藤城清治展 #2 | あさひのブログ
大阪文化館天保山で開催されている藤城清治展へ行ってきました。

日本を代表する影絵作家、藤城清治氏。御年92歳!未だ現役バリバリで、この展覧会のために制作された巨大な作品が何点も。大型の作品が多く、二年前に同所で開催された時には間に合わず下絵のみの披露となってた大阪の風景を描いた巨大作品も展示されてます。

和紙かパラフィン紙かわからないけど薄い紙を何枚も幾重にも重ねて微妙なグラデーションや陰影を浮かび上がらせる影絵という手法。思わず近寄ってどういう仕組みになってるのか目を凝らしてしまう驚きの手法がひとつひとつの作品に詰まってます。一枚絵では表現できない立体造形としての芸術品が並んでます。
影絵なので全て後ろから明かりで照らしてるわけだけど、その光源もどういう風になってるのか…絵の裏側、絵の奥が気になって仕方ない。作品の中に描かれる太陽はいつもオレンジ色で煌々としていてるけどこれは太陽の部分に特別に光源を当てているのか、それとも眩しく輝いているかのように描いている、こちらの錯覚なのか…。
絵の裏側といえば、今回デッサン等を展示している小スペースの窓に二点のキャラクターが建物の外から見えるように展示されてました。つまり「絵の裏側」が垣間見られたわけです。影の部分になる黒い厚紙にカラーフィルムが貼り付けられ、その何枚かの厚紙は針金やホッチキスのようなもので留められていて、補助的にタコ糸のようなもので固定されていて。まじまじと眺めてしまいました。(ただしこれがご本人の作品かは不明です。もしかしたら当展のために企画制作者がまねて作った「飾り」かもしれません。)

今回も大型展示として「海に沈んだピアノ」という8分の短編を上映。スクリーンの背後にはいくつかのカラクリが設置してあり影と光をスクリーンにリアルタイムに映し出します。ただ残念ながらすべてがリアルタイムではなく大筋はあらかじめ撮影編集されているビデオで、その映像にいくつかの影をリアルタイムに重ねるという形。
映像の方は一瞬CGかと見紛うけど、やろうと思えば全てリアルタイムで可能な手法でできてます。

氏の展示即売会でよく見られるようなメルヘンで愛に溢れた作品ももちろん素敵だけど、意外にもデフォルメされてない写実的なタッチのものもあって幅広いなぁと感じました。
今回はけっこうテーマ別の展示になっていて、絵本の物語以外にも音楽が世界を救った話、聖書の物語、日本の伝統文化や仏教という風に様々なジャンルに取り組んでおられる様子がよくわかりました。自分の興味あるものだけではなく依頼者(クライアント)の要求に応えつつ自分の世界を開拓していくという姿が、まさにプロ中のプロ!常に外の世界に向けて扉を開けていて来るもの拒まずなんですね。

今回の展覧会のために制作されポスターにもなっている「空とぶ楽園」。少女が猫ちゃんを抱えて跳んでいる絵ですが、彼女の水玉のチュニックの下の部分、

ぜひ実作品を前にしたらここ目を凝らして見てください。水玉部分に張り付けられたカラーフィルムの端っこに変な機械的印字が残ってるんです。氏の作品には英字新聞などプリントされた素材を意図的に使用してるものもありますが、これはちょっと、意図的とは思い難いw うっかりかな?(^▽^;)
とにかく実作品は写真で見るのとは全く風情が異なるので、ぜひ立体作品だと思って見に行っていただきたいです。


藤城清治 光の楽園展
3/17(金)-5/28(日) 大阪文化館・天保山

大阪文化館・天保山
海遊館のすぐ南隣。旧サントリーミュージアムです。