戦神 | あさひのブログ
日本の芸能界を干された小出恵介がこんな所で頑張ってます。

「戦神 ゴッド・オブ・ウォー」(2017年 原題「蕩寇風雲」 監督/陳嘉上 主演/趙文卓)
129分


倭寇を撃退したことで有名な明代の将軍・戚継光の功績を描いた、日本・香港合作歴史アクションもの。

――明代。東南海沿岸部は倭寇に悩まされていた。ある村が倭寇に占領され明軍が奪回を試みるも自然の要塞に阻まれ幾度となく失敗してきた。実はこの倭寇の中には松蒲藩の精鋭が紛れていた…倭国は松蒲藩の武士らを倭寇に偽装して送り込み明国への侵略の足掛かりにしようと図っていたのだ。松蒲藩藩主の若殿も修業のためこの作戦に参加していたが、まっとうな武士が倭寇(=海賊)のような荒くれ者と共闘することに葛藤を抱いていた。

時代の変遷に伴い明軍にも新しい戦い方が必要だと考えていた戚継光の元に知州の胡宗憲がやって来てすぐに倭寇から村を奪回してこいと命じる。戚継光は有無を言わさず現場へと送りこまれた。
戚継光は雨の降った日の翌朝早朝に奇襲を仕掛けた。夜襲はないと油断していた倭寇らに対抗する術はなく、松蒲軍を指揮する熊澤は早々に撤退を命じる。戚継光は追撃させるが松蒲軍の周到な罠により行く手を阻まれまんまと逃げられてしまった――

[ここからネタバレ-----
村の奪回に成功したが、長らく倭寇と戦ってきた兪将軍は彼らがただの海賊ではなく倭国の軍兵が混じっている事を戚継光に告げる。そこへ胡宗憲が近衛兵を率いてやってきて、両将軍が敵と通じて倭寇をわざと逃がしたと弾劾されていると伝える。戚継光は憤るが兪将軍は素直に従い自ら牢へ入った。すぐに彼らは罪を功で帳消しにするということで復職できたが、兪将軍は全ては朝廷の権力争いのせいで、誰かの昇進を常に誰かが妬み陥れようとしており、胡大人はむしろ我々が倭寇と戦えるよううまく立ち回ってくれているのだと戚継光に教える。
戚継光は鉄砲などを駆使する倭寇に対抗するためには新しい軍隊が必須と考え、胡大人が融通してくれた資金を元に新兵を集め今までに研究していた戦法戦術を叩き込んだ。

熊澤は二万の兵を三つに分ける作戦を立てる。寧海を攻めて敵の主戦力を引き付けておきその隙に台州府を攻め、さらに明軍の家族がいる新河を攻めるのだ。圧倒的戦力があるのにわざわざ凝った戦術を練る熊澤に若殿は不審を募らせる。
二万の倭寇が集ってきているという情報に胡宗宪は何かあると警戒するが、しかしこちらが動かねば相手も動くまい、戚継光は自ら鍛えた三千の兵を率いて寧海へ向かい、胡宗憲らは台州を固く防衛し様子を見ることに。

寧海で戚継光は新戦法によって倭寇に大勝した。だが直後に倭寇の別部隊が新河に向かっているとの報せが。兵達は家族を守るために戻ろうと言うが、倭寇の真の狙いが台州と察した戚継光は兵の半分だけを新河へ遣り自らは台州へと向かう。
台州に着いた戚継光の兵は待ち構えていた熊澤の罠にかかり包囲される。戚継光は屋根に上り本陣の場所を探し当て兵士らを誘導する。その動きに気づいた熊澤は戚継光らを大通りへと誘導させる。四方から取り囲まれた戚継光らは必死に盾を構えて身を守るがもはや時間の問題だった…。
その頃念のためと後方の警戒に回された若殿は、浪人衆の頭から藩主の息子ならあんな老人の命令におとなしく従っている必要はないと唆され、戚継光の首をとるため自らの鉄砲隊を率いて大通りへとやってきた。時間をかけて弱らせてから確実に勝利を得ようと思っていた熊澤だが血気はやる若殿を止められないとみて好きにさせる。
鉄砲隊の激しい発砲に辺りはもうもうと煙がたちこめる、そこへ浪人衆が突撃をかけた。だがその時後方から戚継光の新戦法の一つ、大砲隊が現れ浪人衆を一網打尽にした。
大勢の犠牲者を出したがかろうじて台州は守られた。胡宗宪は残った兵をすぐに新河の救援へと遣る。
新河にいる戚継光の妻は避難しろという官吏を無視して村の女らを集め武装させた。女衆とわずかな軍勢で城壁を守るがついに倭寇に突破された。だがその時戚継光の兵がかけつけた…。

