子どもにはどんな物も宝物です。うちの子も「めずらしい色の石」やら「おもしろい形に虫食いされた葉」などを今だに拾っては、絶対に捨てないで、と空き箱に溜め込んでいます。
丸太の男の子だというキュッパも同じように素敵な物を見つけると拾わずにはいられません。そして、家中が宝物に埋め尽くされ、しまうところがなくなったキュッパは町に住むおばあちゃんに助けを求めます。
するとおばあちゃんはこたえました。
「おやおや、そうかい。まえにいしのはくぶつかんにいったのをおぼえているかい?おまえはずいぶんよろこんでいたよね」
「ああ、あそこね」
キュッパはちゃんとおぼえていました。
「たくさんのいしがわかりやすくてんじしてあって、すっごくきれいだった」
するとおばあちゃんがいいました」
「そんなにものがたくさんあるのなら おまえもはくぶつかんをつくってみたらどうだい?」
「わあ、おもしろそう!」
『キュッパのはくぶつかん』の愉快なところは博物館を本当に作ってしまうだけではく、数日後にはすっかり飽きてしまったキュッパは、さっさと閉館させて、今度は図録を作るところです。
物を仕舞うところがない、という現実的な問題に夢をもって解決していく様子はなんとも気持ちよく、楽しい気持ちにしてしてくれます。
最後に、キュッパが宝物を森にの物は森に戻し、まだ使えるものはリサイクルに出すなど、少し前には説教じみて聞こえそうな内容も、さらっと描かれ、今の子どもたちには当たり前のこととして受けいられているのも新しい時代なのだなあ、と感じます。
小学校などの読み聞かせでは、展覧会や美術展の前後に読むと喜ばれます。


宝島 (福音館古典童話シリーズ)
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