今さらながら、ジョー・コッカー追悼 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

もう1週間も前だが、シンガーのジョー・コッカー氏が他界された。
ジョー・コッカーは英国シェフィールド出身で、ブルースを基盤にしたロックを歌うシンガー。
しゃがれ声がカッコいい!
黒人の声って相当カッコいいと思うのですが、日本人気質がたまに着いて行けないこともあり(苦笑)、そうなると白人のしゃがれ声が比較的スッと入り易いんです。
このジョー・コッカーの他にも、ロッド・スチュワートやドン・ヘンリー、ブライアン・アダムス、ヒューイ・ルイスとかあの辺の声ですわ。
ただご本人、上記のアーティストに較べると、元々ルックスにあまり恵まれていないのと、クスリやアルコールで身体に障害が出たり、等々で、実力以上に渋好みポジションに置かれた感がある。

で、ジョー・コッカーと言うと、世界的には80年早々映画とタイアップした『愛と青春の旅立ち』のあのテーマ曲が真っ先にくるのでしょうね。

当時、私も良くネタの1つでこの彼の独特な腕の動かし方を真似て友人らのウケ狙いのギャグとしてやってました…。

でも、私的にはジョー・コッカーはアルバム『マッド・ドッグス&イングリッシュメン』。
1970年発表の2枚組みライブ盤。
2枚組みでライブ盤というのが70年代ですねー。
実際、このアルバムが成功して彼は一躍名が知れた。
22名もの大所帯バンド(!)でのツアーを行い、アメリカはニューヨークにある数々のロックの名演を繰り広げた「フィルモア・イースト」での模様がこの作品。
MD&E
久しぶりに聴いてみました。
基本的にカバー演奏がほぼ。
いきなりローリング・ストーンズの「ホンキー・トンク・ウーマン」から演奏。
本家ストーンズの演奏に耳馴染んでるのだが、ヤバい!カッコ良すぎ!!
ストーンズの数倍もこっちの方がいいわー!
その後も、ブルース、ソウル、ロックのフィーリングを絶妙にブレンドした演奏で、レナード・コーエンやデイヴ・メイソンの作品をカバー。
そして、このバンドのバンマスであるレオン・ラッセルがデラニー&ボニーに提供した名曲「スーパースター」をコーラス隊の1人の女性がリードヴォーカルで歌う、それがやがて007の主題歌も歌うことになるリタ・クーリッジだ。
そしてこの「スーパースター」は翌年の1971年にカーペンターズがカバーし世界的ヒットとなる。

2枚目に移って、このアルバムの圧巻なポイントとなるブルースのメドレーが始まる。
「ブルー・メドレー」と題し、“アイル・ドラウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ ”~サム&デイヴの“僕のベイビーに何か?”~オーティス・レディングの“アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー・トゥー・ロング”を披露するや拍手や声援が20秒以上も止まない!素晴らしい。
この後もボブ・ディランやビートルズのナンバーが続き、盛り上がっていく。
そして、この後に彼の代表曲となっていく「あの娘のレター」~「デルタ・レディー」でアルバムは幕を閉じる。

持ってる音源が、昔CDが出回ったころに買った輸入盤だからか、20人以上の演奏ながら結構タイトにまとまった収録で10人前後の演奏のような印象を持った。
いいのか、悪いのか、わからないが…。
また参加メンバーも、前述のレオン・ラッセルやリタ・クーリッジのほか、ビートルズ・ファンには馴染みのジム・ケルトナー(Ds)やストーンズ・ファンに馴染みのボビー・キーズ(sax)、クラプトンとのセッションで有名なクリス・ステイントン(key)らが参加している。

でもって、今はオンライン時代!
探したら、このツアーの際の映像が意外とあるんですねー。
「ホンキー・トンク・ウーマン」


「フィーリン・オールライト」


「あの娘のレター」


最後に映像は無く、音源だけですが「ブルー・メドレー」。



ジョー・コッカー、享年70歳。
この方は天国へ行くのではなく、愛したブルースの地であるアメリカの土に帰るというイメージだ。
心からお悔やみ申し上げます。