ざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。
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[第一集]
夜更けに浙江の余杭県に辿りついた算命術士らしき男(※まだ名は明かされてないけど便宜上「権吉」とします。)は、こんな夜中に花嫁衣裳を着た女が慌てた様子で走り去っていくのを見かける。女は途中で一人の男と会い一緒に走っていくが、夜回りの警官に見つかった。二人を補導しようとする警官に、権吉は彼らが自分の親戚で今から宿へ行くところだと釈明して二人を助けた。
男は楊林、女は柳玉妹という名だ。権吉は彼らと宿に泊まるが、夜中に彼らはなにかごそごそやっている様子。
県内で殺人事件が起こったと聞いた知県(知事)の範自高はすぐさま捜査に乗り出す。
殺されたのは東渡村の陶家の息子。結婚初夜に部屋で口から血を流して倒れているのが発見された。机上に残されていた酒杯に毒が混ぜられていたようだ。範自高はすぐに行方をくらましている花嫁を探させる。
沢山の本を担いで歩いている少年。街のならず者らが彼をからかって本を取り上げるが、通りすがりの青年(※男装の麗人)がならず者を残らず張り倒して助けてくれた。少年は礼を言うが青年は無関心に去って行った。
少年は主人の命令で衙門(裁判所)にやってきたのだが門番に馬鹿にされ追い返された。
警察が怪しい若い女を探して宿にやってくる。柳玉妹と楊林は有無を言わさず捕えられ、それを見て警官に声をかけた権吉もまとめて連行された。
権吉らは牢に入れられる。牢内には105人もの冤罪で捕えられた男たちが。範自高は捜査も適当に人を捕まえては、適当な罪状をつけて罰するようで、お前も無実だろうが何かしらの罪をきせられるさと囚人たちから笑われた。
範自高がやってきて、殺人事件の真相を吐けと楊林を拷問する。見かねた柳玉妹が全ては自分の責任だと白状し、裁判の場へと連行される。権吉は自分も彼らと関わりがあると言って一緒に裁判所へ。
[第二集]
柳玉妹は涙ながらに真相を語る。陶家に無理やり嫁がされた玉妹は婚姻の夜、運命に絶望して自殺するため隠し持っていたヒ素を酒に混ぜて飲み干そうとした。だが酔っぱらった新郎が杯を奪って飲んでしまった。新郎は苦しみ家具に頭をぶつけ泡を吹いて倒れ、そして死亡したと。
だが範自高は彼女が罪を逃れようと嘘をついていると突きつける。真相は、柳玉妹の恋人の楊林が彼女を陶家に嫁入りさせたくがないために彼女にヒ素を渡し、新郎を殺害したのだと。証人として薬商を呼ぶ。薬商は確かに楊林がヒ素を買いにきたと帳簿を見せる。楊林はヒ素は結ばれない自分たちが心中するために買ったのだと言うが、範自高は聞く耳を持たない。
これにて一件落着と、範自高は自信満々鼻高々だ。そして名捜査名裁判官の自分が尊敬する人はたった二人、一人は錦衣衛(皇帝直下の軍団)指揮使(長官)の紀綱、もう一人は"鉄面御史"(御史は監察官のこと)の異名を持つ周新だと語る。情にほだされることなく正確な捜査と判決を言い渡す周新は官僚の理想像だと言う。
柳玉妹と楊林は連行され、範自高は閉廷を告げるがそれを権吉が止める。まだ自分の裁判が終わっていないと。自分は何も悪い事をしてないのに牢に入れられる理由がないと言うが、範自高は馬鹿にされたと怒る。そして鞭打ちの刑を命じるが、権吉から刑を受ける根拠となる法令を示せと言われて刑を撤回。すると今度は裁判所で安易に命令を撤回するのはいかがなものかと指摘される。そして権吉は先ほどの事件の捜査には不備があると言い出す。そして真相を究明して見せようという権吉の言葉に乗せられて範自高は彼と鞭打ち30回の刑を賭けることに。
[第三集]
