あさひのブログ -75ページ目
フー・ダーロン(富大龍)主演、中国国内の様々な映画賞を受賞したという10年前の映画。

「天狗」(2006年 監督/戚健 主演/富大龍)
102分

※日本語版はありません。

天狗はあの鼻の長い赤面の妖怪のことではなく、人名。
一応中国にも天狗(てんこう)という妖怪はいるようだけど、字のごとく犬の妖精で日本のみたいな鳥の妖怪ではない。

――とある辺境の村の山中で殺人事件が起こった。被害者は村の有力者・孔氏の三兄弟。上二人は射殺され、末っ子も意識不明の重体だ。銃を持って近くに倒れていた容疑者は村の保林員(山林を管理する公務員)の李天狗。ひどい全身打撲とやはり銃弾を受けており意識不明の重体となっている。公安局から派遣された王は事件の真相を調べはじめる――

[ここからネタバレ------李天狗の所持品を調べるとくずのようなパンのかけらと血にまみれた日記が出てきた。彼は日々の食べ物にも困る生活をしていたようだ。公務員である彼がなぜそのような困窮した生活を送っていたのか…王は日記のページを繰っていく。

戦争で片足を失い退役した若者・李天狗はこの辺境の村の保林員に任命され、妻と幼い子供の三人で移住してきた。村人は戦争の英雄として彼を大歓迎し受け入れた。大勢が彼らに贈り物をし村長は困ったことがあればいつでも相談にのるといって毎日のようにやってきて気にかけてくれた。だがその様子を苦々しく見ている者がいた。村一番の有力者、孔三兄弟だ。

天狗が森を見回りにいくと、ある一角の木々がごっそり切られてまだ新しい切り株が並んでいた。村の誰かが不法伐採し木材の密売をしているのだ。天狗は不法伐採してはならないと村に大きく張り紙をし警告する。
ある日天狗が村の井戸に水を汲みに行くと、村人が井戸の囲いに鍵をかけて入れなくしていた。事情がわからない天狗は村長の家を訪れるが居留守を使われる。仕方なく商店で水代わりに大量のコーラを購入する。さらに数日後には電気をとめられ、蝋燭を法外な値段で買わされる。村中からの無言の敵視。なぜこうも憎まれるのかわからないまま天狗はひたすら耐えるしかなかった。
天狗は一人で井戸を掘りやっとのことで水を手に入れるが、数日後井戸には飼っていたヤギの無残な死骸が放りこまれていた。妻はもう耐えられないと子供を連れて村を出て行った。

ある日森の監視中に、孔三兄弟がスーツの男と木の売買の商談をしている現場を目撃する。孔兄弟は天狗に気付くが、無言で肩を叩いて去って行った。木材の密売で儲けている孔兄弟が邪魔な森林監視員の天狗を追い出すために一連の嫌がらせを続けていたのだ。

孔兄弟は村人を集め天狗の家を襲撃する。元軍人の天狗は一人でも必死に抗戦するが多勢に無勢で刃物で切り付けられ殴る蹴るの暴行を受けた。倒れ動かなくなった彼を助けようとする者は誰一人としていなかった。
その夜、意識を取り戻した天狗は這って家の中に戻り銃を手にした。そして森へと入っていく。森では孔三兄弟がチェーンソーで木を伐採しようとしている所だった。天狗は孔兄弟にむかって銃の引き金を引く・・・。

天狗は都市の病院に収容され命は取り留めた。彼の妻と子が報せを聞いてかけつけたが、天狗の意識は戻らなかった。
そして十数年後、立派に成人し軍人となった彼の息子が病室に見舞いにくる。天狗の意識はまだ戻らない。だがその目から一筋の涙が流れ落ちるのだった。(終)
-----ここまで]

張平という作家の「凶犯」という小説を元にした作品。
描かれるのは陰湿で壮絶な「大人のイジメ」。外部からやってきた親子三人を容赦なく締め上げていく村人の憎悪なき悪意の渦。学校のクラス、会社の部署、そして現代ではSNSのような数十人のコミュニティで、必然的にも発生するヒエラルキーと生贄と日和見。

他所から人がやってくることがめったにない辺境の村に赴任した李天狗の一家ははじめは村をあげての大歓迎を受ける。だが村の有力者の孔兄弟の指図によって急速に村八分に遭い生きる糧をも奪われて行く。だがなぜ村人は誰一人として助けの手を差し伸べないのか…悪意を表に出している孔兄弟よりも日和見している村人の方が恐ろしい。
孔兄弟が死んだと聞いて掌を返したように悪口をぶちまけだす村人たち。自分が李天狗を追い詰めたのではない、孔兄弟がやれと言ったんだと責任をなすりつける。行動したのは自分であるにもかかわらず、だ。もちろんそれは人の心の弱さによるものだけど、心の弱い人間でも数が集うと人を殺せるだけの強さを持ってしまうという恐ろしい事実。自分が悪いんじゃない、だってみんなもやってるから…たった数十人の中に紛れるだけで、人は罪の意識をゼロにしてしまう。