新河の倭寇を撃退した戚継光は撤退する熊澤らを追う。倭寇らは急ぎ三つの船に乗り込み海へ逃げようとする。一番手前の船に追いついた戚継光の姿を見た熊澤は若殿に船に乗り逃げるよう促す。若殿は相手との兵力差にかまけて慎重を欠いた己を猛省していると熊澤に陳謝し共に逃げるよう説得するが、熊澤は敗戦の恥を抱えて故国には戻れないとその場に残るのだった。
熊澤は戚継光と一騎打ちする。激しい戦いの末戚継光が熊澤を追い詰め投降を促したが、彼は自ら切腹し息絶えた。(終)
----ここまで]
(※原語で見たので多少誤りがあるかもしれません。)

なんじゃこりゃ。
つまらなくはないしちゃんと最後まで見れるし、アクション迫力あって金掛けてるし、中国映画にありがちな「そんな日本人いねーよ!」ってツッコミ所もなく文化的な面はしっかり考証されててよくできてる。けど、物語がショボすぎません?
主人公がちっとも格好良くないし彼がなぜ凄いのか一寸もわからんかったのだけど。笹の葉生やした槍とか沼地でしか使えないスケートボードとか言うほど役に立ってないし、彼の練兵した新兵とそれまでの兵の違いも日本人にはさっぱり…。(ウィキペディアで調べればああそういう事だったのか、と理解できるけど。)

倭寇役は日本人がやってるおかげで変な日本語もほとんどなく(ただ棒読みの人は多かった)違和感ないけど、とにかく物語が違和感ありまくりでね。最初に倭寇らは明軍のヒネリのない戦術を笑いものにするシーンがあるのだけど、逆に明軍が倭寇を攻める時に彼らのたいしてヒネリもない戦術に対していとも簡単にやられてるし、正直どの口が言うよって…。[ここからネタバレ含む----戚継光は寧海で戦って台州でも死にかけで戦いまくってさらに休まず新河行って戦って、その上倭寇を海まで追撃に行きますか!?----ここまで] 無理すぎるよなぁ物語的に。
戚継光と奥さんのやりとりも何かドラマティックなオチがあるのかと思いきや何も無く、単に戚継光が恐妻家だったって事実を描きたかっただけっぽいし、途中で死んだ文人らしい白い着物の青年になんでそんなわんわん泣くのかも意味不明だったし。

主人公はいわゆるイケメンではないしなんでこの人が抜擢されたのか…多分中国武術ができるからじゃないかと思う…アクションは確かに格好良い。序盤の兪将軍役・サモ・ハン・キンポー(洪金宝)との棒術での手合わせも見ごたえあり。
でも圧倒的に、敵役の熊澤を演じる倉田保昭が光り過ぎてる!!いわゆる世界が大好きな日本のサムライ像にちょい悪オヤジテイストも入って、とぉーにかく格好良いのだ!悪役だけど悪に見えないジャパニーズBUSHIDOを体現。
なお小出恵介は松蒲藩藩主の若殿(山川という役名)で、共闘する浪人衆が女を強姦する様を見て憤るという、日本人的にはまたどの口が言うよって、ねえ?