会社を再建していくとき、議論になるのは、「人件費の抑制」です。
経営者はできるなら人件費は減らしたくないと意見されることが多いです。
私はそれはそれですばらしい考えだと思います。経営者が従業員のことを心から想い、人生をかけて働いてくれていることに報いてあげたいと思う気持ち、痛いほどわかります。
ところが実際は、抑制しなければならないことのほうが多く、頭を悩ませます。
リストラをすれば、抑制効果は高いです。しかし、従業員モチベーションは一気に下がります。
採るべき方策として、私は2段階あると考えています。
①役員報酬の期間大幅カット
②従業員の雇用を守る前提での制度改革
これは順番を決して間違えてはいけません。①→②です。
役員は全責任をとらなければなりません。当たり前です。
②ですが、雇用を守り、この再建を乗り切ったときに未来があるというプランを提示して示すことも大変重要です。もう一つは、この際に会社としての現状を数値でしっかりと示すこと。経営者は嫌がりますが、ここを避けてしまうとヒトは会社への信頼を失うことになります。
私の取り組んだ会社では、実はこの2プランがキーとなり、再生を果たしているケースがいくつかあります。