の中にも京都の丸平で作らせた雛人形が登場しています。
丸平の人形はステータスであり、一般庶民にとってはショーウィンドーで眺める憧れの品でした。
創業は明和年間といわれ、二五〇余年を経て、現当主は七世・大木平蔵氏、京都で現存するもっとも古い雛人形司です。」
(「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著) P75)
「「丸平の人形も飾りものも、基本的には有職(ゆうそく)にのっとったものです。
あまり有職を尊ぶと華やかに作れないところもあって虚と実を上手く使い分けています。
冠の纓(えい)、 立纓(りゅうえい)は天皇さんだけですけど、男雛の纓は立派に見せるために垂纓(すいえい)にしんと立纓にしています。
黄櫨染(こうろぜん)には立纓ですけどね」
天皇の朝服である黄櫨染の御袍(ごほう)や朝廷の公事の際に着用された殿上人の束帯を身につけた男雛や特別に織らせた二倍織物(ふたえおりもの)や唐織を用いた装束の女雛。
そこには研き上げられた職人たちの技の限りが精緻に織り込まれています。
天皇陛下御一人以外、着用される事のない黄櫨染の御袍を男雛の装束として用いた丸平人形店。
七世に至るまでの代々の雛人形には千年の"京の誇り"が込められているのです。
平成十七年、丸平の歴代の人形たちを展示する資料室「丸平文庫」が開設され、人形の保存に努められています。
世の中の移り変わりの中で、決して量産することもなく、昔のままに守り続けられてきた丸平の人形たち。
そこには希少価値となった日本の美が現存していました。」
(「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著) P77)
「「まだ先代や先々代の残してくれた裂はありますが、なくなったら同じようにはもう織れへんやろと思てます。この仕事は一体ずつ仕上げている家内工業です」と、淡々と語られる大木氏ですが、
一体の人形に費やす時間と労力を考えると、このスピード感のある時代から、ここは完全に取り残されているのかもしれません。
しかし、日本に一つくらい、こんなふうに誠実に、そしてこだわるだけこだわって一体ずつ雛人形を作る店があってもいいのではないでしょうか。
まだ江戸時代が続く人形作りの裏側、"丁寧"という言葉の裏に"本物"という字が透けて見えます。」
(「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著) P81)
「京都の人々に祇園さんと親しげに呼ばれる八坂神社。
千百余年の伝統を有する七月の祇園祭はこの神社の祭礼です。
この神社で毎年恒例となっているのが常盤殿で開催される雛の展観会です。
新町三井家御奉納の雛諸道具一式と三井秋冬好みの次郎座衛門雛が公開されるのです。
かつて清少納言が「枕草子」の中で、
”過ぎにしかた恋しきもの 枯れたる葵。ひひな遊びの調度"
と記していますが、三井家の蒔絵の調度品もこのうえなく美しい丸平製。
公家階級や大名家の婚礼調度を模した豪華な雛道具は、財閥一門であった新町三井家の繁栄を表しています。」
(「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著) P71)
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「決定版日本の雛人形 江戸・明治の雛と道具 六〇選」是澤博昭著、淡交社より
(「丸平」について抜粋)
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「近世と近代の融合 商家の名門 三井家の雛飾り
大正時代の撮影とされる北三井家麻布今井町本邸の広間に飾られた十代高棟(たかみね)夫人の苞子(もとこ)の雛飾り。
苞子は旧外山藩主前田利声(としかた)の娘として明治二年に生まれ、二五年に結婚する。
雛段の中央部に苞子が嫁いだ二年後に新調した京都の老舗「丸平」こと大木人形店の内裏雛、向かって左に有職雛、右に享保雛が並んでいる。
有職雛は実家の前田家から持参したものか。
また雛段には、祖母の実家広島藩主浅野家の雛道具が並び、右下方には西洋人形もみえる。
大名家の娘が嫁いだ商家三井家の雛飾りには、町雛の享保雛に公家の有職雛、そして明治の内裏雛と、近世と近代の融合をみることができる。
ここには封建的な身分制度が改革され、異なった身分間の結婚や職業選択の自由などをみとめた明治の息吹が立ちのぼっている。
(「決定版日本の雛人形 江戸・明治の雛と道具 六〇選」P76 是澤博昭著、淡交社)
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この「丸平」の明治の雛人形じゃないかしら(似てるかも((*゚д゚*))?)‥(わからんけど)相模の上(三条の上)、うちに来てくれてありがとう.(〃ノωノ)゚
と日本のお人形が増え、今年の冬だけで6体増えた( ー`дー´)
この動画のユーチューバー様の気持ち、わかりますΣ( ̄ )
※趣味で集めた日本人形達♪2018.4My Japanese dolls(雛段 Hina doll、市松...)
なんとか「相模の上(三条の上)」で「お買いもの依存症」は卒業するゾ‥d(∀)
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(2020/09/11追記)
(またまた)「市松人形」(「浮雲の姫君」と名付けました♡)ゲットしちゃいました!!
「人形の小島(東京都)」の市松人形(ミニサイズ)

作者「小島孝司」氏!



一体一体顔は手描きのため、微妙に個性の違いが(”好みの子を選ぶ楽しみ”全開~)!

人形に「命」を吹き込む「彫刻刀」!

着物も古布でできているため、同じ着物のいちまさんは二つとない(一期一会の出会い!??)ところが魅力かも!
昨年末に一度見かけたけど断念…まだあってよかった(ホッ)
日本橋三越の「日本の職人 匠の技展」より
「先代から跡を継ぎ45年、〈人形の小島〉の工房では、小島孝司さんが1人で桐塑の木目込人形づくりに勤しんでいます。江戸時代から続く伝統技法として歴史が長く、主に縁起物として市松人形や雛人形、鍾馗人形がつくられています。
顔づくりに精通した頭師と呼ばれる職人もいますが、型づくりから絵付け、結髪に至るまで一体の人形を一人でつくる技術を有する職人は、現在小島さんおひとり。桐塑の型をとる木型は自ら彫りだすもので、独学による試行の末10年かけてようやく形になるようになったと話します。
及川映峰氏を師と仰ぎ、ゼロからモノをつくる面白さに魅力を感じたと言う小島さん。頭11年、着付け8年と鍛錬の末に得た技で表現するのは、手づくりだからこそ出せる柔らかさと繊細さ、そして逞しさと優しさ。「師匠の型を使っていては、師匠のモノにしかならない。すべてを自らつくることで初めて自分のモノになる。」と信念を語ります。
50年前に師匠からいただいた1本の小刀、これを何度も使い、何度も研ぐことが職人の一歩。使いつぶすとようやく手馴染みが良くなり、刃使いも上達するとされています。
小島さんは、人形づくりの文化を残すために“時流を取り入れた表現のカタチ”を目指し、現代に合う顔つきや衣装の探求をしています。「暮らしのそばに飾ってもらうこと、そしてこれを見てかわいいなと心の癒しになるものをつくり続けたい。」と話す、小島さんの想いが込められた人形の表情には、どこか優しさが漂います。完成した人形を手に取る小島さんの眼差しにも愛情と優しさが満ちていました。」
松坂屋名古屋店の「女性目線で選ぶ、いまどき職人の技。【日本の職人展(前期)】」より、
「江戸時代中期に、京都上賀茂神社で祭事に使う、柳箱(やなぎばこ)の材料である
柳の木の残片で、神宮が、木彫の小さな人形を作り溝をつけて、そこに
神宮の衣装の残りの布を挟んで着せ付けたのが始まりです。
職人の技を、間近で見ることができます。」
(2020/09/18追記)
さらにまた一体、「人形の小島」のお揃いミニいちまさんを購入しちゃいました(「丹後の姫君」と命名!)

