ドラマでお勉強-大秦帝国(第一部)#1 | あさひのブログ
「大秦帝国(第一部/黒色裂変)」第一集、冒頭から。

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2700年より前のこと、中国のこの地は血気盛んな者が進入し皆が争う戦乱の世。これぞまさに中国文明が生みだした戦国時代。長い歳月にわたる、金属製の矛や武装した馬で支配した、英雄のロマン溢れる時代。(その時代が)我々に残してくれたのは古い歴史の傷跡と輝き、そしてまた大いなる夢である。
    [少梁 今の黄河龍門あたり]
我々の物語はここから始まる。

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衛鞅(エイ・オウ)は先程まで戦が行われていた戦場の跡を視察する。そこへ魏の丞相で衛オウの師である公叔座がやってきた。

「先生、ご挨拶致します。」
「オウよ、半日(現場を)見てきて、何か想う所があるか。」
「勇ましく戦死を遂げる者が、この世からなくなっていかない(※1)。」
「そうだな。我が軍の将士は全力で命がけで戦った、老夫(わたくし)も心中忍びない。」
「いいえ、私が言っているのは秦人のことです。」
「秦人?」
「先生、私は秦軍の死体を一通り調べましたが、致命傷はみな前胸にありました。彼らはこの世で最もすぐれた鉄甲方陣に対して、激しい弓矢の雨に瞼が瞬きをしようとせずとも次々と突進し、振り返ることなく死んだのです。(弓矢の雨が降って来ると分かっていても決して逃げようとはせず突進してきた。)」
「窮した国が絶望的な状況に、懸命になったにすぎない。」
「魏軍と戦ったのは秦軍ではありません、秦国であり、秦人です。」
「衛オウ、魏国で出世したいと思うなら、話(言葉)に気を付けなさい。」
「わかりました。」
「幕府(※2)に将軍を召集している。行くぞ。」

※1 降服や逃亡せずに戦い戦死する者が後を絶たない。日本語字幕は「勇士たちを失い、実に残念です」となっている。
※2 戦場における指揮官の天幕。本営。



    [魏軍幕府にて]
 公叔座は将を集め今後の策を協議する。
「今日の初戦では、我が軍は魏武卒方陣(※)で出動したが、死者200万人、重傷者は1万余り、軽傷者となると数え切れぬ。このような戦況では我が軍が勝利するのは難しい。どのような戦法をとれば勝てるか、皆で協議してくれ。」
「報告します。援軍の主将、卬(ゴウ)公子が到着されました。」
 魏王の弟のゴウ公子がやってくる。
「皆の者、援軍がこの度やって来たのは、我が王が丞相の敗戦の報せを聞いたからではない。本公子(わたし)が10日前に王に(頼んで)許可を頂き特別に6万の精鋭を率いて夜通しで支援にやってきたのだ。」
「我が軍がどうして負けたなどと、公子よご説明いただきたい。」
「初戦に勝てぬは負け、秦国が滅びぬは負け(も同然だ)。皆の者よく聞くがいい、初戦の如何に関わらず、秦国が滅んでおらぬゆえに王は援軍を出すのだ(秦国が亡びさえすれば王は援軍を出す必要はないのだ)。原因(理由)はただ一つ、少梁で勝利した後は一気呵成に関中へ攻め下り、秦人を隴西の荒れ山へ追い返すのだ。この話は(→つまり)、大いなる魏の精鋭兵に敗軍の師はおらず、魏王の麾下に敗軍の将はおらぬということ(→負けるような軍師や将軍は不要だ)。この戦局はただ一つ、すなわち魏が勝利し秦国が滅亡するのみだ。このような雄心がないというのなら、早いこと鎧兜を脱ぐのだな。」

※魏の名将・呉起が考案したという陣形。魏の得意とする戦法。


「公子は勇ましい心をお持ちですな、ではこの戦はどのような手を打てばよろしいかお聞きいたしましょう。」
「もし統率権があれば、わたしには勝算がある。」
「公子がもし敵を滅して功を立てられる(策を持っている)のなら、(兵に)号令をかけることに何の妨げがあろうか(→公子に軍令を出していただこう)。中軍司馬、兵符を渡せ。」
「冗談ではない、こんな(指揮官の)交代は誰も見たことがない!」
「丞相様お考え直し下さい。」
「公子は(人が驚くほどの)勇ましい心を持ち、勝算があるというのだ。皆も安心するがいい。」
「丞相様、この兵符は玩具ではありません、お戯れを。」
「龍賈よ、お前は暗にわたしを罵っているのか?」


「在下(わたくし)にこの問題を解決する策がございます。」
「衛オウよ、言ってみなさい。」
「戦場の情勢からいえば、秦と魏の両軍の力は拮抗しております。魏軍は戦力において強く、秦国は戦う心力において強い。この戦は、勝敗(を見極めるの)は難しく、或る者が言うには秦国の勝算がより大きいとも。しかし戦ではなく国力でいえば、秦と魏の両国(の差)は極めて大きい。(国の)強弱(優劣)は一日一語では言えません。秦国は連年苦戦し国力は消耗しほぼ尽きている、軍糧は支給されず兵器は老朽している、長くは戦えまい、ただそれだけのことです。この衛オウの策はこの四文字、"秋守春戦(秋は守り春に攻める)"です。」
「つまり戦わないというのか、ばかげた話だ。」


    [秦軍天幕にて]
「秦人の復讐はまさにこの戦いにおいて行われる。」
「勇ましき我等秦人、共に国難に立ち向かおう!!(※)
「今日の初戦はほんの小手調べだ。全勝はしなかったが、奴らの二万人以上を倒した。これは力づくの横暴なふるまいをする魏の兵士どもの出鼻をおおいに挫いた。明日の決戦で魏軍に大勝するために、本公(わたし)は命ずる。公子虔を前軍大将に任ずる、精鋭を選りすぐった六万の騎兵を率い、魏武卒方陣に真っ直ぐぶつかれ。」
「はっ!」
「次公子渠梁(キョリョウ)、一万の軽騎兵と二万の歩兵を率い、全軍の糧秣配備を保持し、合わせて戦場での負傷者の救出に当たれ。子岸は飛騎(遊撃隊)大将に任ずる、三万の兵を統べ、状況に応じて逃亡する敵を追って倒せ。」
「はっ!」
「本公は自ら八万の歩騎兵の主力を率い、正面で魏軍の騎兵を取り囲んで倒す。…キョリョウはどこだ?」
「申し上げます、次公子は糧秣馬草の手配に行ってます、じきに戻って来るでしょう。」
「(将軍への)命令は変更せぬ。諸君は別の用件がなければ、明日の決戦の準備だ!」

※秦人の合言葉のようになっていて、この掛け声は何度も出てくる。jiu1 jiu1 lao3 qin2 / gong4 fu4 guo2 nan2

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本当に最初から訳してみた。
最初の頃は公叔座と献公がキャラかぶっててどっちのハナシだっけ?になったものだ。主人公のキョリョウはまだ出てこない…いうかさりげなく出てくるので注意が必要だw


→インデックス


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