今更ながら映画「ボヘミアン・ラプソディ」を大晦日に観た。
周囲の人間や、世間的にも評価が高い感じなので、思い切って行ってみた次第。
映画は伝説のバンド“クイーン”の伝記映画。
個人的にクイーンはリアルタイムで知っているが、すごく好きというほどではなかった。
家にもベスト盤があるくらい。
同時期に日本でブレイクした“KISS”や“ベイシティ・ローラーズ”に関しても同様。
残念ながら生でライブを観たことは無かった。
さて、この映画に関して自分の耳や目に入ってきた評判は、
1、クイーン好きや音楽好きが充分許容できる仕上がりである。
2、純粋に映画作品として楽しめる。
3、Vo.フレディのゲイの部分をしっかり描いている。
というところに集約されていた。
上記1と2の部分は自分でも大丈夫だろうが、3に関してはちょっと懐疑的と言うか、そこを描くことでゲイ支持やゲイ人気を得ようとしてはいないか?と怪しんでいた。
そしていざ観覧。
その前に、今回始めて「IMAX」というシステムで鑑賞。
昨今は様々な上映新システムが普及されており、当初はてっきりメガネかけて立体的に観るシステムかと思ったら違った。(笑)
簡単に言うと、全面の壁が全てスクリーンという特大の画面と通常の映画館の音響システムよりもより多くのスピーカーを駆使し音の面でも臨場感が違うと言うもの。
なので、通常鑑賞額に500円プラスするだけ。(でも2300円も払うんだから結構なもんである。)
で、まず本編前にとても違和感を感じた。
本作の配給及び制作の20世紀FOX社のあの有名なロゴが出るのだが、なんか音が気持ち悪い。
あのファンファーレで「これから始まるぞ!」という高揚感でなく「おいおい、この映画大丈夫かよ?!」と不安にさせてくれるような気持ち悪い打ち込み(?)音が流れた。
この会社、過去にこのファンファーレの著作権を手放して、後にあわてて高額で買い戻すという大失態を犯したのだが、どうも自社の歴史を軽視する傾向にあるようです。
そんな不安を抱きながらスタートした本編は?!
正直に良く出来た作品でした!
2時間40分という長さを途中で中弛みすることなくスピーディーな展開のテンポ感が最大の良さかと。
20世紀~社は、昨今マーベル・コミック原作映画以外はむしろテレビ作品の方が人気であり優秀で(「24」とか「アリーmyラブ」、「プリズン・ブレイク」等)、ひょっとしたらその影響(=テレビのテンポ感)が大きいのか?と観ながら思った。
成功して世界ツアーを行い世界中にその名を轟かすシーンも、各国の各都市名をランダムに出して行く演出なんかは時短と各国でこの映画を観る人達をも喜ばす一石二鳥な演出。
これらがカジュアルにこの作品を観れるように作り上げています。
何よりクイーンを演じた俳優たちががんばってました。
あの超個性のフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックは相当なプレッシャーがあっただろう。
ギターのブライアン・メイ役のルーシー・ボイントンは、最初はあまりそれっぽく見えなかったけど、後半に進むに連れてどんどんブライアンになっていく!
何と言ってもドラムのロジャー・テイラー役のベン・ハーディーはもう最初っからロジャー!
メンバーの中では印象の薄いベースのジョン・ディーコンは、あの「ジュラシック・パーク」の小さい方の子役だったんですね!驚き。
そしてキャストで一番驚いたのはレコード会社のA&R役で古い考えの堅物で“ボヘミアン・ラプソディ”がシングル向きでないと是が非でも却下する人物が、あのマイク・マイヤーズだったなんて!(でもこれはドラマ上の架空の人物だそうで…)
実は、映画見終えてクレジット見て驚いて、座席から尻が滑り落ちた…。(笑)
あー!最初から知っていたら、もっとちゃんと見たのに…。
でも、インパクトはありました、さすが。
実は年末に彼の「オースティン・パワーズ」シリーズを観てまして、「この人、何してんの、今は?!」と思っていただけにビックリ!
余談だが、「オースティン~」と並ぶ彼のおバカ映画「ウェインズ・ワールド」でマイクはこのクイーンの“ボヘミアン・ラプソディ”をヘッドバンギングする馬鹿シーンを演じていたことがあるのだ!(何の因果か!)
また、マイク・マイヤーズ主演新作観たいですー!!
あと、フレディのゲイの葛藤部ですが、当初思っていたよりもあっさり描いていたな、と言う印象。
自分ゲイではないので解りませんが、それがまたゲイにも好印象だったのか?果てまたゲイが見るとまた違う深みがあるのか?
そしてやはり、日本版キャッチコピーに使われている、最後のライブシーン。
これこそ俳優陣の一番の頑張りどころであり、ウェンブリー・スタジアムを埋め尽くす観客の数はさすがここは「映画のレベル」で充分に見応えがある。
ただ、「LIVE AID」と言う一大イベントの参加の1組に過ぎないが、作品中ではなんかクイーンのためのライブみたいに見えちゃうきらいがあるかな?
だったら、その翌年に彼らは自分たちのライブで同会場を埋めてるし、それがフレディ最後のツアーになったので、そっちにした方が良かったのでは?といらぬ老婆心が。
鑑賞前日の夜にネットで座席予約した際には、10人くらいしか予約していなかったのに、いざ当日しかも大晦日の夕方に行ったら前2列以外はほぼ埋まっているほどの観客で、この映画の人気、期待度が伺えました。
そうそう、IMAXは前面が全てスクリーンなので前より後方で観るのがいいでしょうね。
自分は、5列目で観ましたが、やはりもう少し後ろにした方が見易かったと思う。
そのせいだろうか、新年早々“ぐっきり首”です。(苦笑)
この調子だとまだしばらく「ボヘミアン・ラプソディ」は公開中でしょう。
ご興味のある方はどうぞ。