お人形の箱を入れるお揃いの巾着(「飛騨さしこ」)も購入し「お人形遊び」モード全開!?お友達がいないと寂しいもんね♡
「飛騨高山本舗 飛騨さしこ」より
「◆飛騨さしこ(刺し子)とは
山深い飛騨は交通が大変不便で、昔は織物等の入手も困難でしたから多くは自給自足でした。そのため綿や麻を糸にして織り、それを自分の手で染める事が女の努めでした。
布に模様を染め抜く技術等は持っていませんでしたので、単色の紺、浅黄、渋茶等の着物を着ていました。若い女の人たちは自分の上着の一部に自分好みの簡単な模様や図案を白糸で縫いつけて用いました。
江戸末期頃には、この風習もすたれましたが、この技が後世商人の風呂敷や柔道着等の補強にも用いられるようになり、いまでもその名残が見られます。
刺し子は布の補強、そして布を大切にしながら、お洒落に身につけるという「生活の中に存在する美術」です。(略)
飛騨の民芸品として、また日本の昔から伝わる生活の中の美術品として、ご愛用いただけましたら幸いです。
◆「用即美」暮らしの中にある芸術、それが刺し子。
刺し子作品は「使うのがもったいない」というお客様のお声を頂くことがあります。例えばふきん。手作業で作られる刺し子ふきんは、二つの意味で贅沢品なのかもしれません。ひとつは刺し子の量。もうひとつは、他の工業品と比べた場合、少し割高になってしまう価格。
とても有り難いお褒めの言葉なのですが、刺し子は「用いて即ち美しい」と民芸運動で提唱された、生活の中で使って頂く芸術の一部を担っているのです。
刺し子を施しているから丈夫で、長年使い続けているいただける。
その過程の中で変化する美がある。
そんな日本の芸術文化の一部が刺し子なのです。
◆ひと針ひと針手縫いの刺し子。
おなじ柄や模様を刺した作品であっても、刺す職人によって様々な表情をみせます。力強い刺し子、繊細で綺麗な刺し子。手作りだからこその違いであり、そこに温もりが存在します。
縫製もミシンを使った手作業で行う為、同じ作品であっても実は全て一点モノと言っても過言ではないと信じています。手に取って頂けた瞬間に刺し子の温もりを感じて頂けたらと願いながら...。」
「飛騨刺し子」にお揃いのお人形の箱を入れ開けるときにドキドキ感UP!
源氏物語の「二条院」や「六条院」をマネして、お人形たちの「五条院!?」を作って遊びたいな~(*⌒〓⌒*)
(2020/09/25追記)
さらにもう一体、「人形の小島」のミニ市松人形をお迎えしました(「榊の姫君」と命名)!