物語自体は昔の田舎ではさもありそうな逸話だけど、リアルに描写し人の醜さを抉り出してるところが凄い。ただまぁ、とっても残念だったのは最後のオチというか…そんなとってつけたような終わり方…。子供が成人したシーンはいらなかったよなぁ、アラサー男性が10代少年を演じるのは無理が過ぎるし…。(´д`lll)
あと天狗と桃花はいっつも顔はきれいなのよね、埃っぽい山が舞台なんだからもっと汚れててもいいはずなのに。

過去と現在が幾度も交差する構成が、最初は戸惑うけど特に終盤はミステリの種明かしのようにスリリング。重い物語だけどこの事実に目をそらさず観なければならない。誰彼の心に巣くう「悪意」を知るために。


凶犯 (新風舎文庫)/新風舎

¥813
Amazon.co.jp
原作の小説。
映画でも主人公は名前の一部をとったニックネーム「狗子」と呼ばれてます。ニュアンスとしては「狗さん」「狗ちゃん」だけど、狗は犬の意味なので孔兄弟が呼ぶ「狗子」には「犬野郎」という蔑んだ意味が入ってるのかも。


SOKU
広告さえ見れば無料。簡体字字幕。画面が白いのでちょっと読みづらいですが。



長いものに巻かれろ
またまたフー・ダーロン(富大龍)主演のスパイもの。

「破陣」(2015年 監督/邵芳 主演/富大龍、陳昭榮、王珂)
全36話

※日本語版はありません。

――1930年代中華民国。国民党政権に反旗を翻す紅軍(共産党)を抑え込むため政府は商人らの物資輸送を制限し厳重に監視していた。紅軍小隊長の龍火は武器製造に欠かせない金属を入手するため、赣(カン)州蘇区にスパイとして潜入している外資系商社の女社長・叶心に接触を試みる。だが叶心は政府の目を非常に警戒しており龍火はなかなか信用してもらえない。

蘇区を訪れた青年・柯澤は、山賊に囲まれている少女を助けようとして一緒に捕まってしまう。たまたま居合わせた龍火は彼らを助け出してやった。少女は大商社の社長の一人娘だった。彼女の父は区長の劉明礼に陥れられ無実の罪で投獄されていた。父を助けたいという彼女のために柯澤と龍火は策を練るが・・・――

ネタバレすると柯澤は、蘇区から物資が紅軍へ送られていることを知った政府が蘇区の物資輸送を完全に掌握する「鉄陣計画」を遂行するために派遣した国民党の政府要員。「破陣」というタイトルはこの完璧な鉄陣計画を破るため奔走する共産党員を描いているため。

物語は用意周到に鉄陣を敷く柯澤と、その隙をかいくぐって物資輸送を試みる龍火と叶心のいわば知恵比べ。サスペンスではあるけど現代的コメディ要素もふんだんに取り入れてて観やすくなってる…というかこれちっともハラハラしないよね!(;´Д`)ノ
アクションとかで命をかけるハラハラは全くなくて、真相がバレるかバレないかを描く心理サスペンスだけど、なぁんかかったるい。物語に巧妙さがなくてキャラに頼り過ぎな感じで。キャラクターはみんな個性的で確かに面白いんだけど。主人公の龍火(演/富大龍)は軍人なのに意外な商才を開花させてしまい常識破りの商戦術で人々を翻弄していく。もう一人の主人公の柯澤(演/陳昭榮)は常に微笑みを湛えてる潔癖な優等生で、世の平和という理想のために全力を尽くすまっすぐ過ぎる男。ヒロインの叶心(演/王珂)は共産党員ではあるけどその事を絶対に知られてはならないと鉄壁のガードを誇るキャリアウーマン。男性に対しても鉄壁のガード。その強さと美しさに惹かれる柯澤は彼女が龍火と仲良く(仕事上だけど)してるのがちょっと気に食わない、というようなプチロマンスも匂わせつつ。
物語を意味なくひっかきまわす世間知らずのお嬢ちゃん何雲音、男に負けないと非常にプライド高くそして実際優秀な女軍人の李宜、絵に描いたような汚職公務員の劉明礼、孫二、楚南岭とか、キャラがはっきりしててとても現代劇らしい。
・・・が、あまりに物語がかったるくて、頑張って14話まで見たけどリタイア。
この後どうなるの?っていう期待が毎度ないんだもんなぁ。


