第四回 わたしの愛するベーシスト「ステュアート・ゼンダー」 | ブラックミュージック系ロックバンド「Someone」のブログ

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テレキャス×335×スラップベース。ブラックなフィーリングで世界を変えます。札幌。

どうも。ベースのジョイです。
ぼくが「好きなベーシストを1人あげて」と言われたら2時間くらい迷った末にステュアート・ゼンダーを挙げるでしょう。


それくらいぼくが彼のプレイから得たものは多いんです。
初期Jamiroquaiの3作に参加したステュアート・ゼンダー。
この頃のJamiroquaiは即興性の高いグルーヴ音楽でした。
そのJamiroquaiを裏で支えて(操って?)いたのは紛れも無くゼンダーです。


この強烈な後ノリなグルーヴ!!!!
主張を忘れない歌いまくるフレーズ!!!!
とても10代の白人のガキが弾いてるとは思えません!!!!!

元々、電化した後のハービー・ハンコックが好きだったらしく彼自身ポール・ジャクソンに大きく影響されたと語るように、どファンクな「濃い」ベースが特徴的。
執拗な繰り返しフレーズの中でもメロディアスに聴かせるアドリブ性。
左手のグリージィな粘りやニュアンスにコンプを強めにかけた詰まった太い音がいかにもファンキー。


 


 
こちらは初期Jamiroquaiの中でも随一の抒情的な泣きのメロディーがアツい一曲。
ベース弾きとしてはイントロから耳が釘付けになるわけなんですが(笑)
絶妙なビブラートとラウンドな音の色気にうっとりさせられるも、0:15のぬるりとスライドしてからの高速3連フレーズでド肝を抜かれます。
この曲のAメロ自体がベースが主旋をとっているようなもんですがよく歌うフレーズの宝庫。
なかでも2:36からのハイポジションでの必殺泣きメロがアツいですね・・・・・

最後にもう一つ有名なのを。


 


 
圧倒的な手数で16ビート感の強いゴリゴリなファンクチューン。
しかしここで個人的に注目したのはサビのベースライン。
それまでのノリとは打って変わってガラッとスキマが空いている。
それでいてマイナー3度を有効的に使ったアルペジオ風フレーズによってコード感は損なわれないままグルーヴしているのです。

このやんちゃな勢いと時折見せるメロウさにぼくはすっかり魅了されました。
そして何より大切なのがゼンダーのベースは決して完璧じゃないということ。
初期Jamiroquai3作はとにかくジャムる楽しさを尊重しているんです。
多少ズレていたっていいんです。ミスったっていいんです。
それこそがファンクなのです。



今でもゼンダーは若者ベーシストに大人気で彼に憧れる人も少なくないでしょう。
ありえない若さから溢れるカリスマ性とアイディア(ゼンダーはエフェクターの使い方も非常に上手い)。
そしてイケメン。

4枚目のアルバムのレコーディング中にジェイ・ケイとの不仲によって脱退が決まったらしいですが、ファンとしてはゼンダーがそのまま残っていたらどんなアルバムになっていたか気になりますね。


ちなみに今年の初詣で「北海道にJamiroquaiが来ますように」とお願いしました。




来ませんでしたね。