一の姫、二の姫、三の姫…仲良し三姉妹!?
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ひな祭りが成立したのは江戸中期。
だが原型となる「ひいなあそび」は源氏物語の頃からあった(紫の上は「ひいなあそび」が大好きな子供だった✿╹◡╹)
いちいちお人形に名前つけたりしてクドすぎ‥・´ー・`でもこれも「ひいなあそび」みたいなもの!?‥ヾ(。・Д・。A_| ̄|
子供の頃は源氏物語とか高度な内容の書物をいろいろ読んでたのに、大人になるにしたがって読書内容が下がってきた(日本人形を見ると、立派だったあの頃を思いだします~`ω´゚)
日本人形関連の好きな本から。
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「日本では昔から、病気になったり災いが降りかかったりするのは、悪霊が体に取り憑いたためだと考えられてきた。
そのため、身代わりとして「ヒトガタ」を用意して、肌に擦りつけたり息を吹きかけたりして罪や災いを移し、水辺に棄て流して穢れを祓った。
「ヒトガタ」は、体を撫でて悪いものを祓うので、「撫物(なでもの)」とも呼ばれた。触覚を通じた魂の器でもあったのだ。
「ヒトガタ」という言葉に心を揺さぶられるのは、魂の原型、ひいてはイメージの原型ともいうべきものが背景に見え隠れするからに違いない。」
(文=大西成明(撮影後記)「人形記-日本人の遠い夢」佐々木幹朗著/淡交社)
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「-売り物と、コレクションとして持っておきたいものが、一致してしまうことはなかったのですか。
ーそれがありがたいことに(笑)、私の欲しいものとお客様の欲しいものが奇妙に異なったので、商売と募集が成り立ったのです。一致してたら切ないですよね。
たとえば若い方は圧倒的に市松人形を買う人が多かったし、お客様は二十代半ばから七十歳ぐらいまででしたけど、御所人形が欲しいという方は百人に一人もおられませんでした。
お客様はほとんどが女性で、五十歳代が一番多かったです。
子供が巣立って離れていく寂しさから、気持ちが人形に向かったという人が多かったですね。
人形の中に、自分の子を育てた頃の思いを投影するのでしょうね。」
(「日本人形の美(伝統から近代まで、浅原コレクションの世界)」淡交社)
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「北村哲郎は、日本人形の持つ意味と目的を、①信仰や呪いに基づいたもの、②子供の遊びに伴うもの、③愛玩・鑑賞に資するもの、の三つに大別し、それが時代とともに分離していることを指摘している。(略)
日本では、玩具(手遊び)である人形に、素朴な信仰心(病気や災いから身を守るヒトガタなど)が融合して、子供の健やかな成長を願う雛祭に発展したのをはじめ、まるで”大人のおもちゃ”とでもいいたいような、玩具でも信仰の対象物でもない、精巧で手のこんだ観賞用の人形があらわれる。(略)
子供への願いと祈りを礎として、それに遊び心や美意識、ときには権力への反発心などが複雑に絡まり合って形成されたものが、日本の人形文化である。
それでも日本の人形は、北村の分類する三つの要素のどちらにも偏ることのない、いわば聖と俗、あるいは芸術と玩具の境界線上にある、微妙なバランスの上に成り立つ存在である。」
(「日本人形の美(伝統から近代まで、浅原コレクションの世界)」淡交社、監修・文:是澤博昭)
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「太平の世が続く江戸時代、人々の遊び心は、玩具(手遊)である人形に素朴な信仰心(病気や災いから守るヒトガタ)を融合させ、雛祭りを誕生させた。
子どもの健やかな成長への「願いと祈り」を礎として、「遊び心」や「美意識」、時には「権力への反発心」などが複雑に絡まりあって、近世に形成されたものが日本の雛祭りであり、雛人形だ。
雛壇の上の人形に菓子や季節の食物を供え、雛祭りに興じても、やはり雛人形には、みだりに持ち遊んではいけない神々しさがある。
おそらく人形のなかには祓いのヒトガタ・カタシロに込められた祈りや願いが密かに隠れているからであろう。
そこには世界でもまれな人形祭り、雛祭りを生み出した日本人の心性があらわれている。
玩具であり、信仰の対象物であり、またそのどちらでもない人形を観賞用のものにまで昇華させ、さらに芸術上の地位まで与えてしまう、世界でもまれな人形文化を形成する日本人の心性が、雛人形には凝縮されている。
そこから物質的な豊かさの一方で、現代人が見失ってしまった、言葉にできない、そして目にも見えない、大切な何かを、発見することができるのではないだろうか。」
(「決定版日本の雛人形 江戸・明治の雛と道具 六〇選」淡交社、是澤博昭著)
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「幼い頃から雛人形に親しんできました。
「お雛さんは神さんや。子の弄ぶもんやない」と京都の大人たちはよく言いました。
そうして飾られた人形たちに囲まれて、子供心に人形というものにある種の強い力を感じたのでした。
それは畏れと荘厳であり、ある種の呪術的な力でもありました。
ですから私は雛人形というものは、けっして愛玩するものではなく、神そのものだと思っています。
歴史的にみても、もともと上巳の節句は「ひとがた」がさらに変化し、子供の成長を祈るために「天児(あまがつ)」「這子(ほうこ)」などの信仰のための人形が生まれ、そしてそれが雛人形の飾りへと発展していったのです。
形は変わっても、これらの人形は神に等しく、畏敬すべきものだと受けとめています。(略)
古くから伝わる雛人形を眺めていますと、その表情は中性的で神秘的です。
男雛女雛は高貴な男性と女性にかたちを借りた神であり、ただの男と女ではないのです。
毎年ある季節になると、ある定められた場所に、畏敬すべきものがお出ましになる。
それは日本の神の在りようの一つの典型といえましょう。」
(文=林駒夫《重要無形文化財『桐塑人形』保持者》「飾る知識と楽しみ方 雛人形と武者人形」監修:林駒夫、人形制作:有職人形司 大橋弌峰、淡交社)
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「最近は古風な表情の雛を怖いという方も多いようです。
ただ、物事をすべて自分の理解できる範囲に引き寄せて安心するのではなく、時に近寄り難く、畏い(こわい)という感情を抱くこと、それは人が成長していく上で大切な感情の一つなのではないかと思います。
私は若いお母様方に、どうか可愛いだけの雛人形ではなく、ある種の「畏さ」を持つ人形にも目を向けていただきたいと、お願いする次第です。(略)
雛人形は玩具ではなく、子供たちの身近な神様なのです。
畏れ多いけれど、慈愛に満ちたものの存在の大切さ。
そこに祈りを捧げられる、お子様を本当に見守ってくれる神様を身近に置かれること、そんな視点を持ってみると新しい雛祭りが見えてくると思います。(略)
手作りの立雛でもいい、想いをうつすことのできる自分だけの神様を持つこと、そういった幼い頃の思い出が、どれだけ人生を豊かにしてくれるか、私は身をもって知っています。
この美しくゆかしい風習がいつまでも続いていくことを祈ります。」
(文=林駒夫《重要無形文化財『桐塑人形』保持者》「飾る知識と楽しみ方 雛人形と武者人形」監修:林駒夫、人形制作:有職人形司 大橋弌峰、淡交社)
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「(内裏雛:)
(略)この人形がすなわち天皇や親王(天皇の兄弟、皇子)の夫妻をかたどっているということではありません。
これは「高貴な夫婦を象徴した人形」ということなのです。
雛人形を飾ることが流行った江戸時代後期、武家にとって、決して見ることのできない皇族や公家の生活は憧れ以外の何物でもなかったのでしょう。
そこで、これをまねた人形を作り、内裏とか親王とかいう呼び方が生まれたものと思われます。
さらに富裕な町人たちは、贅を尽くしたこのような人形をこぞって求めたのです。
したがって、人形の装束も様々です。(略)」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(三人官女:)
宮中に仕える三人の女性の人形です。
三人ともに白の小袖(袖口を小さく仕立てた着物)に緋色の袴を着けていて、その上に、小袿を羽織ったものもあります。
中央に盃をのせた三方(さんぽう)あるいは島台(しまだい)を持った女性が立ちます。
彼女が一番若く、あどけない少女の表情に作られています。
向かって右は眉を剃り、鉄漿(おはぐろ)をつけています。
これは既婚で年配(といっても、三十代くらいですが)の女性で、長柄(ながえ)の酒入れを持っています。
向かって左は成人した女性。彼女は銚子(ちょうし)という柄のない酒入れを持っています。(略)」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(五人囃子:)
少年姿の五人が並びます。
左から太鼓、大鼓、小鼓、笛、謡(うたい)の揃いは、能楽の囃方(はやしかた)と謡をかたどったものです。
江戸時代、能楽(当時は猿楽の能といわれていました)は武家の式楽とされていました。
武家はたしなみとして能を習い、また裕福な商人たちの間には、仕舞(しまい)や謡、狂言の小舞などを習う者もいたのです。
一般には、浄瑠璃、長唄、小唄、常磐津(ときわず)など、三味線音楽が全盛の時代だったはずですが、高貴な人々の音曲ということになると、やはり能だったのでしょう。
この五人囃子は、江戸時代の中期、江戸で生まれました。
京都では八楽人といって、笙(しょう)、篳篥(しちりき)、竜笛(りゅうてき)、琴、琵琶、羯鼓(かっこ)、鉦鼓(しょうこ)、太鼓という雅楽の演奏家たちの人形が古くからありました。
雅楽は、宮中とこれを取り巻く公家、寺や神社で演奏されていたので、京都ではごく自然に楽人の人形が生まれたのでしょう。
しかし、雅楽は武家の好み、とりわけ江戸の好みに合わなかったのか、江戸ではもっぱる五人囃子ばかりが好まれていたのです。(略)」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(随身/右大臣・左大臣:)
右大臣、左大臣は大化の改新以来続く律令制の官です。
もっとも位が高いのは太政大臣で、次が左大臣、そして右大臣となります。
いずれも天皇を補佐する大切な役目で、人形は二人ともに弓矢と太刀を携え、外出時の正装である武官の装束を着けています。
白髭をたくわえた左大臣、若い様子の右大臣。
左大臣の方が位が高いことから、人形も年長者に作ってあります。(略)」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(仕丁/衛士(えじ)/三人上戸(さんにんじょうご):)
水干(すいかん)という位のない官人の装束を着た三人は、仕丁あるいは衛士といいます。
沓を持った泣き顔を中央に、優しい笑顔の翁が向かって右、怒った顔の若い男が向かって左に座ります。
三人の特徴的な表情から、三人上戸とも言われています。」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(左近の桜、右近の橘:)
京都の内裏の中心に建つ紫宸殿は、儀式を行う建物です。
この庭に、古来より東側(左)に桜、反対の西側(右)に橘が植えられています。
左近の桜、右近の橘はこれに由来しています。(略)」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(雛道具いろいろ:)
嫁入り道具として箪笥、長持、鏡台、火鉢、茶道具、貝桶(貝合わせを入れた桶)など。
重箱と膳の一揃が二組。
いずれも黒の漆塗りに金で唐草の蒔絵がほどこされています。
このほかに、乗り物として籠と御所車があります。」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「軸物や陶器の骨董品は容易に売買されます。
しかし、お人形には、贈った人の思い、贈られた人の思いがこめられているので、宝物のように扱っている場合も少なくはありません。
そういうお人形を手に入れるのは、なかなか困難なことなのです。
それに、運良く手に入れることができても、ここから先がいろいろで、どのようなお人形がどのような保存状態で入っているのか、箱を開けるまでは何もわかりません。
「舌切り雀」ではありませんが、ほとんどすべての人形が壊れた状態だったことも少なくありません。
でも、そんな人形たちにも命があります。
江戸から明治、大正と、時代を経てきた人形たちが、やっと木箱から目覚めるのですから、私はどの子に対しても、等しく大事にしてやりたいと思います。」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「心惹かれる人形に巡り会うと、人形と気持ちが通じるのでしょうか、どうしても連れて帰りたくなってしまうのです。
また、このようなコレクションをしていることが骨董仲間でも有名になり、珍しい人形が売りに出されると知らせてくださる方もいます。
そんなことから、集めた人形の数も種類もかなりのものとなり、現在四五〇〇体の人形が私の手元にあります。
そこで、私ひとりで楽しんで眺めているだけではなく、広く皆さんに見ていただきたいと思い、お人形歴史館を開くことにしました。」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「人形というものはまことに可愛いものです。
かれらは単に人間の模倣であるにとどまらず、いわばひとつの童心の世界をかたちづくり、また時には向かいあう者の心をやさしく映す鏡のような役目まで果してくれます。
ことに日本の人形たちは古来より、上流の、また民間のさまざまな年中行事のなかで、長い年月の間に美しく育ってきたものでした。(略)
それにつけても、三十八年前の太平洋戦争さなか、ようやく都合したトラックで東京大空襲を危うく逃れ、近郊の農家の納屋に疎開させた人形たちが、今日なおこの本のなかにいきいきとした姿を見せてくれていることには、まこと感無量の思いがあります。
これまた人形のいのちの不思議でありましょう。」
(文=山田徳兵衛「吉徳コレクション 雛人形・五月人形・羽子板」山田徳兵衛編 東京堂出版)
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「雛の発祥と思われるものに、祓の人形(ひとがた)(形代(かたしろ))が考えられる。
また、これらは身体を撫でて海や川に流したところから、のちの流し雛の風習のはじまりとも思われる。(略)
人形(ひとがた)から進化して日本人形の祖型となったと思われるものに天児(あまがつ)がある。
木をT字に組んだ体に白絹にくるんだ丸い頭をのせたもので、誕生した嬰児の枕頭に置き、魔除けとし、また産衣を着せかけて祓を行った。
これと同じ用途の人形に這子(ほうこ)(略)があった。
白絹を縫って綿を詰め、幼児の這う姿をかたどった胴体に頭を付けたもので、天児が多く上流のものだったのに比し、這子は室町頃より民間でも盛んに作られ、のち子女の玩ぶ人形ともなった。
お伽犬も同様に魔除けとして用いられたものだが、これものち次第に玩具化していった。」
(「吉徳コレクション 雛人形・五月人形・羽子板」山田徳兵衛編 東京堂出版)
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「こうした雛流しから雛祭が生まれたという考え方もなされ、一方、平安時代の宮咩祭(みやのめのまつり)の人形の影響もあるとも考えられている。
この祭は平安時代の末に、十二月あるいは正月の初午の日にわが家の不吉をはらい、幸運を祈った。
祭神高御魂神(たかみむすびのかみ)をはじめ男女六柱の神々を人形につくる。
これを宮中では三条殿の東面の妻戸で、左右の柱の下に笹をたてて、それへ男女の人形をつるした。
この人形は「ひいな」ともよび、いろいろな染め絹で作り、男の人形には束帯をさせたりして、台盤所の女房がこしらえたものである。
古く、平安時代ひいなと呼ばれたのは小さく、かわいらしく作った男女の人形を称したので、一般的に人間の雛形の意味があった。
雛(ひいな)はふだんの日にもて遊ぶ人形をさしており、雛で子供たちは、今日の人形遊び、ままごとのような遊びをしていたらしい。
そのことは、平安時代の物語類に「雛遊び(ひいなあそび)」がみえているので察しられる。」
(「吉徳コレクション 雛人形・五月人形・羽子板」山田徳兵衛編 東京堂出版)
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とにかくお人形が大好き~(๑˙―˙๑)‥子供のころ、清水坂で日本人形を見るのに夢中だった‥ビスクドールのカレンダーのジュモーやアーテーにやたら憧れてたのを思い出します‥◍>◡<◍。
※創作人形展―匠2015― 川畑 敏インタビュー
日本では世界に先駆けて早くから創作人形がアートとして認識されてるそうです(作品も百花繚乱~〃´ω`)
「日本人形の美(伝統から近代まで、浅原コレクションの世界)」より
(「創作人形」について抜粋)
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「人形作家が重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に認定されるなど、創作人形に芸術上の地位まで認めているのは、諸外国では見られないことである。
玩具であり芸術であり、しかも信仰的要素を併せ持つもの。
このように、日本では人形の定義は容易ではない。」
(「日本人形の美(伝統から近代まで、浅原コレクションの世界)」淡交社、監修・文:是澤博昭)
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アンティークビスクドール♡→ܫ←♡

