「白亜紀往事」劉慈欣 | Something Wonderfulな日には

 

劉慈欣の初期長編。

「三体」や「円」と比べてものすごく読みやすいというか、

シーンが浮かびやすくてびっくりでした。

白亜紀末期の偶然から起こった恐竜と蟻の奇妙な共生関係は、

「2001年宇宙の旅」の宙に舞う骨を思い出しました。

手先が不器用だが想像力と好奇心に長けた恐竜と、

精密な技術力はあるが創造性に欠く蟻という設定は

アメリカ人と日本人の暗喩の様で、恐竜同士の対立も冷戦さながらと、

白亜紀を舞台にしながら現代の人間社会の写し鏡になってました。

歴史は繰り返す、です。

 

あとがきを読むと児童向けに発刊された作品だったんですね。

通りで随分読みやすかったはずです。