キャリア理論における人生の転機についての捉え方 | ソリューションのおぼえがき

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人生の転機とはいったいどういったものでしょうか?様々な人生においての転機が私たちにはありますが、「トランジション」についての研究者の考え方について整理してみます。

 

トランジション(transition)=転機や過渡期、移行や節目のこと。例えば:進学、就職、人事異動、転勤(海外含む)、昇進、転職、失業、退職、結婚、離婚、本人や家族の病気などのライフイベントが考えられます。

 

■3ステップモデル

W,ブリッジス氏は、トランジションを「ある状態が終わり、別の状態が始まるまでの移行の過程」と考えました。

人は、次の「開始」にばかり目を奪われて、何が終わったのかという「終焉」を意識せずにいるものです。大きな転機であればあるほど、途方にくれたり、虚しい気分になったりといった「中立圏」を経験し、そこから徐々に「新たなはじまり」に向けて気持ちを統合していくと考えました。

 

■ニコルソン:トランジション4サイクルモデル

N,ニコルソン氏は、転機を4つのサイクルがグルグル回っていると考えました。

 

第一段階・・・準備:新しい世界に入る準備段階、例えば昇任しての心構え

第二段階・・・遭遇:実際にその職場など新たな役職で現実の状況に直面

第三段階・・・適応:徐々に仕事、人間関係などの状況に溶け込み、役職にも順応

第四段階・・・安定化:役職にもなれ、落ち着いていく段階

 

■4Sモデル

N,K,シュロスバーグ氏は、3種類の転機があると言っています。

①予測していた転機:結婚、定年など

②予測していなかった転機:会社倒産による失業、不慮の事故や災害にあうなど

③予測していたものが起こらなかった転機:昇進試験に不合格、昇任しなかったなど

 

様々な転機が人には望む・望まないに関わらず訪れます。その際にシュロスバーグは転機を乗り越えるためには4つの資源、リソースを点検することが大事だと考えました。

 

・状態(Situation):そのような状況が起きた原因は何か?

・自己(Self):自分はどのようにその変化に対処しているのか?

・支援(Support):その転機への対処にどのような資源が活用できるのか?

・戦略(Strategy):状況を変える戦略を具体的にどう実行しているのか?

 

この4つのSを強化することで転機を克服することができて、キャリア・デベロップメントにつながると考えました。

 

多くの人は「自己」の状態で止まり、思い悩みます。その結果、「支援」を求めるために相談に向かう人もいれば立ち止まってしまう人もいます。その次のステップに進んで欲しいのですが、ここでは資源に対する認知の問題になってしまいます。

 

■キャリアアンカーモデル、キャリアサバイバル

E,H,シャイン氏は、その人が仕事をする上で、捨てることができないもの、大事だと考えているものをキャリアアンカーと考え、個人が自分のやりたいことを見出すために、キャリアにおける選択を迫られたとき、個人のキャリア選択の指針やキャリア選択を方向づけるように機能する錨のようなものであると定義しました。

 

キャリアサバイバルとは、上司、同僚、顧客といった、自分を取り巻くネットワークが自分に何を期待して、要求しようとしているかを正確に見極め、どうすれば適応できるのかを戦略的にプランニングすることと定義しました。

 

■計画された偶発性(planned happenstance)

J,D,クランボルツ氏は、人のキャリアはほとんどが「偶然」で決まるのだと考えました。

そして、自分のキャリアを厳密に決定しようとするよりも、個人の好奇心や柔軟性を活かして、様々な活動を通して学び、チャンスをキャリアにつなげようとする態度が現代社会により適合するモデルだと考えました。

そして、行動の特性として好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心が大切であると提示しました。