アンティークショップの大御所Ruby Laneのユーチューブ動画よりノ*:・゚✧
※Doll Shopping with Joan and Lynette Antique Dolls at UFDC
こういう催し行ってみたい≿ܫ≾
※Antique Doll Show In Paris, France
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雛人形、そして日本人形や人形の出てくる物語についての超おすすめ本・・!
■「日本人形の美(伝統から近代まで、浅原コレクションの世界)」淡交社/監修・文:是澤博昭

日本を代表する収集家「浅原革世」氏の粋を極めたコレクションの解説本!これ1冊で日本人形のマスターに!
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■「人形記-日本人の遠い夢」佐々木幹朗著/淡交社

人形と日本人とのかかわりを、歴史から現代にいたるまで徹底分析!
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■「決定版日本の雛人形 江戸・明治の雛と道具 六〇選」是澤博昭著、淡交社

筆者が実際に目で確かめたおひなさまの名品揃い!これ1冊でおひなさまマスターになれるスーパー決定版!
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■「飾る知識と楽しみ方 雛人形と武者人形」監修:林駒夫、人形制作:有職人形司 大橋弌峰、淡交社

雛人形と武者人形について「桐塑人形」の人間国宝、林駒夫先生による解説が読める必読本!
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■「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著)

日本の全国各地の旧家に伝わる由緒ある雛人形が一堂に!アンティーク雛人形好きにはたまらない一冊!
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■「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社

雛人形のイメージは誰か、雛まつりにはどんな歴史があるかなど、基礎知識がわかりやすくまとめられた名著! 筆者は江戸工芸職人の人形師にして節句人形専門店「雛屋東久」の創立者でもある福田先生!
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■「吉徳コレクション 雛人形・五月人形・羽子板」山田徳兵衛編 東京堂出版

人形の「吉徳」に伝わる超名品の数々を一堂に! 読み応えのある豪華大型愛蔵本!
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■「四つの人形のお話3 クリスマスの女の子」ルーマー・ゴッデン作 久慈美貴訳 たかおゆうこ絵 徳間書店

クリスマスに売られているお人形ホリーと、身寄りのない孤児の女の子アイビー、子供のいないジョーンズさん夫妻の出会いをめぐるストーリー。「願いごと」をすれば叶う!?クリスマスの愛の物語。
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スペースがなくて長年飾ってないおひなさま・´д・`(5年前に出して飾ったときの写真・・この頃は場所もスタミナもあった!?)


かわいい´>ω<`と思うのに(親の欲目‥-д´-)、5年も出してないのでどんな顔か忘れてしまった(今年どうしよう´?ω?

市松人形とか木目込み人形とか、ほかの日本のお人形もいっしょに飾ったりする、女の子のおまつり「ひな祭り」(´,,・ω・,,`‥(おひなさまの両脇にいるのは木目込み人形の「室町」くんと「桃山」ちゃんです)
この冬、増えちゃった子もいるのでご紹介します(´ж`;)ゥ
※人形作家 吉野光宝 作品展(遠鉄百貨店 本館5階)
先日、デパートの催事(現代の職人たち展)で吉野光宝先生の作品を購入しました ̄∇ ̄=

最初の日は、なんとなく素通り'-'
でも翌日、日本の野草「吾亦紅」が好きなので、「吾亦紅の姫君」と名前を付けることにして、一体お迎えすることに⑉• •⑉
女の子がよかったのですが、先生のおすすめは男の子(本来の御所人形は男の子なのだそう)でも女の子にしました◦ˉ ˘ ˉ◦
平安時代が好きなので、藤原氏の姫君風に「茗子(めいし)」と名前を付けることに(遅く摘んだお茶を意味する名前だとか)
100年ほど前の上質のちりめんの着物から衣装が作られているそうです(着物や古布に惹かれる~)
「吾亦紅の姫君 茗子」と名前をつけたけど、着物の柄はリンドウか桔梗かなあ(;´-`
顔は胡粉を塗って仕上げてあるので触らない方がよく、手足は動かせますが手先はもたず腕の真ん中を持って着替えさせる(面倒だけど楽しい*´∀`*)
本来の御所人形は、次の「博物館さがの人形の家」にあるみたいなものかも(吉野光宝作品は伝統を少し崩したオリジナル˶˙ᵕ˙˶)
※御所人形 「博物館さがの人形の家」
(文献で読む御所人形)
「日本の旧家 雛めぐりの旅」(萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著))より
(「御所人形」について抜粋)
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(特別名勝「兼六園」内に立つ「成巽閣(せいそんかく)」に伝わる前田家伝来の御所人形について)
「前田家に伝わる二〇〇体以上の品々は圧巻で、ほとんどが京都で作られたといわれています。
お子さまの健やかな成長を願い、魔除けや身代わりでもあり、お守りでもあった福々しい人形たちです。
「御所人形」と呼ばれるようになったのは実は江戸末期になってからのこと、その風体から白肉人形とも白菊人形、大奥などへの御土産人形、制作店名から伊豆蔵人形、御所から賜ることから拝領人形、また御所に納めることから大内人形ともいわれていました。
当時、京の都で作られ、宮中や公家、門跡寺院、大名家などで求められ、土産物や引出物などに使われていました。
人形にはもともと祈願や祝いの寿福の意味があるもの。特に御所人形はその傾向が強く、宝珠など吉祥の宝を持ち、亀や犬に乗り、幸せを招き寄せようと形作られています。(略)
御所人形は童子のフォルムをより際立たせ、”つくね”と呼ばれる類型的型を大鋸屑(おがくず)の練り物で作った品もありますが、基本的には一体ずつ手作りです。
形態の趣向により型も異なり、頭部に祝賀の熨斗(のし)に通じる水引手などがあります。
稚児輪や兀僧(がっそう)(おかっぱ髪などの意)など、髪型も愛くるしい童子姿であり、きものも一見、女児と見まがうほどですが、当時の宮中の風趣によるもので男児です。(略)
上等なものや大きな品は桐が用いられました。桐で形作った後、牡蠣の貝殻などで作られる胡粉(ごふん)を膠(にかわ)で溶いたものを何重にも塗り重ね、続いて磨き出し、つやを出す"ぬぐい”と呼ばれる作業をします。
顔はかつては丸い顔に引き目鉤鼻風の容貌が好まれましたが、時代とともに細く長かった目も大きくなり、体躯も以前のようにまるまると肉づきのよいものから人間の稚児の姿に近いものになったようです。」
(「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著))
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そして「茗子」と出会いをきっかけに、あらたなmyブームが・・!?
子供の頃(小学生時代)五島美術館のおみやげコーナーで買ってもらった「衣装人形」も、藤袴の姫君「吟子(ぎんし)」と名前を付けてみようかな(国宝「源氏物語絵巻」が揃ったとき見に行って、親に買ってもらった( -_-)

