製品の価格を決める方法には様々な方法があります。
■価格の設定方法
製品の価格は、様々な要因により影響を受けます。企業はこのような要因を考慮に入れて価格政策を検討しなければなりません。様々な要因の中でも特に考慮しなければならないのは、コスト、需要、競争の3点です。
それぞれの視点から見た具体的な価格の設定方法を整理してみます。
①コスト志向の価格設定法
・マークアップ価格設定:流通業者が仕入原価に値入額を上乗せし、売価を設定します
・コストプラス価格設定:製造業者が総費用にマージンを上乗せして売価を決めます
・目標価格設定:想定される事業規模を基に、一定の利益が確保できるように価格を設定します
②需要志向の価格設定法
・心理的価格設定:消費者の価格への認識を意識して価格を設定します
・需要価格設定:顧客層や時季などの市場セグメントごとに価格を変化させ、セグメントに合った価格を設定します
③競争志向の価格設定法
・実勢型価格設定:競合相手の価格と比較して製品の価格を設定します
・入札価格設定:注文や請負契約のように入札で受注を決め、価格も設定します
現実的には、コスト、需要、競争という3つの視点のうちどれかを選ぶというよりも、それぞれの視点を統合して、価格の設定が行われています。
■新製品の価格設定
新製品導入時における価格の設定方法は、①上層吸収価格政策(スキミング・プライシング)と②市場浸透価格政策(ペネトレーション・プライシング)の2つがあります。
■心理的価格設定
価格の設定においては、消費者の心理的な反応を考慮に入れることも重要になります。消費者の心理的な反応を捉えて価格を設定することを心理的価格設定と言います。