今週でBS-TBSの番組「関口宏の昭和青春グラフティ」が放送終了となった。
大好きな番組だったので残念だ。
番組では毎回1つのテーマを決め、そのテーマの昭和時代はどんなものだったかを、映像とゲスト・コメンテーターを迎えて紹介する内容。
例えば、昭和のスポーツヒーロー、昭和の玩具、昭和の渋谷、等々。
懐かしさと初めて知る話、改めて知ることなど、毎回見ていて飽きなかった。
その、同番組の最終回のテーマが「昭和の総括」。
昭和がどんな時代だったかという大きなテーマ。
昭和の最初はいきなり戦争という大きな過ちからスタートした時代。
しかし、終戦後は世界的に「奇跡」と言われるほどの復興~高度経済成長期で、一転して元気で希望を持てる時代へと変貌。
(ま、最後はその邁進に浮かれてバブル経済を迎えましたが…)
紹介された街の声が「元気だった時代」、「家族や近所の絆や信頼があった」、「人間味があった」、等々、良き時代と振り返る人が多かった。
(番組ではその反面の昭和の汚点も紹介していたが。)
そして今は価値観が大きく変わったと言う。
とある街の声に「コツコツ真面目にやっていれば報われる」という価値観があったと紹介していたが、同意して番組を見ながら頷いていた。
私も、子供の頃に周囲の大人からのメッセージは「コツコツ、真面目に」だった。
しかしその通りにやってきた(つもり)ら、リストラの憂き目にあった。
子供の頃、男は「不言実行」が美徳とされていたが、今は不言実行は駄目人間と評されている。
現代は「有言実行」が良しとされ、自ら「この件をこれだけにする」と周囲に宣言し、それを遂行する、もっと言うとそれ以上の結果を出すのが、正しい姿とされている。
本来、一番駄目な「有言不実行」だが、政治家はこれを堂々とやって生きてるのだから、価値観は完全に変わった。
また、家では父親が一番偉く、敬うことを普通に生活していたが、今や父親に権威など与えられない時代。
家族が揃って食事をしたり、テレビを見るようことも無くなった。
多様化して、個人個人が楽だったり合理的な生活が出来るようにはなった。
しかし、家族でさえコミュケーションはスマホのメールが主なんて人も多いんだろうなぁ。
現代は専ら、「変化に柔軟に対応できる」人が美徳とされている。
確かに、変化には対応しないといけないだろうが、その度ごとに人々は価値観や信念を変えないと生きていけない世の中なら、そんな世の中は人に合っていないのではないだろうか?
ふと、そんな気持ちになった…。