中学校のとき修学旅行で買った清水坂の京陶人形も、女郎花(おみなえし)の姫君「瑞子(ずいし)」て名前にしよう(着物は紅葉だけど*:.。*゚ω`)

さらに今年、ミニひな人形を2セット追加しました(京陶人形の「松風帝(まつかぜのみかど)」「総角中宮(あげまきのちゅうぐう)総子(そうし)」カップル、ちぎり和紙人形の「朝霧大将(あさぎりのたいしょう)」「春霞上(はるがすみのうえ)霞子(かこ)」カップル)
左上のカップルが「松風帝(まつかぜのみかど)」と「総角中宮(あげまきのちゅうぐう)」・・

ちぎり和紙人形の「朝霧大将(あさぎりのたいしょう)」と「春霞上(はるがすみのうえ)」・・

「源氏物語」にハマると、おひなさまが欲しくなる(光源氏になったつもり??´・∀・`おひなさまって、「源氏物語」の雰囲気そのものかも* ~o~)
アンティークのおひなさまを手に入れるのも夢っ(お歯黒してて、着物は手刺繍で、みたいな感じの昔の手仕事のノ○´˘ω˘ 名前は川の名前から「相模の上(さがみのうえ)」にしよう・・京の骨董店の多いエリア「三条の上(さんじょうのうえ)」でもいいなあ(。・ˇ_ˇ・。))
意中のおひなさまは、ベニシアさんの「猫のしっぽ カエルの手 <アンティークのくつろぎ>(Venetia's Essays 8)」に登場されているお店(「アンティークブルーパロット京都」)の三人官女です₍₍ ◝( ‾▿◝ )◟ ⁾⁾
10年くらい前「大江戸骨董市」通いが趣味で― ° ―アンティークおひなさまを憧れの目で見てたけど、なんとなく敷居が高くて買えなかった・・今度こそ??○´人`○
「大江戸骨董市」東京近郊で気軽に行ける場所(東京国際フォーラム)、開催頻度も多め(第一・第三日曜日)そしてすごく充実した骨董市~ヾ( ̄ー ̄)ゞ
※Tokyo Oedo Antique Market at Yurakucho Tokyo International Forum
「骨董ジャンボリー」にもよく行った(店数(500業者)と内容で超満足!!アンティークおひなさまはなかったけど)
※Jamboree Market Tokyo
京都だと、東寺の骨董市「弘法さん」もいいなあ(。•ˇ‸ˇ•。)
※Toji Temple Fleamarket (Antique Market)-Kyoto in Japan
(後日)アンティークおひなさま「相模の上(別名:三条の上)」ゲットしました‹‹\( ´ω`)/››最初みたときは人相が悪そうだったのに、ゲットしたときはニコニコうれしそうに見えたのが不思議( ´ー`)。でも写真映りは・・


台座は女郎花(おみなえし)の姫君「瑞子(ずいし)」のを借りました・・(瑞子すまん(;▽;)ノ)
京都「丸平」の「橋本幸三郎」作の雛人形に似てる‥もしかして明治時代のもの‥!?


「橋本幸三郎」とは「安政2年(1855年)に京都で人形作りを始めた、高名な人形師」‥
「丸平」とは、「京都四条堺町で明和年間(18世紀後半)に人形商を創業した、大木平蔵の屋号(戦前は、華族や富豪に娘が生まれると、この店に雛人形を特注した)」‥
「決定版日本の雛人形 江戸・明治の雛と道具 六〇選」(是澤博昭著、淡交社)P80徳川美術館の徳川正子さま(1885-1963)の雛人形の三人官女(明治27年:1894年以降)、P51「京都・西村家の雛飾り 京風古今雛・三人官女・随身ほか」の三人官女(嘉永頃:1848-54)、「雛人形と雛祭り」(読売新聞社)P28の三人官女(新潟県柏崎市の旧家岩下家に伝わる雛一式、明治時代)にもなんだか似てるかも‥!?
「日本の旧家 雛めぐりの旅」(萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著))より
(「丸平」について抜粋)
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「宮中はもとより、各宮家、華族、財閥の名家の人々に愛され続けてきた「丸平大木(まるへいおおき)人形店」。
関西のきらびやかな名門家族を描いた谷崎潤一郎著「細雪」の中にも京都の丸平で作らせた雛人形が登場しています。
丸平の人形はステータスであり、一般庶民にとってはショーウィンドーで眺める憧れの品でした。
創業は明和年間といわれ、二五〇余年を経て、現当主は七世・大木平蔵氏、京都で現存するもっとも古い雛人形司です。」
(「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著) P75)
「「丸平の人形も飾りものも、基本的には有職(ゆうそく)にのっとったものです。
あまり有職を尊ぶと華やかに作れないところもあって虚と実を上手く使い分けています。
冠の纓(えい)、 立纓(りゅうえい)は天皇さんだけですけど、男雛の纓は立派に見せるために垂纓(すいえい)にしんと立纓にしています。
黄櫨染(こうろぜん)には立纓ですけどね」
天皇の朝服である黄櫨染の御袍(ごほう)や朝廷の公事の際に着用された殿上人の束帯を身につけた男雛や特別に織らせた二倍織物(ふたえおりもの)や唐織を用いた装束の女雛。
そこには研き上げられた職人たちの技の限りが精緻に織り込まれています。
天皇陛下御一人以外、着用される事のない黄櫨染の御袍を男雛の装束として用いた丸平人形店。
七世に至るまでの代々の雛人形には千年の"京の誇り"が込められているのです。
平成十七年、丸平の歴代の人形たちを展示する資料室「丸平文庫」が開設され、人形の保存に努められています。
世の中の移り変わりの中で、決して量産することもなく、昔のままに守り続けられてきた丸平の人形たち。
そこには希少価値となった日本の美が現存していました。」
(「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著) P77)
「「まだ先代や先々代の残してくれた裂はありますが、なくなったら同じようにはもう織れへんやろと思てます。この仕事は一体ずつ仕上げている家内工業です」と、淡々と語られる大木氏ですが、
一体の人形に費やす時間と労力を考えると、このスピード感のある時代から、ここは完全に取り残されているのかもしれません。
しかし、日本に一つくらい、こんなふうに誠実に、そしてこだわるだけこだわって一体ずつ雛人形を作る店があってもいいのではないでしょうか。
まだ江戸時代が続く人形作りの裏側、"丁寧"という言葉の裏に"本物"という字が透けて見えます。」
(「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著) P81)
「京都の人々に祇園さんと親しげに呼ばれる八坂神社。
千百余年の伝統を有する七月の祇園祭はこの神社の祭礼です。
この神社で毎年恒例となっているのが常盤殿で開催される雛の展観会です。
新町三井家御奉納の雛諸道具一式と三井秋冬好みの次郎座衛門雛が公開されるのです。
かつて清少納言が「枕草子」の中で、
”過ぎにしかた恋しきもの 枯れたる葵。ひひな遊びの調度"
と記していますが、三井家の蒔絵の調度品もこのうえなく美しい丸平製。
公家階級や大名家の婚礼調度を模した豪華な雛道具は、財閥一門であった新町三井家の繁栄を表しています。」
(「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著) P71)
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「決定版日本の雛人形 江戸・明治の雛と道具 六〇選」是澤博昭著、淡交社より
(「丸平」について抜粋)
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「近世と近代の融合 商家の名門 三井家の雛飾り
大正時代の撮影とされる北三井家麻布今井町本邸の広間に飾られた十代高棟(たかみね)夫人の苞子(もとこ)の雛飾り。
苞子は旧外山藩主前田利声(としかた)の娘として明治二年に生まれ、二五年に結婚する。
雛段の中央部に苞子が嫁いだ二年後に新調した京都の老舗「丸平」こと大木人形店の内裏雛、向かって左に有職雛、右に享保雛が並んでいる。
有職雛は実家の前田家から持参したものか。
また雛段には、祖母の実家広島藩主浅野家の雛道具が並び、右下方には西洋人形もみえる。
大名家の娘が嫁いだ商家三井家の雛飾りには、町雛の享保雛に公家の有職雛、そして明治の内裏雛と、近世と近代の融合をみることができる。
ここには封建的な身分制度が改革され、異なった身分間の結婚や職業選択の自由などをみとめた明治の息吹が立ちのぼっている。
(「決定版日本の雛人形 江戸・明治の雛と道具 六〇選」P76 是澤博昭著、淡交社)
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この「丸平」の明治の雛人形じゃないかしら(似てるかも((*゚д゚*))?)‥(わからんけど)相模の上(三条の上)、うちに来てくれてありがとう.(〃ノωノ)゚
と日本のお人形が増え、今年の冬だけで6体増えた( ー`дー´)
この動画のユーチューバー様の気持ち、わかりますΣ( ̄ )
※趣味で集めた日本人形達♪2018.4My Japanese dolls(雛段 Hina doll、市松...)
なんとか「相模の上(三条の上)」で「お買いもの依存症」は卒業するゾ‥d(∀)
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(2020/09/11追記)
(またまた)「市松人形」(「浮雲の姫君」と名付けました♡)ゲットしちゃいました!!
「人形の小島(東京都)」の市松人形(ミニサイズ)

作者「小島孝司」氏!