権吉を連れて殺人事件の現場に戻ってきた範自高。[ここからネタバレ-------権吉はまず被害者がヒ素中毒だと判定した根拠を訊く。ヒ素中毒者は嘔吐し目鼻耳から出血する、この被害者は頭部は血だらけで嘔吐した跡もあると範知県は自信満々に答える。だが遺体を観察した権吉はこれはヒ素中毒ではないと言う。目鼻耳の血は倒れて頭部を打ち付けた時の血が入ったもの、そしてヒ素中毒の嘔吐は激しく、血の混じった粥状の吐しゃ物が大量に出るはずだと指摘する。ではヒ素中毒でなければ死因を説明して見せろと範自高は言う。権吉は、まず事件当時現場にいた人間が必要だと答える。
事件の夜に夫婦の部屋にやってきて騒いでいた新郎の友人らが集められた。
友人らは部屋にやって来て新婦に酒を飲ませようとしきりに勧めたが新婦は嫌がって飲まなかったため新郎が代わりに飲んだ。酒といっても水でかなり薄めたものだから悪気があったわけじゃないと釈明する。権吉はその薄めた水はどこにあるかと問う。
屋外の水がめの横には雷公藤の根が入った壺があった。陶公が虫除けなどに使うために置いておいたものだ。雷公藤は強い毒性を持ち、その毒を飲むと出血も嘔吐もなく息絶える…被害者は友人らが持ってきた酒壺の酒を飲んで雷公藤の中毒で死んだのだ。-------ここまで]
陶家の新郎は事故死だった。柳玉妹と楊林は無実で釈放された。だが範自高は賭けに敗けた事を認めたくない。難癖つけて権吉に鞭打ちを命じる。刑吏が彼を捕えるが懐に何かを隠し持っているのに気づく。なんとそれは浙江按察使の印鑑。範自高は権吉が官印を盗んだのだろうとさらに鞭打ちを加えようとするが、そこへ少年が駆けこんできた。少年は皆の前で聖旨(皇帝直々の命令書)を読み上げる。御史の周新を新たに浙江按察使に任ずる、と。権吉とは仮の名、彼こそが"鉄面御史"、周新だったのだ。範自高は真っ青になって平伏する。
周新はまず範自高のいい加減な捜査と裁判で牢に入れられている囚人を再審することに。
胡大漢という男は殺人罪で囚われていた。彼は何もしていないと主張する。だが範自高は彼がいかつい人相だというだけで殺人者だと決めつけ、拷問で調書を作ったというのだ。
周新はまず胡大漢を捕えた者を呼ぶことに。彼を捕まえたのは頼小手というスリで、罪人だが殺人者を捕まえたことで自らの罪は帳消しになったらしい。

[A] 権吉(周新)
算命術士の権吉と名乗るがその正体は高位官僚である按察使。官吏の不正を暴く敏腕監察官。
権はquánと発音し、圏quán(取り囲むの意)と同音。吉を囲んでいる字はすなわち「周」である。[犯人度☆☆☆☆☆ いや主人公だし。]
[B] 柳玉妹
陶家に嫁いだ娘。[犯人度★★★★★ 明らか殺ってるでしょ。]
[C] 楊林
柳玉妹の恋人。[犯人度★★★★★ 共犯確実、黒幕の可能性も。]
[D] 範自高
余杭県の知県(知事)。おだてに弱く自惚れ深い。この時代の知事は検察も裁判官もやってしまう。要するに知事の思いのままである。[犯人度★☆☆☆☆ 善人じゃないけど小物過ぎ。]
[E] 小榔頭
周新に仕える小姓。榔頭は金づちの事。トンカチ君というニュアンス。[犯人度☆☆☆☆☆ 助手役でしょ?]
※「犯人度」は、二時間サスペンスなどで登場時の印象で「あーこいつ犯人だな」とわかってしまうような怪しさの度合いですw
あくまで私が見た時の最初の印象で、実際に犯人とは限りません。
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…なんかちょっとこれはミステリとしてはどうだろう?というオチだった。大丈夫か?( ̄□ ̄;)
そしてサスペンスぽく感じるのは演出がホラーだからかな。画面暗いし音楽コワイし血みどろだし。一方では範自高がコメディすぎてかわいい。この人助手にすれば「古畑任三郎」みたいになって楽しいのにな。
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