- 17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義/松岡 正剛
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時には「17歳的弱さ」で頭をやりなおしてみる
日本屈指の博覧強記ぶりで知られる松岡正剛の切れ味をぎゅっと凝縮した一冊である。全5回の講義という構成、口語スタイルなので、初めて松岡正剛の本と読むという読者にも読みやすく。わかりやすい。文化や文明、神話や宗教、ヨーロッパと日本・・・時間・空間を縦横無尽に飛び越えて、人間文化全体を遊びまわる。事象と事象がトリッキーに結びついて、我が身まで情報の海にとろけていってしまう。「セイゴオ体験」を存分に愉しめる。「大人も時々17歳の精神を取り戻せ」、とセイゴオ先生は挑発する。
- 十九歳の地図 (河出文庫 102B)/中上 健次
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未熟さからの大いなる一撃
ある新聞配達少年のあてなき彷徨、呪詛と憎悪の淵からこみあがる哀しみを、地図帳という意表をつく道具立てで描く。新聞配達という日常の中で大なり小なり少年の心に忌々しい印象を残した家は、地図帳の上で、少年に×印をつけられる。帳面には×がどんどん増えていき、そしていつしか少年は町の抱える痛みと渾然一体となっていく。ちなみに、『17歳のための世界と日本の見方』では、「×」とは、木登りするタテ向きの手の動き=ブラキエーションを超えて、人類が初めて何らかの意図をもって描き出した史上初のシンボルなのではないかと仮定される。表題作の他、処女作なども含む中上健次の初期衝動、傑作短編集である。
FROM:alluxe (フリーマガジン)