一体一体顔は手描きのため、微妙に個性の違いが(”好みの子を選ぶ楽しみ”全開~)!

人形に「命」を吹き込む「彫刻刀」!

着物も古布でできているため、同じ着物のいちまさんは二つとない(一期一会の出会い!??)ところが魅力かも!
昨年末に一度見かけたけど断念…まだあってよかった(ホッ)
日本橋三越の「日本の職人 匠の技展」より
「先代から跡を継ぎ45年、〈人形の小島〉の工房では、小島孝司さんが1人で桐塑の木目込人形づくりに勤しんでいます。江戸時代から続く伝統技法として歴史が長く、主に縁起物として市松人形や雛人形、鍾馗人形がつくられています。
顔づくりに精通した頭師と呼ばれる職人もいますが、型づくりから絵付け、結髪に至るまで一体の人形を一人でつくる技術を有する職人は、現在小島さんおひとり。桐塑の型をとる木型は自ら彫りだすもので、独学による試行の末10年かけてようやく形になるようになったと話します。
及川映峰氏を師と仰ぎ、ゼロからモノをつくる面白さに魅力を感じたと言う小島さん。頭11年、着付け8年と鍛錬の末に得た技で表現するのは、手づくりだからこそ出せる柔らかさと繊細さ、そして逞しさと優しさ。「師匠の型を使っていては、師匠のモノにしかならない。すべてを自らつくることで初めて自分のモノになる。」と信念を語ります。
50年前に師匠からいただいた1本の小刀、これを何度も使い、何度も研ぐことが職人の一歩。使いつぶすとようやく手馴染みが良くなり、刃使いも上達するとされています。
小島さんは、人形づくりの文化を残すために“時流を取り入れた表現のカタチ”を目指し、現代に合う顔つきや衣装の探求をしています。「暮らしのそばに飾ってもらうこと、そしてこれを見てかわいいなと心の癒しになるものをつくり続けたい。」と話す、小島さんの想いが込められた人形の表情には、どこか優しさが漂います。完成した人形を手に取る小島さんの眼差しにも愛情と優しさが満ちていました。」
松坂屋名古屋店の「女性目線で選ぶ、いまどき職人の技。【日本の職人展(前期)】」より、
「江戸時代中期に、京都上賀茂神社で祭事に使う、柳箱(やなぎばこ)の材料である
柳の木の残片で、神宮が、木彫の小さな人形を作り溝をつけて、そこに
神宮の衣装の残りの布を挟んで着せ付けたのが始まりです。
職人の技を、間近で見ることができます。」
(2020/09/18追記)
さらにまた一体、「人形の小島」のお揃いミニいちまさんを購入しちゃいました(「丹後の姫君」と命名!)

お人形の箱を入れるお揃いの巾着(「飛騨さしこ」)も購入し「お人形遊び」モード全開!?お友達がいないと寂しいもんね♡
「飛騨高山本舗 飛騨さしこ」より
「◆飛騨さしこ(刺し子)とは
山深い飛騨は交通が大変不便で、昔は織物等の入手も困難でしたから多くは自給自足でした。そのため綿や麻を糸にして織り、それを自分の手で染める事が女の努めでした。
布に模様を染め抜く技術等は持っていませんでしたので、単色の紺、浅黄、渋茶等の着物を着ていました。若い女の人たちは自分の上着の一部に自分好みの簡単な模様や図案を白糸で縫いつけて用いました。
江戸末期頃には、この風習もすたれましたが、この技が後世商人の風呂敷や柔道着等の補強にも用いられるようになり、いまでもその名残が見られます。
刺し子は布の補強、そして布を大切にしながら、お洒落に身につけるという「生活の中に存在する美術」です。(略)
飛騨の民芸品として、また日本の昔から伝わる生活の中の美術品として、ご愛用いただけましたら幸いです。
◆「用即美」暮らしの中にある芸術、それが刺し子。
刺し子作品は「使うのがもったいない」というお客様のお声を頂くことがあります。例えばふきん。手作業で作られる刺し子ふきんは、二つの意味で贅沢品なのかもしれません。ひとつは刺し子の量。もうひとつは、他の工業品と比べた場合、少し割高になってしまう価格。
とても有り難いお褒めの言葉なのですが、刺し子は「用いて即ち美しい」と民芸運動で提唱された、生活の中で使って頂く芸術の一部を担っているのです。
刺し子を施しているから丈夫で、長年使い続けているいただける。
その過程の中で変化する美がある。
そんな日本の芸術文化の一部が刺し子なのです。
◆ひと針ひと針手縫いの刺し子。
おなじ柄や模様を刺した作品であっても、刺す職人によって様々な表情をみせます。力強い刺し子、繊細で綺麗な刺し子。手作りだからこその違いであり、そこに温もりが存在します。
縫製もミシンを使った手作業で行う為、同じ作品であっても実は全て一点モノと言っても過言ではないと信じています。手に取って頂けた瞬間に刺し子の温もりを感じて頂けたらと願いながら...。」
「飛騨刺し子」にお揃いのお人形の箱を入れ開けるときにドキドキ感UP!
源氏物語の「二条院」や「六条院」をマネして、お人形たちの「五条院!?」を作って遊びたいな~(*⌒〓⌒*)
(2020/09/25追記)
さらにもう一体、「人形の小島」のミニ市松人形をお迎えしました(「榊の姫君」と命名)!

