全41話

(10/30追記:12月に日本語版発売予定。)
原作はチェン・カイコー監督の2010年の映画「運命の子」と同じ「趙氏孤児」と呼ばれる歴史エピソード。案は「事件」「事案」「案件」。「物語」よりも現実味を帯びたニュアンスかな。
――時は春秋時代。国境近くで医院を営む程嬰の家に晋軍を率いる趙克将軍がひどい怪我を負った状態で辿りつく。楚軍との戦いの最中に部下の卑南が裏切り晋軍は大敗したのだ。趙克は兄の趙朔に卑南の裏切りを伝えてほしいと程嬰に令牌を託し自ら命を絶った。
晋国朝廷では宰相の屠岸賈と趙朔将軍の派閥争いが激化していた。程嬰から話を聞いた趙朔は屠岸賈が自分を陥れるために卑南を利用したと確信する。屠岸賈は口封じのために卑南に毒を盛るが、趙朔はすかさず解毒治療を施し救う。そして晋軍の敗北の裏には屠岸賈がいたことを証明するため卑南を連れて国王に面会しようとするが、それを知った屠岸賈は程嬰を誘拐し、卑南の身柄との交換を要求。片や一国の将軍で陰謀の重要な証人、片やただの町医者…だが信義に篤い趙朔は程嬰を見捨てることができなかった――
名家の唯一の生き残りの男児をめぐる、ミステリ仕立てのサスペンス。映画とはちょっと視点が違って、市井の医者なのにやたら政治駆け引きに敏感な程嬰がその世界のプロ・屠岸賈とバチバチ火花散らして知恵比べする話に。
これハラハラさせる演出は良いのだけど、物語自体の進み方がすごく遅い…。趙氏にお子さんが生まれるまでが長すぎ!物語が動き出して面白くなるのは13話から。
このドラマでは、程嬰と屠岸賈が敵対してるというより良きライバルとして描かれてるのが面白いところ。互いに疑いつつ互いに一目置いてるという奇妙な関係。お互い命をかけた騙し合い。終盤には趙氏の子を含む同じ日に生まれた三人…いや四人の子供の存在が入り乱れ、それまで真実を知っていると思い込んでいた視聴者をも惑わせる良質ミステリに。
主役格こそ実力派勢で揃えてるけど美男美女もそこそこ配して、手広く且つ本格的な時代劇として受け入れられるんじゃないかな。
この作品で興味深いと思ったのは、平民と貴族で「風格」「品格」の差がある所。屠岸賈や庄姫といったお偉いさんと、一般市民の程嬰や宋香では、激昂した時の怒り方が違う。お偉いさんはそれこそ芝居の台詞のように簡潔にはっきりした口調で怒るのに対し、平民はぎゃーぎゃーわめき散らすw 程嬰は普段は冷静で温和なのに怒ったときはもう早口でいっぺんにまくしたてて、その時に初めて軽いと言うのか、ああこの人やっぱり平民だなって感じる。屠岸賈も常に冷静で温和を装ってる人物だけど、怒っていても口調はあくまで冷静。そこに格の違いが見える。この作品では程嬰が一国の軍師並みの知識や人脈を持ってて非現実的なんだけど、芝居面では現実的だなぁと思う。ぎゃーぎゃーわめくのは「主人公としては」あんまり格好良いものではないけど、「役柄として」正しい、しっくりくる。視聴者に媚びてないなと。監督のこの演出と程嬰役ウー・ショウポー(呉秀波)に拍手を送りたい。
この程嬰を演じるのは本当に難しいと思う。ウー・ショウポーもなかなかよかったけど、でもライバルの屠岸賈を演じるスン・チュン(孫淳)が圧倒的で凄すぎた。役柄でも芝居でも格が違うという感じ。視線ひとつ、間(ま)ひとつで心情を語る巧みさ。深い。
YOUKU
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