1954年・アメリカ。
ソ連のスパイ疑惑で召喚された聴聞会で、
ロバート・オッペンハイマーはこれまでの出来事を語り始める。
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原爆に父と呼ばれる物理学者ロバート・オッペンハイマーの
半生を描いた物語。
日本でなかなか公開しなかった理由も観ると腑に落ちました。
爆弾の実験成功と投下に歓喜するシーンを見てピクリとも共感できなかったのは、
これがもたらした結果を知っているからで、
それを物語の中にちゃんと入れていないこの作品の、
一義的な描き方には不快感ありました。
(彼自身の葛藤や、ほのめかし程度のカットはありますけどね)
もっとも原爆開発はハイライトの一つではあるけれど、
主題は彼のスパイ疑惑だったので、こっちの目線もずれてたんですが。
キリアン・マーフィーってボクの中では、
永遠のバイプレイヤーっていうイメージだったので、
今回の主役抜擢には、ついにって思ってたら、
錚々たる主役級の役者さんに囲まれて叩かれてで、
主役だけどあんまし押しが強くない役回りだったので、
主役云々というよりキャスティングがピッタリと思いました。
(もちろん演技は素晴らしかったです)