ラポールを形成するためのテクニック | ソリューションのおぼえがき

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ラポール形成のための具体的な方法について考えてみます。

 

【ミラーリング】

相手と同じような言動をしたり振る舞いを真似たりすることです。人間は同じような行動をとる人物に対して好意的な印象を抱くといわれています。

会話をするときの間のとり方や手の動きを真似してみることは、ミラーリングの代表例です。ただし、あまりにも同じような行動をとってしまうと、相手は不自然に感じ不快に思うため注意が必要です。

営業や接客などにおいて、初対面で信頼関係を構築しなければならない場合は、相手に好意的な印象を与えるミラーリングは有効な方法といえるでしょう。

 

【マッチング】

話し方の特徴を合わせることです。ミラーリングに対して、マッチングでは声のトーンや話のテンポ、リズムなどを合わせることが大きな違いといえます。

たとえば、声のトーンが低く静かな相手に対し、早口で話しても会話のリズムが合わず噛み合わないことがあるでしょう。このような場合、相手は「会話の主導権が一方的で自分とは合わない」と感じてしまい、信頼関係の構築は難しくなります。

対面でのコミュニケーションにかぎらず、コールセンターなど電話口で対応することが多い職種では、とくにマッチングが重要な手法といえます。

 

【バックトラッキング】

相手の言葉を繰り返したり、相手が使った言葉を会話に織り交ぜたりする方法です。オウム返しとも考えればよいでしょう。

会話の相手が自分の言葉を反復してくれることで、「自分の話を理解してくれている」、「自分の話をよく聞いてくれる」と感じるようになります。その結果、相手が信頼してくれるようになり、ラポールの形成につながる可能性が高まります。

ただし、機械的にオウム返しをするだけだと相手が不快感を抱くこともあるでしょう。そこで、会話のなかに相手の言葉を織り交ぜ、話の内容を要約しながら言葉のキャッチボールをすることが重要です。

長時間の会話や複雑な内容を正しく理解しなければならない場面などにおいて、内容を確認しながら会話を続けていくうえでも役立つ手法といえます。

 

【キャリブレーション】

相手の表情や行動など、言葉以外のサインを観察し、それに合わせてコミュニケーションの取り方を変える方法です。

たとえば、言葉では「理解できた」といっていても、腑に落ちないような表情をしている場合、本心では疑問に感じていることがあるかもしれません。そのような場合、どこがわからないか、または疑問に感じているのかを具体的にヒアリングすることで、相手は「自分のことを理解しようとしてくれている」と感じ、信頼関係が構築しやすくなるでしょう。

ビジネスの場面では、部下は上司に対して本音や本心を打ち明けにくいことも少なくありません。そのため、上司は部下の表情や行動、わずかな仕草などを観察しながら、本音を引き出すようなコミュニケーションが求められます。

お互いの率直な考えや意見を出し合えるために、キャリブレーションは効果的な手法です。

 

これらの手法を活用して、同調するのではなく、共感を持って対話を心がけることで、相手と信頼関係を持つことが可能になります。劇的にコミュニケーションが改善することでしょう。