経営者の方が組織運営をしていく上で大切なことは、「判断基準」の策定だと考えています。
ここを幹部と一体となって、推し進めていくことが組織運営にとって重要です。
①マネジメントサイクルの構築
決算書が会社の通信簿であると考えるなら、期首に掲げた目標達成に向けて、全社員の総力を結集させねばならなりません。
したがって、管理会計の構築をベースに数値目標を部門・個人レベルにまで落とし込み、定量評価基準を構築することが先決です。
会社としては、管理会計ルールにもとづく業績先行管理をおこない、精緻な予実績管理に近づけるわけです。
それとともに、幹部メンバーの計数管理能力を向上させるため、最終的には定量目標となる予算策定力を身につけさせるための、必要最低限の教育が必要です。
②コミュニケーションパイプの構築
経営の最終決裁は企業の代表者であるが、社長一人が全てを決裁することは、スピードこそあれ、幹部自身の判断能力の低下につながります。
改善提案を自ら起案し、その決裁を受けたり、メンバーからの提案を、過去の経験を活かし決裁する。
幹部として判断力を鍛錬するには、自らが責任を持つという心構えを身につけさせることが手っ取り早い方法です。
逃げ癖のある幹部は判断力が甘いことが多いです。
決裁基準書を整備し、情報の流れを整理し、組織におけるコミュニケーションを上達させることが必要になります。
③評価・分配制度の構築
定性評価として、能力評価と情意評価の2種類があるが、どういう人材像がわが社にとって望ましいのか?といった評価基準を、考課者である幹部全員が持たなければなりません。
評価項目および評価基準の設定は勿論のこと、単なる考課点数のつけ方を学ぶのではなく、部下の行動観察から得られる事象をどのように評価するかといった評価基準づくりも視野に入れた考課者訓練を実施することが
必要です。
人はそれぞれ違った判断基準を持っており、それらを統一するのは容易なことではありません。
このように判断基準をきちんと見える形にすることは意識を統一していく上で必要な手段になってきます。