YOUKU
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長いものに巻かれろ
熊本大地震について、新华网の掲載記事。
http://news.xinhuanet.com/world/2016-04/16/c_1118641870.htm

対訳には間違いがあるかもしれません。


『記者手記:熊本県が再び大地震に見舞われる 避難所は不安を抱えた人で一杯』

 新華社日本熊本市から4月16日報告(記者/劉秀玲、馬峥)。日本の熊本県で16日未明に発生した(マグニチュード)7.3の地震で、現在17人が死亡。当日の朝に、新華社記者(=私)はさらに大きな被害を受けた熊本市益城町を再び訪れた。14日と16日の二度の大地震によって、この地域の道路と家屋の損傷具合はさらに酷くなり、物資の供給も不足している。
 14日に熊本県では(マグニチュード)6.5の地震が起こった。9人が地震で亡くなり、950人が負傷した。この地震の後に私はここに取材に訪れた。二日の内にまさか再び大地震が起こるとは思いもよらなかった。日本の気象庁は、16日の地震が近日の一連の地震の本震だったと発表した。
 前日の夜は益城町近くでは(宿泊できる)ホテルが見つからなかったため、記者一行(=私達)は15日の夜は数十km離れた阿蘇火山付近に宿泊した。16日朝、記者が知ったのは、益城町へ向かう道路の多くが未明の地震でひどく損傷して通れなくなっており、道路には大量の凹凸や亀裂が走っていることだった。


 すぐに私は山路へ回り道して行くことにしたが、道の到る所で滑落してきた巨石が転がっており、山肌には亀裂ができていた。
 益城町に入ると、昨日は部分的な損傷だった家屋が新たな地震を受けて既に基礎から倒壊して、建材(がれき)と一緒くたに散乱しており、辺りでは救急車のサイレンがひっきりなしに鳴り響いていた。余震が続いているため、地震警報が頻繁に人々の携帯電話から鳴り、緊張を走らせている。
 (市民の一人)堺さんという方が言うには、16日未明の地震は14日のよりも強烈で、彼はもうこの二日間一睡もできず、家の外で毛布にくるまって夜を過ごしているという。彼の家は二階建ての一棟で、倒壊はしていないものの、部屋はすっかり傾き、とても居られる状態ではない。


 益城町の多くの商店やホテルは既に営業停止しており、被害が少なかった(ため営業している)コンビニが市民の命綱となっているが、店内の商品は既にいくつも残っておらず、とりわけ食品と水は売り切れている。どこのガソリンスタンドでも給油を待つ車が長い列を作っている。
 益城町の総合体育館は地震後この辺りの避難所となっており、道路は通れないため私は歩いて取材へ行くしかなかった。避難所には既に約700人が避難しておりほぼ満杯で、多くが高齢者や、妊婦と子供だ。人々は疲れ切った様子でテレビや新聞の報道を見つめて、ある人は忙しそうに電話で親しい友人と状況を確認しあっている。


 正午近くに、避難所に(自治体の)職員が現れ食べ物と水を配布した。
 また、記者が15日夜に泊まったホテルも地震で被害を受けたが、多くの韓国と中国の観光客がすぐに(自分たちがここにいて、無事であることを故郷に伝えるため?)連絡を取り合っていた。阿蘇駅で会った6人の中国人留学生は私にこう言った。彼らが泊まった宿舎の後方の山では山崩れが起こっていて、屋内の安全が脅かされていたと。
 日本福岡の中国総領館によると、現地時間16日午前10時の段階で、総領館には当日未明の地震で中国国民の死傷者の報告は届いていないとのこと。総領館は引き続き現地の留学生会や華僑華人社団などと緊密に連絡を取り合い、新しい情報を収集していくとしている。




長いものに巻かれろ
前回動物園しか回れなかった東山動植物園に早くもリトライしてきました。

今回は植物園目当てなので星が丘の入口から入場。駅からまっすぐで直線距離にするとスグなのですが、急勾配!!入口までで既に息が…(^▽^;)


お花畑はチューリップ。


桜の丘はもうだいぶ葉桜で、おそらく先週は見事だったのではないかと思います。


でもいろんな種類の桜があるので満開の木も。お花見してる人が大勢いました。(植物園でブルーシート敷いて花見していいんだね…ちょっと衝撃の光景だったよ…。)


個人的にすごくおもしろかったのが温室。広いし、小部屋ごとにテーマを絞って展示してるのがいいな。とにかくものすごい種類の植物が。そしてこれだけの熱帯植物があっても無臭で虫がいないのが嬉しい。


園の一番奥にあるこども動物園は、ふれあい牧場みたいなものでした。ペット動物や家畜とふれあえます。植物園の静寂から一転しておもちゃ箱をひっくりかえしたようなこの喧騒(°д°;)


