ブリッジスのトランジション理論
アメリカの心理学者W・ブリッジス博士のトランジション理論は、キャリアコンサルタントやカウンセリングの分野などで活用されている理論です。
そもそも、「トランジション」とは、日本語にすると「過渡期」や「移行」を意味します。ブリッジスはその理論を通して、キャリアの変化などに際して個人の心に起こる心理的変化を次の3段階のモデルで表しました。
第1段階:何かが終わるとき(終焉)
トランジションはすべて、現在のやり方や在り方が終わるところから始まります。自分自身の何かを終える、または強制的に終わらされるこの体験は、多くの場合、喪失感につながります。これまで慣れ親しんできた役割や環境がなくなることを受け入れるのは、決して簡単ではありません。
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第2段階:ニュートラル・ゾーン(中立圏)
これまでの仕事・役割・人間関係・信念・価値観等々の終焉が決まった人は、迷いを感じ立ち止まります。これは新しい何かを模索している状態でもありますが、どのようにその変化に対応すべきか、まだ十分に定まりません。
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第3段階:何かが始まるとき(開始)
新しいあり方を模索する中で、人は新たな気づきや価値観、人間関係などに出会います。そしてこれらの出会いを通して、自分の新しい在り方・やり方を構築していくと考えました。
ビジネスの世界では変化がつきものです。
組織の変化が、個人にも変化を強いることはよくあります。
このような変化に際して、人がどのような心理的状態を辿るのかを知っておく必要があります。