墨攻 | あさひのブログ
「墨攻」(2006年 監督/張之亮 主演/劉徳華)
113分
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原作は日本の作家・酒見賢一の同名小説を元にした日本の同名漫画(作/森秀樹)。元々「墨守」という、墨子が宋国を楚軍の攻撃から九度守ったという逸話があり、墨家の守りに対して今度は攻めを見せるという意味合いなのだろうか。

墨家とは元々は人類友和を主張する墨子の教えを信仰する人の事だがやがて独自のコミュニティを形成し自衛するために武術を身に着けるようになったようで、中国の伝奇もの任侠ものでは暗殺集団や秘密結社として登場することが多い。

――戦国時代。趙国は燕国に侵攻するため先ずその間に位置する梁国へと攻め込む。梁王は墨家に助けを求める。ところが墨家からやって来たのは革離という男一人だけだった。だが彼は攻めて来た趙国の兵の将軍をたった一本の矢を射て驚かせ、見事軍を撤退させた。梁王は革離に国の兵権を預け再度やって来るであろう趙軍を退けよと命じる――

[ここからネタバレ------
趙軍が攻めてきた。革離は糞尿を利用して硫黄ガスを発生させ城外に撒き、城門の内側に罠を仕掛け突入して来た趙軍を油爆弾で一網打尽にする。
梁の百姓らが趙軍に捕まってしまった。彼らは妻や子供を人質に取られスパイとなることを強要され男が梁城へと帰された。百姓の男は家族に会いたいがため革離を殺そうとする。毒を塗った短剣を手に革離に近づき切りかかった。だが革離は躱し、戦う事に慣れていない百姓の男は誤って自らを傷つけてしまい毒が回って死んでしまった。

梁の将軍の娘・逸悦は梁を救ってくれた革離に好意を抱き新しい靴や食べ物を贈るが、革離は墨家は他人から施しは受けないと固辞する。
革離は単身偵察に出向くがそれに気づいた逸悦がついてきた。仕方なく彼女を連れて趙軍の動向を探る。趙軍は密かにトンネルを掘り梁城内に侵入しようと図っていた。
趙軍は闇に紛れてトンネルを通り梁城内へ。ところが待ち構えていた革離と梁軍に取り囲まれ矢の雨を浴びトンネルには火が投げ込まれた。趙兵の悲鳴が響き渡る。防衛のための戦はいつしか虐殺の様相を呈していた…。

斉国が趙国を攻める動きを見せたため趙軍は急ぎ引き返し始めたとの報せ。大臣らはすぐに革離から兵権を取り戻すべきだと梁王に進言する。彼らは革離が城内の百姓らの信頼を一心に集めていることを危惧していた。革離を王に祭り上げて謀叛を起こす可能性がある…。
革離は趙軍と通じていたと弾劾される。革離は彼を敬愛する梁公子の手助けでなんとか城外へ脱出した。だが梁軍は非情にも矢を放つ…梁公子は幾本もの矢を受けて死亡した。革離を擁護する兵士らは皆捕えられ処刑された。逸悦は公衆の面前で梁王を罵倒したため憤慨した梁王は逸悦に死刑を言い渡す。
その夜、かがり火が灯される中で逸悦の処刑が執り行われようとしていた。だがその時突然空から火の矢が飛んできた!なんと撤退したと思われていた趙軍が闇に紛れて気球を飛ばしそこから矢の雨を浴びせて来たのだ。不意打ちに混乱を来した兵らは逃げ出す。趙軍は城を制圧し梁王は投降した。趙将軍は革離が既に城を離れたと知り、戻って来なければ梁国民全員を殺すと広報させる。
革離は城から離れたところで逃げてきた梁軍の弓兵隊と共にいた。梁民を救うため革離は城へ戻る決意を固める。

革離は単騎で梁城へと戻って来た。そして趙の将軍に、もう勝ったのだからわざわざ自分を殺す必要があろうかと説く。そして趙の将軍と1対1で話し合うことに。だが実はそれは時間稼ぎで以前の地下トンネルを利用して水脈を掘り当て、城内に水を引き込んだ。さらに弓兵隊や百姓らが外から一気に攻め込む。将軍の指揮のない趙軍は乱れ逃げ出し、将軍は負けを悟る。
革離はすぐに逸悦を探す。彼女は牢の柱に繋がれていたが水が流れ込んですっかり水没している。革離は潜ってやっと逸悦の体を抱きかかえたが、彼女が息を吹き返すことはなかった。
梁軍らは趙軍を追い払ったと歓声をあげ梁王万歳を唱える。

革離はこの戦で親を失った子供の手を引いて城を後にするのだった。(終)
-----ここまで]

なんとアイドル映画だった…。若いアンディ・ラウ(劉徳華)がカッコイイのはわかるんだけど。いやイケメンはどうせ何をしてもカッコイイんだけど。うん、カッコイイなぁー。(*´Д`*)

中国大陸で最初に上映されたみたいたけど監督は香港人だし中身も香港映画くさい。物語はいかにも漫画らしくスーパー主人公が大活躍するアクションものの色が濃く、戦争ものとして見るとちょっと安っぽい。あまりにも政治駆け引きが下手というのか幼稚すぎるというのか、こんな王様は寓話の中にしかいねぇ!(´Д`;)
さらに主人公の革離が奇策で大軍を追い払うというのをやりたいのだろうけどこれがまた下策なのがどうかと…はっきり言って革離のアイディアが凄いのではなく運が良かっただけ。籠城戦でわざと城に入らせてやっつけるっていうのは最後の手段であって最初に使う手ではない、侵入させる前に潰さなきゃ!ましてや百姓らを避難させずに前線に出してる時点でダメすぎ。この時代の百姓って国王に対して忠誠心があるわけじゃないから前線に出すなんてことしたら逃げちゃうよ。民は財産。
革離が博愛主義の墨家なので兵士が沢山死んでいくさまを見て虚しさや怒りを感じるっていう展開も、いやいや敵が大量死すること想定した罠作っておいてどの口が言うよ!ってツッコミ所満載。安いわぁ…。
ま、それもイケメンだから許されるってか。

にしても、城攻めにしては規模がこぢんまりとしてる気が。中国の城っていうのは日本で言えば平安京みたいなもので、王様の宮殿も大臣の住まいも商店街もみんなまとめてぐるっと壁で取り囲んでしまってる一つの都市なんだけど、この映画で描かれているのは日本のお城みたいに王様の宮殿プラスアルファ程度しかなさそう。これは原作が日本人だからなのかな…。