なぜなぜ分析は、とても有名ですよね。
生産技術の現場で問題が起こった時や、目標値に対してのギャップがあるときなどに、その真の原因を掘り下げるための方法です。



実は、なぜなぜ分析は、技術者がさらに広い用途で使うことができる万能ツールなのです。

今日は、あまり知られていない、なぜなぜ分析のとっても便利な使い道を紹介したいと思います。


・関係部署の協力が得られないとき
   問題の解決は多くの場合様々な部署の連携が必要となります。自分以外の部署は、異なるミッションや査定基準を持っています。自分自身の部署にとって有効な解決策でも他部署にとってのメリットはどうか。なぜなぜ分析によってこの点を明確にすることが必要です。

・上司を納得させられないとき
   部署間の問題と同様に、上司は自分自身と異なる立場で業務を行っています。上司にとっての良い問題解決の形は一体なのかを分析してみることが重要です。

・技術レポートがうまくまとまらないき
   データや考察をまとまった文章の形にすることが大変重要です。しかしなかなかまとまらないこともあります。そんな時は、レポートをまとめるのが上手な他の技術者と比べて、どんなことが不足しているのかを分析してみると良いでしょう。

・一生懸命仕事しても技術スキルが身につかないと感じる時
   日々、仕事で問題を解決すると同時に、自分自身のスキルを高めていくことも大変重要です。せっかく仕事をするのですから自分自身の成長につながることを意識したいものです。その視点で仕事から得られることを分析をしてみると、今後の仕事への取り組み方のヒントが見つかることでしょう。

・職場の人間関係がうまくいかないとき
   生産技術に限らず、チームの内部の問題の多くが、人間関係に起因するものです。人間関係がうまくいかない理由はちゃんとあります。その全てを説明できるでしょうか。不明な点があるならば、分析する価値があります。人間の内面に関わることなので複雑な問題ではありますが、それぞれの性格、立場、心理状態、などを考えると、人間関係のメカニズムに気づくことができるかもしれません。



なぜなぜ分析は問題を解決させるための必須のステップといえます。
生産技術の個別課題以外にも、技術者の業務の中で起こる様々な問題の解決に用いることができるツールなのです。


なぜなぜ分析をうまく進めるためのいくつかのコツをお伝えします。

・4Mに分解する
生産技術においては、人、機械、材料、方法の4Mに視点を分けてそれぞれの原因を考えます。4M以外の方法もあります。視点をいくつかのカテゴリーに分解することで、より広く原因を抽出することができます。

・時系列のステップに分解する
出来事にはステップがあります。問題がどのように発生しているかを考えるときに、出来事をステップに分けて、それぞれのステップでどんな原因があるかを考える事も有効です。

・視点を変える
問題は様々な当事者が関連することが多くあり、問題の意味合いや、影響が異なります。自分以外に、上司や部下、チームのメンバー、連携する部署、取引先、顧客・・それぞれの視点でこの問題がどう捉えられるかを考えると、問題の立体構造を見出すことができます。



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