日本庭園エリアは花はほとんどないけど緑と建築物の取り合わせがとても絵になる、写真撮影にピッタリの場所。


かやぶきの家ではハーモニカ演奏のイベントをやっていて人だかりができてました。

地図を見て予想はしていたけど、広くて傾斜はあるしひたすら歩いて歩いて歩き倒す植物園。でもとてもよく整備されていてほとんどの道が車椅子やベビーカーでも通れるようになってるし、静かで小鳥のさえずりしか聞こえない癒しの空間。なんといっても山の雰囲気を壊さないように様々な植物を植えているそのバリエーションの豊かさに驚きでした。もちろん季節じゃない植物も多かったので花の咲いてない枝だけのエリアも多かったですが、つまりはいつ行っても何らか楽しめる展示になってるということ。これは何度でも行きたいなぁ。お子様にはつまらないかもしれないからお子様は動物園行ってもらって…。
あ、欠点が一つ。広すぎて迷子になる。地図持っててもどっちがどっちだか…遭難注意(^▽^;)

こちらで厳選した40枚の写真を公開。使用カメラはNikon J2。全てAF。トリミング、サイズ縮小、プライバシー保護目的で一部加工してます。


東山動植物園
市営地下鉄東山線、東山公園駅下車すぐ。植物園へは星ヶ丘駅から。



長いものに巻かれろ

しつこくフー・ダーロン(富大龍)主演のスパイもの。

「密戦峨眉」(2012年 監督/王忠偉 主演/富大龍)
全35話

※日本語版はありません。

――1930年代、国民党政権の中華民国は大日本帝国の侵略を受け、政府の力を疑問視する人々は地下組織(共産党)を結成し政権奪取を目論んでいた。
重慶の地下組織の一員の叶釗は組織の命令で峨眉山へ。日本の侵略に備え北京にあった清王朝時代の遺物宝物がひそかに峨眉山の大佛寺へと運び込まれている。組織の情報では日本がこの宝を狙っているようだ。叶釗は組織が捕えた日本のスパイである考古学者・張金石になりすまし、彼の仲間らを探り出すため大佛寺へ。大佛寺は軍部の厳重な警備が敷かれていた。厳格な隊長の柳絮飛や美人将校の白玉蘭は叶釗に疑いの視線を投げつける。一方で寺で働く他の考古学者や、峨眉県の沈県長、その娘の小婕はにこやかに歓迎してくれた。
叶釗は張金石の所持品からいくつかの手がかりを発見し、近くの教会の神父が実は日本のスパイであることをつかみ、神父に接触を試みる――

けっこう真面目にサスペンス。今時しぶいな・・・。
でもまぁ一言で片づければ「富大龍が格好良いドラマ」w(^▽^;)
「隋唐演義」ほどのハマリっぷりではないにしろ、普通に格好良い役。外面はヘラヘラしてるけど実は冷徹に仕事をこなす敏腕スパイという設定。意地悪やセクシーな要素はなくてクールな面しかないけど、いやーやっぱイケメンだわぁ。大龍ファンにはおすすめ。あと日本で言えば明治大正な雰囲気なので近代ロマン好きとか、軍服萌えな方にもおすすめします(大龍サマは軍服じゃないよ)。ヒロイン?の小婕は絵に描いたようなバカ娘でイライラしてたまらんけど、真のヒロイン?の白玉蘭は美人過ぎて、こんな軍人おったら士気が乱れてはた迷惑やな思う。軍服も似合うわぁ…いや私別に軍服萌えな人じゃないよ。
個人的には物語後半から出て来る"鳳凰"を演じるダイ・チュンロン(戴春榮)さんがやっぱりステキすぎる。登場時の上品で穏やかな雰囲気から一転、仮面の下の顔が見えるとこなんか、女優さんて改めて凄いなと。纏うオーラが…まるで服を着替えるかのように雰囲気をガラッと変えられるんだなー。そしてお歳は召されてるけどお美しいわ。

話が真面目で二時間サスペンス的な配役(ベテランが多いけど見た目があまり華やかではない)で、なんか高年齢層向けっていうのか…。この堅苦しい物語や演出は若い人にはちょっと向かないなって思う。恋愛模様も生真面目で、視聴率狙ったようなブッ飛びもお色気サービスも一切ないし。
サスペンスとしてはきっちりハラハラするので正統派サスペンス好きにはいいと思う。これ富大龍が主演だからやんわりした印象があるけど普通のイケメンが演ったら実はハードボイルドなのかもしれん。この主人公真っ正直に演るとちょっとクサくてケッて感じ。

なにはともあれ大龍サマがカッコイイ、それに尽きる。(*゚ー゚*)b


YOUKU
広告さえ見れば無料。簡体字字幕。



長いものに巻かれろ