レヴィンソンのトランジション理論
アメリカの心理学者であるD・J・レヴィンソン博士の考えた「トランジション」とは、ライフステージの変化において曖昧な過渡期のことです。
人間のライフステージを約25年の周期で捉え、その合間にはどの季節に属するのか「曖昧な5年間のトランジション」が3回存在すると主張しました。
・成人への過渡期(17-22歳)
最初の移行期は、17歳から22歳にかけてです。親に保護される乳児期や児童期を経て成年期に差しかかかったこの時期になると人間は経済的にも精神的にも自立することが可能になってきます。この時期は身体的・生理的にも大きな変化を伴うことから、精神的に不安定になりがちです。
↓
・人生半ばの過渡期(40-45歳)
40代を超えると、人間は徐々に自分のキャリアや人生の終焉を意識するようになります。そして半ばを超えた自分の人生をある種の焦燥や恐怖を感じながら見つめ直し、このままの生き方を続けていくべきか、それとも新しい道を模索すべきか考えるようになります。若さと老いの狭間にあるこの時期は、人間に様々な葛藤を生じさせ、生き方や人生観・価値観の転換を否応なく迫るのです。
↓
・老年への過渡期(60-65歳)
この時期は、中年期の終わりと老年期の始まりを意味します。この時期には、定年退職を迎える人も多く、それがもたらす生活構造や立場の変化、そして自分自身の大きな変化と向き合わなければなりません。