一の姫、二の姫、三の姫…仲良し三姉妹!?
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ひな祭りが成立したのは江戸中期。
だが原型となる「ひいなあそび」は源氏物語の頃からあった(紫の上は「ひいなあそび」が大好きな子供だった✿╹◡╹)
いちいちお人形に名前つけたりしてクドすぎ‥・´ー・`でもこれも「ひいなあそび」みたいなもの!?‥ヾ(。・Д・。A_| ̄|
子供の頃は源氏物語とか高度な内容の書物をいろいろ読んでたのに、大人になるにしたがって読書内容が下がってきた(日本人形を見ると、立派だったあの頃を思いだします~`ω´゚)
日本人形関連の好きな本から。
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「日本では昔から、病気になったり災いが降りかかったりするのは、悪霊が体に取り憑いたためだと考えられてきた。
そのため、身代わりとして「ヒトガタ」を用意して、肌に擦りつけたり息を吹きかけたりして罪や災いを移し、水辺に棄て流して穢れを祓った。
「ヒトガタ」は、体を撫でて悪いものを祓うので、「撫物(なでもの)」とも呼ばれた。触覚を通じた魂の器でもあったのだ。
「ヒトガタ」という言葉に心を揺さぶられるのは、魂の原型、ひいてはイメージの原型ともいうべきものが背景に見え隠れするからに違いない。」
(文=大西成明(撮影後記)「人形記-日本人の遠い夢」佐々木幹朗著/淡交社)
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「-売り物と、コレクションとして持っておきたいものが、一致してしまうことはなかったのですか。
ーそれがありがたいことに(笑)、私の欲しいものとお客様の欲しいものが奇妙に異なったので、商売と募集が成り立ったのです。一致してたら切ないですよね。
たとえば若い方は圧倒的に市松人形を買う人が多かったし、お客様は二十代半ばから七十歳ぐらいまででしたけど、御所人形が欲しいという方は百人に一人もおられませんでした。
お客様はほとんどが女性で、五十歳代が一番多かったです。
子供が巣立って離れていく寂しさから、気持ちが人形に向かったという人が多かったですね。
人形の中に、自分の子を育てた頃の思いを投影するのでしょうね。」
(「日本人形の美(伝統から近代まで、浅原コレクションの世界)」淡交社)
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「北村哲郎は、日本人形の持つ意味と目的を、①信仰や呪いに基づいたもの、②子供の遊びに伴うもの、③愛玩・鑑賞に資するもの、の三つに大別し、それが時代とともに分離していることを指摘している。(略)
日本では、玩具(手遊び)である人形に、素朴な信仰心(病気や災いから身を守るヒトガタなど)が融合して、子供の健やかな成長を願う雛祭に発展したのをはじめ、まるで”大人のおもちゃ”とでもいいたいような、玩具でも信仰の対象物でもない、精巧で手のこんだ観賞用の人形があらわれる。(略)
子供への願いと祈りを礎として、それに遊び心や美意識、ときには権力への反発心などが複雑に絡まり合って形成されたものが、日本の人形文化である。
それでも日本の人形は、北村の分類する三つの要素のどちらにも偏ることのない、いわば聖と俗、あるいは芸術と玩具の境界線上にある、微妙なバランスの上に成り立つ存在である。」
(「日本人形の美(伝統から近代まで、浅原コレクションの世界)」淡交社、監修・文:是澤博昭)
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「太平の世が続く江戸時代、人々の遊び心は、玩具(手遊)である人形に素朴な信仰心(病気や災いから守るヒトガタ)を融合させ、雛祭りを誕生させた。
子どもの健やかな成長への「願いと祈り」を礎として、「遊び心」や「美意識」、時には「権力への反発心」などが複雑に絡まりあって、近世に形成されたものが日本の雛祭りであり、雛人形だ。
雛壇の上の人形に菓子や季節の食物を供え、雛祭りに興じても、やはり雛人形には、みだりに持ち遊んではいけない神々しさがある。
おそらく人形のなかには祓いのヒトガタ・カタシロに込められた祈りや願いが密かに隠れているからであろう。
そこには世界でもまれな人形祭り、雛祭りを生み出した日本人の心性があらわれている。
玩具であり、信仰の対象物であり、またそのどちらでもない人形を観賞用のものにまで昇華させ、さらに芸術上の地位まで与えてしまう、世界でもまれな人形文化を形成する日本人の心性が、雛人形には凝縮されている。
そこから物質的な豊かさの一方で、現代人が見失ってしまった、言葉にできない、そして目にも見えない、大切な何かを、発見することができるのではないだろうか。」
(「決定版日本の雛人形 江戸・明治の雛と道具 六〇選」淡交社、是澤博昭著)
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「幼い頃から雛人形に親しんできました。
「お雛さんは神さんや。子の弄ぶもんやない」と京都の大人たちはよく言いました。
そうして飾られた人形たちに囲まれて、子供心に人形というものにある種の強い力を感じたのでした。
それは畏れと荘厳であり、ある種の呪術的な力でもありました。
ですから私は雛人形というものは、けっして愛玩するものではなく、神そのものだと思っています。
歴史的にみても、もともと上巳の節句は「ひとがた」がさらに変化し、子供の成長を祈るために「天児(あまがつ)」「這子(ほうこ)」などの信仰のための人形が生まれ、そしてそれが雛人形の飾りへと発展していったのです。
形は変わっても、これらの人形は神に等しく、畏敬すべきものだと受けとめています。(略)
古くから伝わる雛人形を眺めていますと、その表情は中性的で神秘的です。
男雛女雛は高貴な男性と女性にかたちを借りた神であり、ただの男と女ではないのです。
毎年ある季節になると、ある定められた場所に、畏敬すべきものがお出ましになる。
それは日本の神の在りようの一つの典型といえましょう。」
(文=林駒夫《重要無形文化財『桐塑人形』保持者》「飾る知識と楽しみ方 雛人形と武者人形」監修:林駒夫、人形制作:有職人形司 大橋弌峰、淡交社)
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「最近は古風な表情の雛を怖いという方も多いようです。
ただ、物事をすべて自分の理解できる範囲に引き寄せて安心するのではなく、時に近寄り難く、畏い(こわい)という感情を抱くこと、それは人が成長していく上で大切な感情の一つなのではないかと思います。
私は若いお母様方に、どうか可愛いだけの雛人形ではなく、ある種の「畏さ」を持つ人形にも目を向けていただきたいと、お願いする次第です。(略)
雛人形は玩具ではなく、子供たちの身近な神様なのです。
畏れ多いけれど、慈愛に満ちたものの存在の大切さ。
そこに祈りを捧げられる、お子様を本当に見守ってくれる神様を身近に置かれること、そんな視点を持ってみると新しい雛祭りが見えてくると思います。(略)
手作りの立雛でもいい、想いをうつすことのできる自分だけの神様を持つこと、そういった幼い頃の思い出が、どれだけ人生を豊かにしてくれるか、私は身をもって知っています。
この美しくゆかしい風習がいつまでも続いていくことを祈ります。」
(文=林駒夫《重要無形文化財『桐塑人形』保持者》「飾る知識と楽しみ方 雛人形と武者人形」監修:林駒夫、人形制作:有職人形司 大橋弌峰、淡交社)
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「(内裏雛:)
(略)この人形がすなわち天皇や親王(天皇の兄弟、皇子)の夫妻をかたどっているということではありません。
これは「高貴な夫婦を象徴した人形」ということなのです。
雛人形を飾ることが流行った江戸時代後期、武家にとって、決して見ることのできない皇族や公家の生活は憧れ以外の何物でもなかったのでしょう。
そこで、これをまねた人形を作り、内裏とか親王とかいう呼び方が生まれたものと思われます。
さらに富裕な町人たちは、贅を尽くしたこのような人形をこぞって求めたのです。
したがって、人形の装束も様々です。(略)」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(三人官女:)
宮中に仕える三人の女性の人形です。
三人ともに白の小袖(袖口を小さく仕立てた着物)に緋色の袴を着けていて、その上に、小袿を羽織ったものもあります。
中央に盃をのせた三方(さんぽう)あるいは島台(しまだい)を持った女性が立ちます。
彼女が一番若く、あどけない少女の表情に作られています。
向かって右は眉を剃り、鉄漿(おはぐろ)をつけています。
これは既婚で年配(といっても、三十代くらいですが)の女性で、長柄(ながえ)の酒入れを持っています。
向かって左は成人した女性。彼女は銚子(ちょうし)という柄のない酒入れを持っています。(略)」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(五人囃子:)
少年姿の五人が並びます。
左から太鼓、大鼓、小鼓、笛、謡(うたい)の揃いは、能楽の囃方(はやしかた)と謡をかたどったものです。
江戸時代、能楽(当時は猿楽の能といわれていました)は武家の式楽とされていました。
武家はたしなみとして能を習い、また裕福な商人たちの間には、仕舞(しまい)や謡、狂言の小舞などを習う者もいたのです。
一般には、浄瑠璃、長唄、小唄、常磐津(ときわず)など、三味線音楽が全盛の時代だったはずですが、高貴な人々の音曲ということになると、やはり能だったのでしょう。
この五人囃子は、江戸時代の中期、江戸で生まれました。
京都では八楽人といって、笙(しょう)、篳篥(しちりき)、竜笛(りゅうてき)、琴、琵琶、羯鼓(かっこ)、鉦鼓(しょうこ)、太鼓という雅楽の演奏家たちの人形が古くからありました。
雅楽は、宮中とこれを取り巻く公家、寺や神社で演奏されていたので、京都ではごく自然に楽人の人形が生まれたのでしょう。
しかし、雅楽は武家の好み、とりわけ江戸の好みに合わなかったのか、江戸ではもっぱる五人囃子ばかりが好まれていたのです。(略)」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(随身/右大臣・左大臣:)
右大臣、左大臣は大化の改新以来続く律令制の官です。
もっとも位が高いのは太政大臣で、次が左大臣、そして右大臣となります。
いずれも天皇を補佐する大切な役目で、人形は二人ともに弓矢と太刀を携え、外出時の正装である武官の装束を着けています。
白髭をたくわえた左大臣、若い様子の右大臣。
左大臣の方が位が高いことから、人形も年長者に作ってあります。(略)」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(仕丁/衛士(えじ)/三人上戸(さんにんじょうご):)
水干(すいかん)という位のない官人の装束を着た三人は、仕丁あるいは衛士といいます。
沓を持った泣き顔を中央に、優しい笑顔の翁が向かって右、怒った顔の若い男が向かって左に座ります。
三人の特徴的な表情から、三人上戸とも言われています。」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(左近の桜、右近の橘:)
京都の内裏の中心に建つ紫宸殿は、儀式を行う建物です。
この庭に、古来より東側(左)に桜、反対の西側(右)に橘が植えられています。
左近の桜、右近の橘はこれに由来しています。(略)」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「(雛道具いろいろ:)
嫁入り道具として箪笥、長持、鏡台、火鉢、茶道具、貝桶(貝合わせを入れた桶)など。
重箱と膳の一揃が二組。
いずれも黒の漆塗りに金で唐草の蒔絵がほどこされています。
このほかに、乗り物として籠と御所車があります。」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「軸物や陶器の骨董品は容易に売買されます。
しかし、お人形には、贈った人の思い、贈られた人の思いがこめられているので、宝物のように扱っている場合も少なくはありません。
そういうお人形を手に入れるのは、なかなか困難なことなのです。
それに、運良く手に入れることができても、ここから先がいろいろで、どのようなお人形がどのような保存状態で入っているのか、箱を開けるまでは何もわかりません。
「舌切り雀」ではありませんが、ほとんどすべての人形が壊れた状態だったことも少なくありません。
でも、そんな人形たちにも命があります。
江戸から明治、大正と、時代を経てきた人形たちが、やっと木箱から目覚めるのですから、私はどの子に対しても、等しく大事にしてやりたいと思います。」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「心惹かれる人形に巡り会うと、人形と気持ちが通じるのでしょうか、どうしても連れて帰りたくなってしまうのです。
また、このようなコレクションをしていることが骨董仲間でも有名になり、珍しい人形が売りに出されると知らせてくださる方もいます。
そんなことから、集めた人形の数も種類もかなりのものとなり、現在四五〇〇体の人形が私の手元にあります。
そこで、私ひとりで楽しんで眺めているだけではなく、広く皆さんに見ていただきたいと思い、お人形歴史館を開くことにしました。」
(「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社)
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「人形というものはまことに可愛いものです。
かれらは単に人間の模倣であるにとどまらず、いわばひとつの童心の世界をかたちづくり、また時には向かいあう者の心をやさしく映す鏡のような役目まで果してくれます。
ことに日本の人形たちは古来より、上流の、また民間のさまざまな年中行事のなかで、長い年月の間に美しく育ってきたものでした。(略)
それにつけても、三十八年前の太平洋戦争さなか、ようやく都合したトラックで東京大空襲を危うく逃れ、近郊の農家の納屋に疎開させた人形たちが、今日なおこの本のなかにいきいきとした姿を見せてくれていることには、まこと感無量の思いがあります。
これまた人形のいのちの不思議でありましょう。」
(文=山田徳兵衛「吉徳コレクション 雛人形・五月人形・羽子板」山田徳兵衛編 東京堂出版)
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「雛の発祥と思われるものに、祓の人形(ひとがた)(形代(かたしろ))が考えられる。
また、これらは身体を撫でて海や川に流したところから、のちの流し雛の風習のはじまりとも思われる。(略)
人形(ひとがた)から進化して日本人形の祖型となったと思われるものに天児(あまがつ)がある。
木をT字に組んだ体に白絹にくるんだ丸い頭をのせたもので、誕生した嬰児の枕頭に置き、魔除けとし、また産衣を着せかけて祓を行った。
これと同じ用途の人形に這子(ほうこ)(略)があった。
白絹を縫って綿を詰め、幼児の這う姿をかたどった胴体に頭を付けたもので、天児が多く上流のものだったのに比し、這子は室町頃より民間でも盛んに作られ、のち子女の玩ぶ人形ともなった。
お伽犬も同様に魔除けとして用いられたものだが、これものち次第に玩具化していった。」
(「吉徳コレクション 雛人形・五月人形・羽子板」山田徳兵衛編 東京堂出版)
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「こうした雛流しから雛祭が生まれたという考え方もなされ、一方、平安時代の宮咩祭(みやのめのまつり)の人形の影響もあるとも考えられている。
この祭は平安時代の末に、十二月あるいは正月の初午の日にわが家の不吉をはらい、幸運を祈った。
祭神高御魂神(たかみむすびのかみ)をはじめ男女六柱の神々を人形につくる。
これを宮中では三条殿の東面の妻戸で、左右の柱の下に笹をたてて、それへ男女の人形をつるした。
この人形は「ひいな」ともよび、いろいろな染め絹で作り、男の人形には束帯をさせたりして、台盤所の女房がこしらえたものである。
古く、平安時代ひいなと呼ばれたのは小さく、かわいらしく作った男女の人形を称したので、一般的に人間の雛形の意味があった。
雛(ひいな)はふだんの日にもて遊ぶ人形をさしており、雛で子供たちは、今日の人形遊び、ままごとのような遊びをしていたらしい。
そのことは、平安時代の物語類に「雛遊び(ひいなあそび)」がみえているので察しられる。」
(「吉徳コレクション 雛人形・五月人形・羽子板」山田徳兵衛編 東京堂出版)
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とにかくお人形が大好き~(๑˙―˙๑)‥子供のころ、清水坂で日本人形を見るのに夢中だった‥ビスクドールのカレンダーのジュモーやアーテーにやたら憧れてたのを思い出します‥◍>◡<◍。
※創作人形展―匠2015― 川畑 敏インタビュー
日本では世界に先駆けて早くから創作人形がアートとして認識されてるそうです(作品も百花繚乱~〃´ω`)
「日本人形の美(伝統から近代まで、浅原コレクションの世界)」より
(「創作人形」について抜粋)
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「人形作家が重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に認定されるなど、創作人形に芸術上の地位まで認めているのは、諸外国では見られないことである。
玩具であり芸術であり、しかも信仰的要素を併せ持つもの。
このように、日本では人形の定義は容易ではない。」
(「日本人形の美(伝統から近代まで、浅原コレクションの世界)」淡交社、監修・文:是澤博昭)
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アンティークビスクドール♡→ܫ←♡

