経営行動という名著から意思決定について整理してみます。
H.A.サイモンは、意思決定をする前に、2つの前提があると主張しました。価値前提/事実前提と言われています。「主観的な前提」と「客観的な前提」があるという考え方です。
価値基準とは、組織の目標や経営理念といった抽象的な数値化できない主観的な思いのようなものです。いわゆる価値観というもので、生まれ育った環境や生まれつきといった数値化できない感覚のようなものに影響されます。
事実前提とは、手段選択に関する客観的な事実に基づく判断のことを指します。四半期GDP、企業物価指数、消費者物価指数、景況感、新型コロナウイルスの現状など、数値化できるデータから得られる客観的な事実です。
H.A.サイモンは数値化できる事実前提を重要視しました。