~~~ミック・ジャガーとスタッフの会話~~~
スタッフ(以下S):明日のセットリストどうする?
ミック・ジャガー(以下M):ああ、新聞の批評を読んだけど、照明が暗すぎるってさ。パトリックは?
S:ロンドンにいる。
M:なんで?
S:モンティ・パイソンのショーだ。
M:やつら、まだ現役?
S:10回公演するらしいが、行きたい?
M:10回も?よくやるぜ。チケット高いんだろ?誰が観に行くんだ?60年代は良かったけどね。
S:初回は40秒で売り切れたそうだ。
M:すごいな。いい年して、若いフリかよ。一番笑える奴はとっくに死んだろ?70年代は最高だったけどさ。もう何度も観たじゃないか。ユーチューブで観ろよ。
S:それで…、明日の曲は?
M:おなじみの「夜をぶっとばせ」から、「一人ぼっちの世界」に進んで、次が「サティスファクション」。
S:「死んだオウム」のコントは?
M:ああ、やるか。

今さらながら、この夏に行なわれた英ギャグ・チーム、モンティ・パイソンの再結成ライブをTV放送したものを観ました!
いやいや最高のイヤミのギャグだ!!(大笑)
上記の会話の対象を、「モンティ・パイソン」でなく「ローリング・ストーンズ」に置き換えてください。
モンティ・パイソン以上にピッタリとハマるのです!
「60年代は良かった」、
「いい年して若いフリかよ」、
「70年代は最高だったけど」、
「一番笑える奴(=一番いいメンバー)はとっくに死んだろ?」、
これらは全て現在のローリング・ストーンズの批評でよく出る指摘です。
ローリング・ストーンズをコケにするのに、バンドの顔のミック・ジャガーを引っ張り出すあたりは、さすがモンティ・パイソン!
ミック・ジャガー(ついでにチャーリー・ワッツも<笑>)もよくやりました!
(ちなみに「死んだオウム」はモンティ・パイソンのコント作品の代表作です。)
モンティ・パイソンはイギリスBBCテレビが1969年10月から「空飛ぶモンティ・パイソン」というナンセンス・ギャグのコント番組のヒットで一躍世界中に知られることとなりました。
全く時同じくして、日本では「巨泉x前武のゲバゲバ90分」が放送される。
日本を機軸にして言うなら、モンティ・パイソンは英国のゲバゲバ。
(ゲバゲバのプロデューサー井原高忠氏の死をお悔やみ申し上げます。)
バカバカしいながらも、時代、歴史、政治、性、宗教、等々、あらゆるものを風刺して笑わせるという、その当時からすると、とんでもない画期的なコントでした。
モンティ・パイソンのヒットとその影響で、日本でも毒舌が笑いになり、笑いが正論へとなっていった。