アンティークショップの大御所Ruby Laneのユーチューブ動画よりノ*:・゚✧
※Doll Shopping with Joan and Lynette Antique Dolls at UFDC
こういう催し行ってみたい≿ܫ≾
※Antique Doll Show In Paris, France
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雛人形、そして日本人形や人形の出てくる物語についての超おすすめ本・・!
■「日本人形の美(伝統から近代まで、浅原コレクションの世界)」淡交社/監修・文:是澤博昭

日本を代表する収集家「浅原革世」氏の粋を極めたコレクションの解説本!これ1冊で日本人形のマスターに!
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■「人形記-日本人の遠い夢」佐々木幹朗著/淡交社

人形と日本人とのかかわりを、歴史から現代にいたるまで徹底分析!
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■「決定版日本の雛人形 江戸・明治の雛と道具 六〇選」是澤博昭著、淡交社

筆者が実際に目で確かめたおひなさまの名品揃い!これ1冊でおひなさまマスターになれるスーパー決定版!
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■「飾る知識と楽しみ方 雛人形と武者人形」監修:林駒夫、人形制作:有職人形司 大橋弌峰、淡交社

雛人形と武者人形について「桐塑人形」の人間国宝、林駒夫先生による解説が読める必読本!
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■「日本の旧家 雛めぐりの旅」萬 眞智子 著、 家庭画報編集部/編 (著)

日本の全国各地の旧家に伝わる由緒ある雛人形が一堂に!アンティーク雛人形好きにはたまらない一冊!
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■「雛まつり 親から子に伝える思い」人形師 福田 東久著、近代映画社

雛人形のイメージは誰か、雛まつりにはどんな歴史があるかなど、基礎知識がわかりやすくまとめられた名著! 筆者は江戸工芸職人の人形師にして節句人形専門店「雛屋東久」の創立者でもある福田先生!
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■「吉徳コレクション 雛人形・五月人形・羽子板」山田徳兵衛編 東京堂出版

人形の「吉徳」に伝わる超名品の数々を一堂に! 読み応えのある豪華大型愛蔵本!
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■「四つの人形のお話3 クリスマスの女の子」ルーマー・ゴッデン作 久慈美貴訳 たかおゆうこ絵 徳間書店

クリスマスに売られているお人形ホリーと、身寄りのない孤児の女の子アイビー、子供のいないジョーンズさん夫妻の出会いをめぐるストーリー。「願いごと」をすれば叶う!?クリスマスの愛の物語。
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