いじめとソリューション・フォーカス
こんにちは。 心のソムリエ 橋本文隆です。
群馬県桐生市の小学校、いじめによる自殺という報道を、ソリューション・フォーカス的に考えてみました。
ソリューション・フォーカスの標準的なアプローチは、
1.現状の把握
2.ゴールの設定
3.ゴール実現のためのリソースの活用
1.現状の把握
学校は、いじめは無かったという見解から、調査の結果いじめはあったと変更した。
何を言っているのだ?
いじめの相談は何度もされているのだ。
以前から企業にクレームを出していたのに、それを無視して「調査の結果、やっぱりクレームはありました」と言われたら、客は激怒するだろう。
学級の崩壊状況やいじめの状況を、ありのままに把握することは必須である。
いじめの有無は、加害者の意識ではなく、被害者の意識で判断するものである。
2.ゴールの設定
次に、目標とする状態を明確にすることが必要になる。
ここで 「いじめが無いクラスにする」 などという目標を掲げては、ソリューション・フォーカスにならない。
このような目標は、「いじめの原因は何なのか?」という原因思考に走ってしまう。
桐生市の学校や教育委員会は、「いじめと自殺の因果関係は不明」などと、恥ずかしげもなく言っているが、因果関係の証明などという話になると、証拠の有無ということになってしまう。
それは裁判では必要だが、少なくとも教育者の態度ではない。
ソリューション・フォーカス流に目標を立てるのであれば、
「クラスのメンバー全員が協力して、○○を成し遂げる」
などというように、肯定的な目標にする。
肯定的目標は、リソース(目標実現に使える材料)を探しやすい。
「いじめが無い」という否定的目標は、原因探しになりやすく、リソースを見つけ難い。
3.ゴール実現のためのリソースの活用
リソースはクラスのなかに限らず、学校内外から広く見つける。
東南アジアとの国際交流やリゾート観光スポット、
名産美味い物研究など、クラスのメンバーのリソース発見に
つながるような研究活動なんかも面白いと思う。
(NHKの「ようこそ先輩」でやっているような授業。
あんな大層なことは、難しいだろうが。)
可能であれば、リソースのなかに親も含みたい。
学級崩壊したクラスを担任一人で見るのは、まず無理。
我が子が、学級崩壊に加わっているとしたら、
我が子が、崩壊しているクラスで授業を受けていると考えたら、
積極的に親もクラスに関与しようと思わないだろうか。
(もちろん、仕事などで物理的に関与できない人はいるだろうが。)
いじめを少なくし、快適な学校をつくるためにも、先生方にソリューション・フォーカスを身につけていただきたいと願う。