第4回の、JAZZ・・・こんな1枚は、ソウルフルなジャズ・ギター奏者、「グラント・グリーン」です。
アルバムは、「アイドル・モーメンツ」といいます。

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グラント・グリーンは1935年6月生まれ。オーソドックスなビ・バップから、モード・ジャズ、そしてジャズ・ファンクに至るまで、さまざまなジャンルで活躍しました。
同時代を代表するギタリスト、ウェス・モンゴメリーが、コード・ソロ、オクターヴ奏法を多用したのと対照的に、シングル・ノート(単音)を主体にしたプレイスタイルでした。

パーソネルは
グラント・グリーン(g)
ジョー・ヘンダーソン(ts)
デューク・ピアソン(p)
ボビー・ハッチャーソン(vib)
ボブ・クランショウ(b)
アル・ヘアウッド(ds)

曲目は
1. Idle Moments
2. Jean De Fleur
3. Django
4. Nomad

1963年11月の録音です。

実は、このアルバムを、このブログ記事の第1回に書く予定でしたが、梅雨が空けずなかなか書く雰囲気になれませんでした。
と言うのも、このアルバムの第1曲目の「アイドル・モーメンツ」は、・・・暑い夏の夕間暮れ、古いアパートの一室で、蚊取り線香から立ち上る白い煙が漂う中、扇風機がおこす生暖かい風を感じながら、ぬるいビールを飲んでいる・・・そんな時間の流れがゆったりとした空間を感じさせ、どことなく日本の歌謡曲を思わせるような響きがあちこちに現れてくるからです。
そんな時期になって書けばいいと思いつつ、いつも梅雨空なので、ついつい遅くなってしまいました。

「アイドル・モーメンツ」この15分にも及ぶような、タイトル曲は、ピアノの「デューク・ピアソン」が書いたものですが、ジャケット写真の深いブルーとブラックが現すように、けだるいテンポで、どっぷりとブルースに浸かっているグラント・グリーンがシングル・ノートで、切々と泣きを綴っています。
全員でテーマを演奏した後、グラント・グリーンのスローななかにもよく響くソロが続き、
デューク・ピアソンのこれまたブルーなピアノ。
「やっと俺の番がきた。」といった感じでぼそぼそっと呟くように美しい音色でテナーを吹くジョー・ヘンダーソン。
そして、カツンカツンと響く、ボビー・ハッチャーソンのバイブ・・・
みんなが、ブルーでゆったりとした時間の流れにまかせているような、哀愁漂う演奏でとても気に入っています。

ジョン・ルイスの曲で、MJQの録音している、3曲めの「ジャンゴ」も美しいトーンで、ソウルな演奏ですが、グラント・グリーンが気分が乗りすぎて予定より長く演奏してしまったとかいう逸話もあったような・・・

デューク・ピアソン、ジョー・ヘンダーソン、ボビー・ハッチャーソンといったジャズ界のその後を駆け抜ける人たちとの異色な共演かもしれません。